2009年7月26日日曜日

敗者から学ぶこと


 2年毎に開催される水泳の世界選手権がローマで開催されている。シンクロが開催された1973年の世界選手権13大会と五輪7大会を通じて日本がメダルなしに終わったのは初めてということだ。チームの平均年齢が19.9歳。北京五輪代表が全員引退し、指導者も一新されたとのこと。私もTVで演技を見たが、日本の演技にはトップの国々にある「華」がなかった。採点は、技術点と芸術点の合計でなされるが、技術の正確性や力強さも感じられず、特に艶やかさがが感じられなかった。一言で言うと「子供っぽい」のである。ロシアも若返っていたが、ロシアは国内での熾烈な競争でレベルを保っているという話だ。
 今回の日本チームは、「若さのパワー」で勝負に出たのであろうが、裏目に出たようだ。私がチームを作るとしたら、「ベテラン・中堅・若手」の三層構造にする。そしてベテランには、プールの中だけでなく、プール外での過ごし方、例えば、ものの見方、メディアとの接し方、世界観、人生観を身をもって示して欲しい。コーチ陣にも経験あるコーチを加えたい。
 世界で戦うのは、「プールの中」だけでなく、「プールの外」でも経験を積まなければならない。私達のバレーボールも然り。「体育館の中」で天才でも、「体育館の外」でも天才という訳にはいかない。神様は、人間をパーフェクトな存在として造らなかった。スポーツを取り囲んでいるのは「体育館外」という社会である。社会人としての確かな歩みの中で、トップアスリートとしての能力を磨いていってほしい。そのためにも多くの経験を持つベテランが身近にいる必要がある。身近のベテランを必要としないならば、世界のトップに教えを請う必要がある。
 世界のレベルが上がったから、日本がメダル常連国から滑り落ちたのか、日本のレベルが落ちたから世界がメダルを獲得するようになったのか、外部者の私には良くわからない。判っているのは、日本のお家芸がまた一つ減ったということだ。バレーボール、男子レスリング、柔道・・・。シンクロの敗因分析はこれから詳細にされるであろう。肝心なのは、対策である。対策実行のための財源は、期間は、指導陣は、選手選考のあり方は、強化内容・方法は・・・強化本部の腕の見せ所であろう。
 三日後の水曜日は大学院修了式。木曜日は、私が外部コーチをしているチームのインターハイ(全国高校総体)女子出発直前合同練習日。週末は、我がママさんチームの1泊2日の合宿がある。皆で一軒家を貸し切り、掃除・買出し・調理・食事を子供たちやパパも加わり、生活を共にする。練習試合も行う。2日目の夜から、私は新幹線でインターハイ会場の奈良市に向かう。8月6日までの滞在である。
7日の夕方からは秋田に行き、日本体育協会公認指導員養成講習会で講師を務める。なんと一日7時間を2日間、私一人でやりなさいという。それも受講者は100名という。酒処の秋田県バレー協会は私を秋田名酒で釣ろうとしているのであるが、そうは問屋が・・・卸しちゃうのである。まあ・・・釣られる私も私である。
(画像は愛読者のKさんから送られてきた鯛釣り草。面白い名前の花ですね)

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