2008年1月4日金曜日

平成二十年元旦の紙面に想う 

 2008年1月1日。毎年この日は、朝刊を数紙購入し喫茶店で熟読する。朝日新聞紙面にまず眼がいった。天声人語にあった「公平の原則」と言う言葉が引っかかった。全てが万人に 公平であってよいものか。貧しき人や弱人には不公平があっても良いのでは、と思う。いわゆる「ハンディキャップ」の考え方があっても良いのではないか。「公平と言う名の不 公平」に陥らないようにしたい。
 2007年度の朝日賞が決まった。朝日賞とは、学術、芸術などの分野で傑出した業績を上げた個人・団体に贈られる賞である。共通したキーワードがあった。昨年末に国家的事業に認定された万能細胞(iPS細胞)の研究で一躍注目された幹細胞生物学者の山中伸弥教授の「幅広い連携」。福山型筋ジストロフィーの発見とその解明に尽力 した小児科医の福山幸夫東京女子医大名誉教授、臨床遺伝学者の戸田達史大阪大学教授、そして生化学者の遠藤玉夫首都大学東京客員教授3名の「共同研究」。山中教授が紙 面で教え子である一緒に研究に参加した学生達の健闘を讃えていた。「この研究は駅伝のようなもの。今回の受賞は監督賞」。「再生医療で役に立たせるには、僕のような 基礎医学の研究者から、臨床に近い分野の学者まで幅広い連携が必要」。これからの時代は一人の専門家では解明できない複雑な物事がますます絡んでくる。スポーツにおいてもそうである。勝利のためには「心」「技」「」体」だけでなく「情報収集」が必要であるが、特に「心」の問題が今の時代において、難しくなってきている。それぞれの専門家を結集し、その専門家達を 取りまとめる監督の人間性と能力が問われる。組織運営にしても同様なことがいえる。
 星野仙一さんが語っていた。「人の情け、心の熱を教えることが教育の基本」。確かに指導者の条件の一つには「情熱」があげられる。

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