2015年2月17日火曜日

12,Feb.2015 Coaching Body Gard Team

カンボジア国内のチームで、専門のコーチによってバレーボールの指導がなされているチームは少ない。およそ32チームほどである。

その中から、ベスト8のチームが選抜され、14日から第1回のバレーボール連盟会長杯がプノンペン市内で開催される。いつものことであるが、第1回ともいうべきこの大会の開催が私に知らされたのは、1週間前である。大会要項はカンボジア語で書かれたものが各チームに配布されているが、私には連盟から何も連絡がない。大会要項は、手書きで作成されていても、PDFに変換すれば、容易に私のPCにも送付できるであろうに・・・。

・・・このようなことは、いつものことで、理解しているつもりであるが、ため息とともに多少疲労感を覚える。

そんな中で、ナショナルチームのキャプテンに任命した選手から、彼のチームの指導依頼の連絡が入った。彼は、チームの中で唯一、英語の読み書き会話ができる。

彼の所属しているチームは「ボディ・ガード」。国内では、5,6番手といった実力がある。練習会場は、プノンペン市内から車で40分ほど走って、広大な施設の中にあった。玄関には腰に拳銃を吊るした守衛が立っていた。そして、ニコリともせずに私を一瞥しただけで、中に入る許可を出した。

玄関に迎えに来たキャプテンに、このチームのことを聞いてみた。入って行った施設は、国の首相はじめ政治家や要人を警護する人間、つまり警護官を養成、派遣している内務省管轄の政府の施設であることが判った。常時2,000人が駐屯している国内で5カ所あるうちで最大規模の施設らしい。

広大な敷地を車で5分走らせると、更に検問所があった。そこでは、検問員が笑顔で車を通してくれた。黒い平服で現れた細身で小柄な人が握手を求めてきた。どうやら、チームの最高責任者らしい。後で聞いてみたら、肩章の星が3つあるという。日本の陸上自衛隊であれば、陸軍大将という階級である。
(この大将は、偉ぶらず、気さくに話しかけてくる。お嬢さんのご主人が、
日本に長く住んでいたこともあり、そのせいか、日本人には好感を持っているようだ)

午前中にチームの指導を行い、昼食をご馳走になった。バレーコートはコンクリートむき出しの硬いコートであるが、コートの隅の方に簡易テーブルを設え、そこで選手達と一緒にカンボジア料理を頂いた。

帰り際に、その大将から、うちのチームに週2回で良いからコーチに来てくれないかと依頼されたが、ナショナルチームの合宿が入っているので、月に2回程度でしたら来させて頂きますと言って別れた。
(床は、見ての通りコンクリートむき出しの床だ。従って、相手チームからフェイントされたら滑り込むようなレシーブはできないので、腕立て伏せのようなレシーブをせざるを得ない。大将には、このコンクリの上にゴムを敷いたコートを造れば常時ベスト4以上のチームになります、と提案したのだが・・・どうもその予算がないようだ)
国内の各チーム(クラブチーム)は、実は各省の実力者の支配下に置かれているのだということを改めて認識した一日であった。カンボジア連盟の会長も現職は内務省の要職の地位にあるが、各チームのオーナーともいうべき人間も独立した実力者揃いなのだ。あるオーナーは、どこそこの省の大臣の息子であるとか、また、あるオーナーは、首相の親戚であるとか。

つまり、ナショナルチームを創っていくには、代表選手を送って頂く各チームのオーナーの協力も欠かせないということだ。この国では、ナショナルチームの監督だからと言って、体育館の中だけ活動していればよいというものではない。各オーナー、そして秘書クラスの側近にも配慮していかねばならない。


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