この画像は、グループ第2戦のベトナムとの試合中の模様です。ベトナムは向こう側の白のユニフォームです。
ベトナムのミドル・ブロッカーをご覧ください。高さと幅があります。彼の名前はグエン。27歳で197cm、国際大会の経験が豊富な選手です。彼の持ち味はブロックです。今回の大会では、ブロック部門で1セット平均1.13本で、参加8チーム中、個人第1位でした。ベトナムチームのブロックは、全体としても3.07本で全体の第2位です。
ベトナムのブロックの特徴は、移動のスピードの速さです。セッターの手からボールが離れるや否や、最初の1歩目が速く、加速もアップしています。我がチームの選手達は、まだボールの離れ際まで観ていることはなく、自分の思い込み(専門的にはゲス・ブロックと言います)でセット・ボールの方向を判断してステップ・アウトしてしまいます。
さて、このようなベトナムチームのブロック陣に対してのカンボジアの攻撃は、チームで一番得点能力の高いオポジット(セッター対角に位置させ、主に攻撃に専念させるポジション)であるチャントールにボールを集めることでした。彼は、参加選手達の中でベストスコアラー部門で15位(34点)、スパイク部門ではトップ10人に入り、スパイク効果率【= (得点-失点)÷打数】第5位(0.35%)という立派な成績を残しました。
この時の戦術としては、相手ブロッカーをなるべくライト側にいるチャントール(#10)から距離を離すために、Bクイックを絡めることでした。結果としては、この時の第1セッターが、この戦術を忠実に実行しませんでした。そのセッターは、Bクイックをやらずに、Aクイックを絡めてバックセットでライト平行を出しました。ベトナムのグエン選手にとっては、短い距離になったわけですから、素早く3ステップで移動してクロス方向へのスパイクを封じるようにブロックジャンプを行っています。
実は、我がチームのこのときの第1セッターは、1か月前にカンボジア連盟の意向で入れ替わりました。従ってこの大会でのそのセッターは、Bクイック絡みの戦術を体得していませんでした。
そして、ブロックが2枚付いたときの対処法として、チャントールは相手コートサイドに跳ね返させるブロックアウトを瞬時に選択しました。彼は、相手のサイドブロッカーの左手のひら外側を狙ってボールを打っています。レベルが上がれば、この時は、主審の真ん前でしたので、指を狙って相手コート後方に大きくボールを跳ね返させるブロックアウトも実行できます。主審の真ん前ですので、僅かにブロッカーの指に触れる場面も主審は見ることができます。逆サイドですと、主審から遠いので、同じようなことを実行しても、ボール・アウトとして判定されるでしょう。
いずれにしろ、昨日も指摘したスパイクカヴァーのフォーメーションが、この試合でも形成されていません。バレーボールは、プレー中にコート上で休憩する場面はありません。常にプレーは先読みで繋がっています。次のプレーの展開を予想しながら今のプレーを行います。
NFL史上最高の選手といわれたWayn Gretzky(ウェイン・グレツキー)が次のように言っています。味わい深い表現です。Good player と Great player の使い方は英語学習にもなります。
A good player plays where the ball is. A great player plays where the ball is going to be.
「良い選手は、ボールのあるところでプレーする。偉大な選手は、ボールの行く先で
プレーする」
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