2015年7月18日土曜日

17,July 2015 Leo Cup 首相杯4日目で起きたこと

第1ゲーム開始に間にあうように、会場であるOlympic Stadium内の体育館に向かいました。

両チームがウオームアップを終えても、試合が始まりません。30分経ちました。会場から歩いてすぐの所にあるバレーボール連盟のオフイスに行きました。そこには、連盟副会長の次席の地位にある役員、それに見覚えのあるチーム関係者が数名、硬い表情で座っていました。
(体育館内の審判団も役員ミーティングの結果を待っている)

一昨日、ゲーム開始が遅れたのと同じ原因の「選手の移籍問題」が、まだ解決されていなかったのです。選手を承諾もなく他のチームに持って行かれたチームの主張は次のようなものでした。「移籍金では済まされない。我々は金が欲しいのではなく、手塩にかけて育成した選手を横暴なやり方で失いたくないのです」。確かに、お金はクラブのトップが都合してくれますが、選手を育成するには年月がかかります。

選手の登録規程はこの国の連盟にもあります。但し、今回のような契約中の選手を、契約途中で他のチームが元所属していたチームと交渉せずに移籍させたことに対する細かな(罰則)規程はなかったようです。

日本でも、移籍に関する問題は数回ありました。その都度、日本協会は、新たな規程を設けてより細かく規程するようになりました。カンボジアでも、同じような道を歩み始めたのでしょう。事務局長には、必要であるならば参考のために日本の登録規程を英文で差し上げることを提案しています。
 

2015年7月17日金曜日

16.July 2015 カンボジア首相杯(Leo Cup)

先週火曜日からLeo Cup(タイランドのレオ・ビールという会社がスポンサー)を毎日、今週日曜日まで開催しています。

正確に言うと、「Leo Cup(レオビール杯)」は先週日曜日に終了しています。チームは、国内各地で予選を勝ち抜いてきた8チームが2グループのリーグ戦を行い、その後クロス掛けで決勝が行われ、3位までが賞金を得ています。

そして、今週火曜日から行われているのが「首相杯」というもので、日本では「総理大臣杯」にあたります。スポンサーは、Leo Cup同様、レオビール社です。

試合は、1日3試合あります。第1試合開始時間は、当初は3時からとプログラムに書いてありましたが、2日目から2時に繰り上がりました。こういうことは、この国に良くありがちなことですので、2年目滞在の私も驚きはしません。

昨年は、このような突然、日程や時間が変更されたり、キャンセルされたり、逆に招集がかかったりで、不満たらたらで、毎日ストレスを感じていました。今年の私は、そのような事態には「適応するが、流されない、妥協しない」をモットーにしています。血圧も昨年ほど高くなりません。

さて、試合のほうです。火曜日から国内トップ8チームによるリーグ戦(2グループに分けて)「カンボジア首相杯」が始まったわけですが、内容があまり良くありません。

ナショナルチームで活躍したメンバーは、国内ベスト8のチームの中の4チームに分散しています。順当に行けば、それらの4チームがベスト4に進出して来るものと思われます。しかし、彼らが、自分たちの所属するクラブチームに戻ってプレーしているのを見ていると、ナショナルチームでの経験があまり生かされていないように感じています。

やはり、指導者がポイントです。国内指導者達は、YOUチューブで東南アジア競技大会での試合の様子は見ています。そこからでも、最近の東南アジアのバレーボールの動向、スキル(技能)や戦術を学習することはできます。そして、それ以上に学習できる場としては、カンボジアナショナルチームが合宿練習をやっている場で私が何をどのように指導しているか実際見ることが彼らに有益であったと思います。

次回のナショナルチームの合宿では、1クラブチームを招いて合同練習を行うことで、そのクラブの指導者の学習そして選手達にも刺激になると考えています。国内のクラブチームの練習は、どのチームも、ほとんど同じような練習内容で自分のチームのメンバーの個性をあまり生かしてはいません。

指導者が学習しなければ、チーム力も停滞します。今が一番良いと感じている時が、ピークを過ぎた証拠です。競争社会での停滞は後退を意味します。



2015年7月15日水曜日

14,July 2015 カンボジア国内メジャー大会始まる

カンボジア国内の大会で最大規模で行われるのが「Leo Cup(レオカップ)」です。スポンサーがタイのLeo Beerというビール会社です。優勝賞金総額が、日本円で220万円です。

カンボジアには、まだ国内リーグ戦がありません。連盟幹部は、その理由を、スポンサーが見つからないからと言っていますが、私には別の理由があるように思っています。それは、別の機会にお話しするとして、このleo Cupが国内最高の大会であることは間違いありません。8チームが4チームずつ2グループに分かれて完全リーグ戦を行い、その後、各グループ上位2チームがたすき掛けで準決、3位・4位順位戦、決勝を行います。

この大会は、ナショナルチームの強化の基礎部分にも当たりますので、私も各チームの強化具合、ナショナルメンバーの活躍ぶりをチェックする場でもあります。来年度は、国内リーグ戦を創設して2ヵ月間、毎週末に開催したいですね。そのことが、カンボジア・バレーボールの強化、更には数多く試合することでファンの関心を高めることができ、メディアにも取り上げられ、観客動員数の増加にもなります。今でも、決勝だけはTVが入っていますが、毎週TVを入れてカンボジア中の人々にバレーボールの面白さを伝えたいですね。

大会は既に2月から国内各地で毎週1会場で予選会を行っています。そして、予選から勝ち抜いてきたチーム8チームが下位グループを形成します。上位グループは、昨年の大会での成績がベスト8以上のチームから6チームが推薦され、そこに下位グループの上位2チームが加わります。

下位グループのゲームは、先週月曜日からリーグ戦形式で毎日行われ、先週の日曜日に決勝が行われました。決勝では、プノンペンのチームで「Body Gard(ボディ・ガード)」が3-0で優勝しました。

Body Gardは、政治家など要人をガードする軍隊に近い組織で、そこが母体になっているクラブチームです。日本で言えばSPを養成している組織です。ここのチームには、ナショナルメンバーが2人入っています。プレーを見ていると、気のせいか以前よりも上手になっているようです。ナショナルチームでの経験を自分たちのチームで活かしているようです。

今週の月曜日から上位8チームが4チームずつに分かれてリーグ戦を行っています。そして、今日の第2試合が始まる前に、ハプニングがありました。

予定の時間が来て、20分たっても、試合がなかなか始まらなかったのです。原因は「選手の移籍問題」でした。国内第3位のチームのセッターが昨年末、練習中に急死しました。そこで、そのチームは、2ケ月前に他のクラブチーム(国内6位)から190cmの若いセッターを移籍させました。

ところが、本日、試合前にそのセッターが属していた以前のチームからクレームが入ったのです。内容は「あのセッターは正式な移籍ではなく、違法な引き抜きである。従って、彼が新しいチームでプレーすることは許されない」と、こういうことです。

試合会場の中に、バレーボール連盟の事務所があります。私が、事情を詳しく聞こうと事務所に 入って行くと、関係している2チームの役員達が既に集まって協議している最中でした。「移籍問題」は、ナショナルチームに直接関係してくることではないので、その場は、私は遠慮して直ぐに退出しました。

恐らく、この国のバレーボール連盟には「チーム及び選手登録規程」が成文化されていないと推察しています。規程があれば、今日のような問題は起こるはずがありません。明日、連盟に行って、今回の顛末がどうなったか確認します。そして、依頼されれば、日本のバレーボール協会の規程(移籍も含めて)を参考に示そうと考えています。

願わくは、選手を犠牲にせずに、プレーをやれるような方向で、速やかに解決して欲しいものです。最終的には今回の件は移籍金で処置されることになりそうです。そして、一方で規定の整備を速やかに行うことが連盟の任務になります。

2015年7月14日火曜日

13,July 2015   一時帰国します

8月1日にPhnom Penhを発って、日本に一時帰国します。Phnom Penhに戻るのは18日ごろに なります。

一時帰国中は、大阪市で開催中の男子インターハイの観戦にも行く予定です。東京では10日から小学生の全国大会も開催していますね。日本体育協会主催のコーチ養成講習会も明治学院大学で8日から12日まで開催されていますので、なるべく多くの方達と再会して情報交換したいですね。

2015年7月11日土曜日

10,July 2015  写真からのゲーム分析ー6 サービス

本日は、サービス(サーブ)についてです。解説できるような写真も尽きてきましたので、今回で写真からのゲーム分析を終了させていただきます。


カンボジア男子チームのサービスについて統計資料から特徴を見てみましょう。

チーム別の1セット平均得点は0.78点で、第3位です。そして、資料には出ていませんが、1セット平均での失敗した数、つまり失点を計算してみると、最多の4.67点です。

実は、ここに今回のカンボジアチームの特徴の1つが出ています。

私は今回のチームの戦術をサービスとブロックに特化しました。サービスに関しては、1日の練習で選手達に最低でも100本打たせました。連続10回成功サーブ、コース替え、スピードチェンジ、ロングとショート、サービス後のレシーブ、ブロック連続後の心拍数を上げてのサービスなど毎回課題を与えて、それでなくとも単調になり易いサービスの練習に変化つけて実行しました。

サービスで相手レシーバーを乱し、相手の攻撃を単調にすれば、こちらのブロック陣もスパイカーの的を絞り易くなります。ブロック・ステッピングがまだ迅速にできない彼等でもハイ・セット(2段トス)へのブロックは、余裕を持って跳ぶことができます。

コート上6人の選手のうち、3人にはジャンプ・スパイク・サーブを実行するようにしました。彼等には、1セット平均6回失敗してもよいから攻撃的なサービスを実行しなさい、と指示しています。それが功を奏してチームサービスの成績が全体の第3位という結果になったと思います。

唯一、勝利を挙げた地元のシンガポールとの第2セットは、その意味で象徴的でした。カンボジアが23-22でリードしていましたが、シンガポールの勢いに追い上げられていました。カンボジアのサーバーはジャンピング・スパイク・サーブの得意なピエレン(190cm)という選手です。そして、彼は24点目をエンドラインぎりぎりに強烈なサービスを成功させました。次のサービスも臆することなく彼は果敢にサービスで攻めました。結果、相手のレシーブは崩れ、相手スパイカーもミスを犯して、25-22でこのセットを逃げ切りました。

もし、2セット目を取られていれば、フルセットまで持ち込まれて、カンボジアはお定まりの内紛をコート上で起こして自滅していたかもしれません。

1セット平均の失点が4.67で全体の第1位というのは、数値だけ見れば、私が許容している1セット平均6点内で収まっています。しかし、内容が良くありませんでした。失点した時のサービスは、実は攻めるサービスでの失敗よりも、確実にコントロールして実行できるフローターサービスで失敗しているケースが圧倒的に多かったのです。これは、集中力の欠如、弱気の表れから生じた失敗でした。

いわゆる、不注意での失点が多いのがカンボジアバレーボールの特徴でもあります。これは練習態度が影響しています。集合時間を守ることの重要性を彼らは最近になってやっと理解できるようになってきました。「時間を守る」ということは、集中力にも関係しています。集中力は意識の問題です。時間への意識を明確に持つことは、集中力を育成する効果があります。



Scoring Service

Rank

Name

Aces

Faults

Serve
Hits

Total Attempts

Average Set

1


Indonesia


11

29

227

267

0.92

2


Myanmar


10

27

241

278

0.83

3


Cambodia


7

42

143

192

0.78

4


Thailand


12

42

339

393

0.75

5


Singapore


4

20

138

162

0.44

6


Vietnam


6

33

318

357

0.40

6


Philippines


4

23

181

208

0.40

8


Malaysia


2

25

196

223

0.18

2015年7月8日水曜日

08.July 2015 インターハイ情報

今朝、日本に住んでいる青年海外協力隊時代の後輩から連絡があり、久しぶりにSkypeでお話ししました。

彼の息子さんが今年、世界ジュニア選手権大会(8/14~アルゼンチン)に出場します。話題の中心は、関東大会とインターハイ予選の話になりました。

そういえば、5月は関東大会予選、そして6月はインターハイ予選の時期でした。ここ2年間ほど、すっかりそのことを忘れていました。私は仕事の関係で関東各県の予選会そして関東大会は、34年間、欠かさず観戦していました。アドヴァイス指導していたチームも毎年出場していました。

動向で一番気になるのは、全国でも激戦区の東京都の予選会です。

変化がありました。男子で全国大会常連の東洋高校が、都インターハイ予選でベスト8、代わりにベスト4に出てきたのが足立新田でした。この件は、2年前からある程度予想されていましたが、東洋関係者の私としては、ちょっとさびしいですね。関東大会では意地を見せてベスト4に入りましたが、直ぐにベスト4に復帰して欲しいものです。

女子では、毎年混線になるのですが、下の結果に落ち着きました。

関東大会の結果は、男子が駿台学園が初優勝、女子が川崎市立橘でした。バレーボールの関東大会は、各都県のインターハイ予選会の直前に開催されるので、実力が拮抗している都県においてはチームのコンディション作りに工夫が要ります。全国出場を狙っているチームには、関東大会は、勝ちに行かずに、調整を主にして臨もうという判断もあって宜しいと思います。関東で良い結果を出しても、インターハイ代表権を取れなければ、元も子もありません。チームの好調のピークをどこに持ってくるか、監督の判断が求められます。

なお、陸上などでは、関東大会での成績によって全国出場が決められます。各種目によって、全国大会への道のりは違うのです。

東京都男子 インターハイ予選 最終順位

第1位: 駿台学園 <3勝0敗>(東京都第1代表)
第2位: 東亜学園 <2勝1敗>(東京都第2代表)
第3位: 安田学園 <1勝2敗>
第4位: 足立新田 <0勝3敗>

東京都男子 インターハイ予選 詳細
http://www.hstmv.jp/

関東高校男子 詳細
http://kkv.volleyball.ne.jp/announce/24%20kantou%20dan%20kestuka.pdf


東京都女子 インターハイ予選 最終順位
第 1 位: 八王子実践 <3勝0敗>(東京都第1代表)
第 2 位: 文京学院大女 <2勝1敗>(東京都第2代表)
第 3 位: 下北沢成徳 <1勝2敗>
第 4 位: 共栄学園 <0勝3敗>

東京都女子 インターハイ予選 詳細
http://www.hstwv.jp/pdf/2015/15soutaikekka.pdf 

関東大会男子 詳細
http://kkv.volleyball.ne.jp/announce/24%20kantou%20jyo%20kestuka.pdf

2015年7月7日火曜日

08,July 2015 写真からのゲーム分析ー5 レセプションにおけるカヴァーリング

本日は、レセプション(reception;サーブレシーブ)におけるカヴァープレーに行きましょう。

まず、画像を見てください。リベロがレシーブしています。この瞬間、大事なのは...カヴァーです。リベロが、もしコートサイドにボールを弾いてしまったら、もしエンドライン方向にボールを弾いてしまったら、もしくはスパイクの助走路にボールを弾かれて来たら...。レシーバー以外の選手達は、仲間のミステイクをカヴァーできるように、自分たちの足の爪先をレシーバーのほうにしっかりと向けて準備しながら、次の行動に移ることが大事です。それが、ゲームでの繋ぎの基本です。

カヴァーを含めて、繋ぐために構えている選手は、セッターと画面では他の選手の陰に隠れていますが、クイックに入ろうとしている選手の2名だけです。カンボジアチームは、まだまだ改善の余地が沢山あるということです。カヴァーリング・プレーのような数値に出ないようなプレーが実は、大事なのです。地味なことを、緻密にやれるということは、集中力があるということです。次のプレーの予測が瞬時にできるということです。

仲間への思いやりがあるから、カヴァーできるわけではありません。思いやりで、そう簡単に仲間のミスをカヴァーすることはできません。カヴァーできるだけの能力がなければできません。そうやって、カヴァーし合うことで、思いやりが少しづつ育まれてくるものと私は考えています。