カンボジア男子チームのサービスについて統計資料から特徴を見てみましょう。
チーム別の1セット平均得点は0.78点で、第3位です。そして、資料には出ていませんが、1セット平均での失敗した数、つまり失点を計算してみると、最多の4.67点です。
実は、ここに今回のカンボジアチームの特徴の1つが出ています。
私は今回のチームの戦術をサービスとブロックに特化しました。サービスに関しては、1日の練習で選手達に最低でも100本打たせました。連続10回成功サーブ、コース替え、スピードチェンジ、ロングとショート、サービス後のレシーブ、ブロック連続後の心拍数を上げてのサービスなど毎回課題を与えて、それでなくとも単調になり易いサービスの練習に変化つけて実行しました。
サービスで相手レシーバーを乱し、相手の攻撃を単調にすれば、こちらのブロック陣もスパイカーの的を絞り易くなります。ブロック・ステッピングがまだ迅速にできない彼等でもハイ・セット(2段トス)へのブロックは、余裕を持って跳ぶことができます。
コート上6人の選手のうち、3人にはジャンプ・スパイク・サーブを実行するようにしました。彼等には、1セット平均6回失敗してもよいから攻撃的なサービスを実行しなさい、と指示しています。それが功を奏してチームサービスの成績が全体の第3位という結果になったと思います。
唯一、勝利を挙げた地元のシンガポールとの第2セットは、その意味で象徴的でした。カンボジアが23-22でリードしていましたが、シンガポールの勢いに追い上げられていました。カンボジアのサーバーはジャンピング・スパイク・サーブの得意なピエレン(190cm)という選手です。そして、彼は24点目をエンドラインぎりぎりに強烈なサービスを成功させました。次のサービスも臆することなく彼は果敢にサービスで攻めました。結果、相手のレシーブは崩れ、相手スパイカーもミスを犯して、25-22でこのセットを逃げ切りました。
もし、2セット目を取られていれば、フルセットまで持ち込まれて、カンボジアはお定まりの内紛をコート上で起こして自滅していたかもしれません。
1セット平均の失点が4.67で全体の第1位というのは、数値だけ見れば、私が許容している1セット平均6点内で収まっています。しかし、内容が良くありませんでした。失点した時のサービスは、実は攻めるサービスでの失敗よりも、確実にコントロールして実行できるフローターサービスで失敗しているケースが圧倒的に多かったのです。これは、集中力の欠如、弱気の表れから生じた失敗でした。
いわゆる、不注意での失点が多いのがカンボジアバレーボールの特徴でもあります。これは練習態度が影響しています。集合時間を守ることの重要性を彼らは最近になってやっと理解できるようになってきました。「時間を守る」ということは、集中力にも関係しています。集中力は意識の問題です。時間への意識を明確に持つことは、集中力を育成する効果があります。
Scoring Service
| ||||||||
Rank
|
Name
|
Aces
|
Faults
|
Serve
Hits |
Total Attempts
|
Average Set
| ||
1
|
|
11
|
29
|
227
|
267
|
0.92
| ||
2
|
|
10
|
27
|
241
|
278
|
0.83
| ||
3
|
|
7
|
42
|
143
|
192
|
0.78
| ||
4
|
|
12
|
42
|
339
|
393
|
0.75
| ||
5
|
|
4
|
20
|
138
|
162
|
0.44
| ||
6
|
|
6
|
33
|
318
|
357
|
0.40
| ||
6
|
|
4
|
23
|
181
|
208
|
0.40
| ||
8
|
|
2
|
25
|
196
|
223
|
0.18
| ||
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