2013年3月28日木曜日

Thu.March 28,2013 コーチングのコツ-14 失敗を責めない

練習で選手がミスする。そのような時に指導者はどのような対応をしているかを観察するとその指導者のレベルが良くわかる。

選手の意思のあるミスに対しては「Nice try!」(よくぞチャレンジした!)と評価すべきだ。ああしてみよう、こうしてみよう、と選手が自分のプレーに対して工夫するようになればしめたもの。指導者に教えられているだけの指導から選手が主体的に学ぶ指導に局面が変わっていくと指導の効果は目に見えて向上する。TeachingからCoachingへの選手に対する関わり方の変化である。

但し、怠慢によるミスには注意喚起が必要だ。その場合の導は、以前このコーナーで示した「5W1H」で質問して本人に確認させ考えさせるコーチングが効果がある。

2か月前にある県のベスト4の高校女子トップチームを指導した。チーム内のスタメンAチームが相手Bチームのリベロの正面にチャンスサーブを打った。当然、Aチームから時間差を織り交ぜた強烈な攻撃をくらった。

「なぜ、リベロにサーブを打ったの?リベロはレシーブの専門家だよ」
「何となく打ってしまいました」
「相手エースに対してセッターがバックトスで上げざるを得ないような厳しいコースに次回からサーブを打ってよね」
 そして、彼女に次のサーブの順番がやってきた。厳しいコースにサーブを打ったがボール2個分アウトになった。
「あと2回ミスしていいから、今のコースに打ってみなさい。気持ちを強く持ってね。普段のサーブの練習も実戦を意識して、こんなサーブあんなサーブと工夫するんだよ。サーブはゲームの最初の攻撃なんだからね。OK?」
 次のセットでは、彼女のサーブはレシーバーを乱してセッターはアンダーでトスを上げざるを得なかった。スパイカーの打ったボールの威力は落ちてBチームのレシーバーでもコントロールできるチャンスボールとなった。
「そうだ、あのサーブだ!良くやった!」
誉められた彼女は少し自信がついたのであろうか、笑みが浮かび表情が引き締まった。

ミスなくして成功はない。Nice tryを繰り返そう!

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