2015年10月10日土曜日

09,Oct.2015    今年のノーベル平和賞は、チュニジアの団体

チュニジアは私にとってバレーボールで繋がっている第2の祖国です。今夜、嬉しいニュースが報じられました。
 
チュニジアの団体が今年のノーベル平和賞に選ばれました。団体名は「チュニジアン・ナショナル・ダイアログ・カルテット」といいます。ダイアログは「対話」、カルテットは「4つの団体」を意味します。
AP Photo
(写真はハッシンヌ・アバッシ氏。4つの団体の1つであるチュニジア労働組合の事務局長です。友人達から受賞を祝福されているところです)
 
2013年に、チュニジアを拠点に活動する4つの団体でつくられた「チュニジアン・ナショナル・ダイアログ・カルテット」は、チュニジアの民主化に貢献したことが評価されました。

NHKのニュースでは下記のように報じられていました。
 
「チュニジアでは、2011年に独裁政権への抗議デモが広がって政権が崩壊し、中東の民主化運動『アラブの春』の発端ともなりましたが、民主化へのプロセスの中で野党の政治家が相次いで暗殺され、与野党の対立が激化するなど大きく混乱しました。その中で、『チュニジアン・ナショナル・ダイアログ・カルテット』を構成する4つの団体は、与野党の間の仲介役だけでなく、政治家と市民との対話も進めるなどして、新たな政治体制の確立につなげ、チュニジアの民主化に大きく貢献しました」

ノーベル財団は、チュニジアは、暴力ではなく、基本的人権に配慮した活発な市民社会による民主化が可能であることを示したとしています。

平和賞というと、個人で思い出されるのは、アメリカで黒人差別の撤廃を求めて公民権運動を率いたマーチン・ルーサー・キング牧師(1964年)、インドを中心に貧困や飢餓に苦しむ人たちの支援活動にあたったマザー・テレサ氏(1979年)、南アフリカ政府が続けてきたアパルトヘイト、人種隔離政策の撤廃に尽力したネルソン・マンデラ氏(1993年)です。

去年は、女性の教育を受ける権利を訴えて活動してきたマララ・ユスフザイさんが歴代最年少の17歳で受賞しました。

平和賞は、過去には、その人の実績ではなく「その人への期待」で選ばれた時もありました。今回のように、その人や団体の実績で選ばれるのが最も納得できる選考であると思います。

ノーベル賞は、国際的な科学・文化・平和貢献に対する評価です。選ばれた人、団体さらには国民、そして世界の人々に大いなる自信を与えてくれます。ノーベル賞を発案し資産を投じてノーベル財団を創設した人は、あの破壊的なダイナマイトを発明したノーベル氏ですが、彼の最大の発明は、実はこのノーベル賞そのものではなかったでしょうか。

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