2012年7月5日木曜日

Mon.July 2nd,2012 12歳のピアニストから学ぶこと

画像は、2日の日本経済新聞朝刊に載った牛田智大(うしだ ともはる)君。私の幼少時代に良く似ている12歳の中学生ピアニストだ。「ショパン国際ピアノコンクール in ASIA」で、5年続けて部門最高位を受賞している。

 智大君は、大の日本経済新聞読者である。わからない言葉があると親に聞いたり、辞書を使って調べるという。大人でも辞書を引かずにわかった振りして、知ったかぶりしている人が多いというのに、彼は本当に言葉を大事にしているんだね。
 何ゆえに、きょうは彼の記事を取り上げたのか?記事の後半の彼の言葉が私の心をグサッと捉えた。どうしても皆さんにも伝えたくなった。

 「僕は、自分のイメージや意思を伝えられるピアニストを目指しています。演奏会が終わって『技術がすごいね』と言われたら、今日は失敗だったなと思います。反対に、演奏を聴いてくれた人が『これからも頑張ろう』という気持ちになってくれたらうれしいです。そんな演奏をするためには、作曲家が住んだ国や時代などから曲を創った背景を学び、曲へのイメージを膨らませる必要があるんです。新聞には、そういったことを考えるヒントがたくさん詰まっています。
 ピアノは、一日に10時間ぐらい練習しても、特につらいと思ったことはありません。やればやるほど気になるところが見つかって、どんどんはまっていく感じです。息抜きの時間は小説などを読んでいますね。とにかく活字が好きなんです」。

 聴衆から技術を誉められて、きょうは失敗だった、と反省し、聴衆から元気が出たと言われると嬉しい、という智大君に私の頭をガーンと打たれたような衝撃であった。私も指導者として彼が思っているようにやっているつもりだが、彼の素直な言葉には参った。表面の美しさだけ誉められたら、それは自分にとっての失敗だ、なんて言葉は私の口からは出てこない。
 我々がバレーボールを指導するとき、上手にプレーできるように技能を獲得させるために繰り返しの練習やコツを教える。しかし、上手にプレーできる、勝利を手中にすることよりも心が充実するのは仲間との協力・助け合い(カバーリング、フォロー、アシスト)だと思う。心が通じ合うことで、次の練習日の再会が待ち遠しい。トップ・アスリートであれば、そんなプレーを見た観客は、また見たくなる、応援したくなるであろう。バレーボールが好きになる指導というのは、そういうことだと思う。
 きょうは、智大君に大事なことを教えてもらった。これも、日本経済新聞を読んでいるお陰。購読料は他紙と比べて少し高いが、内容は濃い。

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