2014年7月20日日曜日

Thu.July 17,2014 muoi muoi

Muoi , 私が初めて覚えたクメール語(カンボジア語)である。

発音は「ムゥォイ」。数字の「1」である。ムゥォイ、ムゥォイで「一つずつ」という意味になる。「一つずつ着実に」という意味で、実は勝手にそう思い込んで、私が造った言葉である。

38年前にチュニジア共和国で、やはりバレーの指導を行っていた時に、アラビア語で数字の「1」のことを「ワハダ」と言っていた。若かった私は、選手に沢山のことを教えよう、もっと教えようと張り切っていた。

ある日、チームのベテラン監督から言われた。
「ムッシュー渡邉、ワハダ、ワハダで行きましょう。日本は文明国として急速な進歩を遂げたが、我々にはゆっくりと、しかし着実にエスカルゴ(かたつむり)にような歩みで進むのが性に合っている」。

最近、そんな昔のことを思い出し、カンボジアでも「ムォイ、ムォイ」が良いと思い、この言葉を使い始めている。

きょうの練習では、ブロッカーのフィンガーサインを指導した。クロスを締めたり、ストレートを締めたりすることを味方のレシーバーに伝達するサインである。そして、ブロッカー(Net defense)とスパイク レシーバー(Floor defense)との連携を作ってディフェンス(Defense)を形成する。

これらの前提として、サービスを付け加えるとトータル・ディフェンス(Total Defense)が形成される。どこにサービスを実行するかで、スパイカーの数を削減し、3人のブロッカーvs2人のスパイカーにすることができればブロッカーが少し優位になる。スパイクレシーブ(dig)もスパイクボールのコースを読みやすくなる。
(今週のテーマはカウンターアタック(Counter Aattack:反撃)である。テーマを決めないと毎日同じような練習内容ばかりやっている。日本のママさんバレーチームにも似たようなマンネリ練習に陥っているチームを良く見かける)

きょうは、そういうことで、まず第1歩の、相手スパイカーの特徴を見極めてのブロッカーのサイン選択までを指導した。このシステムの定着までにはあと1ヶ月はかかるであろうが、ナショナルチームを造ってから指導していたのでは間に合わない。ナショナルチームの中核チームとなる、このプノンペンの警察(polis)チームに今のうちに指導しておきたい。

カンボジアのバレーボールチームは、見事にブロック練習やレシーブ練習に力を入れない。練習は 
スパイク練習で始まり、スパイク練習で終わるといっても過言ではない。従って、ゲームでもスパイクでほとんど決まってしまう。味方がスパイクして、相手ブロックにボールが当たり、味方コートに跳ね返ってくることは、あまりない。

ブロック練習に時間を費やす私に対して、選手達は、この日本人コーチはバレーボールというスポーツを知らないなあ・・・なんて初めは思っていたのかもしれない。このごろは、ブロック練習の成果が出てきて、特に若いBチームが素直に練習に取り組んでくれてブロック力がめきめきと付いてきた。スタメン組のAチームも練習ゲームでBチームに対して、セットを時々落とすようになった。そしてAチームは、改めてブロックは男子バレーでは武器として必要なんだな、と気づいてくれたようだ。



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