2013年7月12日金曜日

Thu.July 11,2013 Coaching tips #23 Be modest about your victory

表題の意味は「勝って驕(おご)らず」。今朝の日本経済新聞文化欄に毎日掲載中の『私の履歴書』を読んでいて、この言葉が自然と口から出てきた。

今月の『私の履歴書』の執筆者は、囲碁棋士で名誉碁聖の大竹英雄さん。林海峰(りんかいほう)さんとともにお互い18歳から切磋琢磨され、竹林(チクリン)時代を築かれた方達である。大竹さんが若年の頃、林さんの師匠の呉清源(ごせいげん)九段と初めて対局した時の話に感心させられた。私は、囲碁はやらない。せいぜい五目並べ程度である。しかし、囲碁や将棋の棋士の方達の「勝負」に関しての本は随分と読ませていただいた。盤上のスポーツ、と私は捉えている。

大竹さんが、当時、神様と崇拝されていた呉清源さんと対戦して勝ってしまった大竹さんの態度が清々(すがすが)しい。

「勝った喜びというよりは、"神様"と一緒の時間を過ごせたということの幸福感だけが残っている」。

練習試合などで、先輩チームの胸を借り、初めてセットを取った時、公式試合で全国常連のチームに初めて勝利した時、相手のチームと同じ時間を過ごせたことに対して感謝の念があれば、その監督のチームは更に強くなっていくことであろう。

幕末の江戸城明渡しのときの敗軍である幕府側の勝海舟と勝ち軍である官軍の西郷隆盛の談判も見事なものであった。勝海舟が回顧録で次のように述べている。

このとき、おれが、ことに感心したのは、西郷がおれに対して、幕府の重臣たるだけの敬礼を失わず、談判のときにも、終始坐を正して手を膝の上にのせ、少しも戦勝者の威光でもって敗軍の将を軽蔑するというような風が見えなかったことだ」。

When there is an opponent, one should be fair, modest and calm, and should be thankful to have the opponent to compete against.
(相手のある場合において卑怯でない、驕らない、高ぶらないことや試合する相手があることに感謝する)

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