2011年12月2日金曜日

12/1(木) 12月 師走のスタート




早いものです。幼少の時代は、時間は長かった。最近は、時間がますます短くなってきた。新聞は2紙、配達してもらっている、朝日新聞は家で読み、日本経済新聞は通勤の車中か会社近くのドトールというコーヒー店で読んでいる。
 日本経済新聞の連載物で「私の履歴書」といコーナーがある。主に70歳以上で功なり名を挙げた政・財界、文化人の方達である。今月の執筆者は歌舞伎俳優の松本幸四郎さんで来年には古希(70歳)を迎えられる。幸四郎さんが、今の私の気持ちにぴったりの言葉を書いてくれた。
 「役者は、勇気、感動、希望を与えるという、なかなかできないことを仕事にしている。常にそれを肝に銘じてきたつもりだが、3.11の大震災という悲劇が起きた中で、役者としての自分が改めて問われていると思った」。
 スポーツアスリートやスポーツ・イベントに携わる我々も同じである。松本さんと表現が違うところが、「与える」というところ。「与える」のではなく「感じていただく」ものだと思っている。プレーするアスリート自身が与えると考えていても、プレーそのものが観衆やファンに感じられなければ、独りよがりのプレーである。「与える」という言葉は、松本さんのような大俳優であるからこそ言える言葉であって、30歳そこそこのトップアスリートが使える言葉ではないと思っている。
 松本さんは舞台劇の『ラ・マンチャの男』で演じるドン・キホーテ役でも知られている。2005年にスペインに行き、劇中で有名な実際の風車を訪ねたときに思わず口をついて出た言葉があったという。
 「今まで見ていたのは、夢のための夢だ。男60を過ぎて、これから見る夢こそが本当の夢」。
 私も、来年は60歳。サラリーマン生活を離れて、これからが夢の実現と思っている。


(画像は、自分を名馬だと思い込んでいるロシナンテという愛馬に立ち、風車に向っていくドン・キホーテ。ギュスターヴ・ドレの挿絵が素晴らしい。セルバンテス作の『ドン・キホーテ』は、近代小説の始まりとも言われている。作品は聖書の次に多くの国で出版されているとのこと)

0 件のコメント: