2015年10月24日土曜日

23,Oct.2015    監督の育て方

日本のプロ野球界では、今月、色々なことが起きているようです。

まず、選手が賭博に関係していたことが発覚しました。その後に、その球団の監督が、若い指導者が必要と賭博とは関係なく、引退を宣言しました。そして、直後に現在現役の選手が新監督を受諾しました。

日本のプロ野球界で、過去に人気選手が、その名声を借りて即監督に就任して失敗した例は沢山あります。常識的に考えても、例えば企業で営業課長で抜群の成績を誇っている社員が、突然社長をやりなさいと言われても、そう簡単にやれるものではありません。

町工場でさえ、普段から現場の作業も、営業も、経理もやっていても、突然社長をやれと言われても、その人は尻込みします。日頃から、その心づもりをして準備をしていなければトップを務めることは容易ではないと思います。
 
バレーボール界でも、名選手から名監督になった人たちはいます。中国女子チームのランピン(郎平)、USA女子チームのカーチキライなどです。彼等は、しかし、突然名監督になった訳ではなく、数年間アシスタント・コーチとして学習を積んでいます。

日本のバレーボール界がナショナルチームの監督の起用で失敗した事例は沢山あります。元全日本選手だから、という理由だけでいきなりナショナルチームの監督に起用され、結果を残せず、数名が監督失格の烙印を押されてしまいました。その監督だけでなく指名した人にも責任はあったのですが、有耶無耶のうちに時が過ぎ去りました。

最近でも、全日本男子の監督に初めて外国人を選出しましたが、監督としての経験も乏しいその外国人は1年も経たないうちに解雇されました。結果として、全日本男子の強化が1年間、無為に過ぎてしまいました。

野球であれば、数年間、評論家をしながら各チームを回って色々な監督のマネジメントを観察するとよいでしょう。大学(院)に入ってコーチングやスポーツ・マネジメントや生理学を改めて学ぶのも良いと思います。私であれば、アメリカの大リーグのどこかの球団に1年間、留学します。

その後に、まずコーチとして入団し、親会社の構造やチームの特徴、選手の性格を捉え、コーチング・スタッフの構想を練り、監督になる準備を進めます。

名選手は、イコール、名指導者であるのではなく、名指導者になれる素質を持っているだけです。何といっても、現役時代の名声、実績がありますので、選手への影響力は大きいと思います。しかし、監督とアシスタント・コーチとでは仕事の役割がまったく違います。

日本のプロ野球界が、未だに選手の現役時代の名声に頼った監督の起用をやっていることに、少し驚いたと同時に失望しました。監督は、監督として育てることが必要です。







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