2013年6月13日木曜日

Wed.June 12,2013 飛ぶボールへの世間の反発係数は高い

夜のTVニュース番組で「飛ぶボール」についての会見が大きく取り上げられていた。そして、私が昨年まで勤務していた社名も度々名指しされていた。

日本野球機構(NPB)のコミッショナー(71)は12日、公式戦で使用する統一球を昨季より反発力の大きい「飛ぶ」球に変更した事実を隠ぺいしていた問題で、都内のNPB事務局で会見を行い、変更の事実を「知らなかった」と主張した。選手及びファンには謝罪したものの、変更は事務局長(59)の独断とし「不祥事ではない」とも発言。自らの責任問題には当たらないとの見解を示した。

メデイアの批判は厳しい。「素人コミッショナーの限界」(日本経済新聞)という見出しも出た。記事の中で出てきた言葉が「ガバナンス」。ガバナンスは良く聞く言葉であるが、どういうこと?辞書を引いてみた。

『ガバナンスは組織や社会に関与するメンバーが主体的に関与を行なう、意思決定、合意形成のシステムである。このガバナンスの意味をもとに、経営学の分野でも、「ITガバナンス」や「コーポレートガバナンス」という言葉が使われるようになった。これらは、株主や経営陣による企業の管理、統治という意味合いも含まれてはいる。だが、企業の利害関係者(株主、経営者、従業員、取引先など)の主体的な作用による、意思決定、合意形成のシステムが、本来の意味に近い』(ASCII.jpデジタル用語辞典)

今回の場合でいえば、NPBの事務局だけが突っ走ってしまい、選手、ファンとの合意形成なしに意思決定をしたことがガバナンスに反しているということだ。そして、事務局のトップはコミッショナーだ。

ボールには1個、1個、トップであるコミッショナーの刻印(サイン)がされている。契約書をよく読まずにサインをする人はいないはず。ボールの中身を「知らなかった」では、ファンは承知しないであろう。

何か、数日前の武道連盟の会長の言葉と似通っている。トップに立つ者は、常に組織のあり方に注意を払っている。組織が大きくなればなるほど、利害関係も大きくなる。一つの小さな不祥事を見逃せば、大きな問題に発展する場合もある。トップの仕事とは、常にリスクと向き合いながら、環境の変化に対応し、新規事業を模索し、意思決定して行くことと考えている。それでも、不祥事が出れば、トップとして脇が甘い、と責任を取らねばならない。

責任の取り方で、そのトップの能力、人格が伺える。そんな考えを持っている私が極端なのであろうか。日本の世間はバカではない。責任を取りたくないリーダーのいる組織は、更に沈滞そして有能な人材は去って行き崩壊して行く。被害者は権力を持たない普通の人達である。
 

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