2009年6月8日月曜日

心は関東大会からインターハイ予選会へ


 昨日まで開催の関東大会女子高校の部は国学院栃木の2回目の優勝で閉幕しました。八王子実践に2-0のスコアでした。各チームは今週末から21日、28日にかけて地区大会から予選会に出場する。
 関東での激戦区と言えば、男女とも東京都だ。男女とも6~7チームが全国優勝を狙っている東京都のような激戦区はない。その戦いは中学校からすでに始まっている。特に女子は中・高一貫体制を敷いている。中学校の成績が高校の成績に反映されているというデータが中・高一貫指導体制の優位さを物語っている。
 東京以外の激戦区で今回、私が注目しているのは、ある県の女子の決定戦である。現名門校に復活をかけた高校が挑む。春高バレーは現名門校が辛勝で出場。その後の県春季大会では古豪チームが優勝。両チームのスタッフにも異色の存在がベンチに座っている。当日の試合のとき、私は軽井沢町でソフトバレーボールの交流大会を運営している。両チームの激戦の模様をつぶさに観戦したいのであるが、軽井沢の方は、昨年から予定の入っている業務なので変更できない。
 もし、私がどちらからのチームからアドバイスを求められたら、次のように応えたい。これからの2週間で上達できるスキルは、個人技に近いサーブである。そして、サーブレシーブ。ネット型のスポーツでこの2つのスキルが勝敗を大きく左右する。主審のホイッスルが鳴って最初のプレーはサーブでありサーブレシーブである。トスやスパイク、ブロックは2番目、3番目のプレーである。勝てないチームほど3番目のプレーであるスパイクの練習に時間を費やす。良いトスがあればスパイクは決まりやすい。しかし、良いレシーブがなければ良いトスはできない。従ってサーブレシーブに女子バレーは時間を費やす。そして、そのサーブレシーブを崩すためにサーブに時間を費やす。サーブは最初の「攻撃」である。
 今年の春高男子バレー優勝校の都城工業高校はジャンプスパイクサーブを4人で行った。普通のオーバーハンドのフローターサーブは今やオーバーハンドのレシーブで簡単に上げられてしまう。女子バレーであってもジャンプスパイクサーバーはチームに2人は欲しい。バックアタックラインから自分でトスしてスパイクを打てるプレーヤーであれば、やらせる価値はある。できないプレーヤーにはフローターでも両足や片足でジャンさせ、高さを作り、幅跳びさせることで重心移動を使ったスピードサーブを実行させる。相手のリベロやコート真ん中にサーブを打つということは、相手のチームにどうぞナイスレシーブをして、得意のパターンで私達のチームに攻めて、気持ち良く点数を取ってください、といわんばかりの、ダジャレじゃないが「サービス(奉仕)」の精神に満ち溢れていると皮肉に言わざるを得ない。狙いどころは人と人の間、次に人とラインの間。全日本女子のレベルでも、相手チームのプレーヤーの真正面にサーブを打っている人が結構いる。スパイクで言うと、相手の高いブロッカーに真正面からボールを真下にたたきつけて、相手チームのリズムを益々良くしているアタッカーと同じだ。
 おっと、技術論になると長くなるので、このくらいでキーボードの指を休めるが、いずれにしろ、残り2週間でサーブは登録メンバーだけで一人3,000回やるべきだ。ジャンプスパイクサーバーはこの1/3で良い。トスだけ正確に2回上げて、3回目は実際にジャンプして打つこと。アタックラインをエンドラインに見たてて自分でトスをして打つ。次にまた3m下がって打つ、実際のエンドラインを踏まないように打つ。エンドラインを踏まないように打つのは簡単である。エンドライン上にヒットポイントを持ってくれば絶対踏むことはない。朝の練習に、午後の練習に、短い距離からのネットインサーブを、エンドライン際から、相手コート側の壁に当てるようなサーブを、味方コート最大限後方から相手コートの真ん中に落ちるサーブを、伸びるサーブと落ちるサーブの打ち分けを、スパイクを数本打ってからのサーブを、10本連続サーブを・・・反復と集中と工夫がサーブを短期間で上達させる。つまらないサーブの練習をどれだけ集中して歯を食いしばってできるか。
 どちらのチームにバレーボールの神様は味方するのであろうか。名門久喜高校を率いて日本一になった今は亡き名将の稲山先生の言葉を思い出した。あれは、全国春の高校バレーに数年振りで復活した秋田県立由利高校の選手に言った言葉だ。「バレーボールの神様は努力する人間に味方する」。
運は努力した人に付くということか・・・。
(画像は読者のKさんから送って頂いた紫陽花の花。梅雨の鬱陶しさを癒してくれますね。しかし、「鬱陶しい」という漢字は鬱陶しいねえ)

0 件のコメント: