2012年11月11日日曜日

Fri.Nov.9,2012 コーチングのコツ-1 トライアングルパスの勧め

   アップを終えると、どのチームも基本練習として、対人パスを行う。二人一組、つまりペアで向かい合って行うパスだ。その次に対人レシーブを行う。私がコーチングする場合、対人パスは、ボールを使って指、手首、肘、肩それぞれの関節をタイミングよく伸展する(伸ばす)アップとして捉えている。
 大事なのは、次に行う三人でのパス、つまり三角パス、トライアングルパス(triangle pass)を行う。対人パスは、線としてのパス。Triangle passは、面としてのパス。面を組み立てることで、立方体としてのゲームができる。対人パスは、自分に向かってきたボールをそのボールが来た方向に返す。実際のゲームにおいて、このようなパスは、稀である。最も多いケースとしては、セッターがパスを受けてからスパイカーにパスする角度のあるトス(set)である。レシーバーからのパスの線をつなげると、丁度トライアングル(三角形)の形になっている。Triangle passを行うことで、トスの精度が高まる。つなぎが良くなる。

Triangleの形は色々と形成できる。正三角形や二等辺三角形など各種工夫できる。ネット際でやるならばネット際サイドにターゲット(T)を配置し、コート中央(P)からパス(トス)を上げさせる。図(1)では矢印の方向の左回りに行っている。右回りでやるときは、フォワード・ライト(前衛右)にターゲットを設けて行う。2段トスの基本練習に効果がある。9人制のハーフセンターの2段トスの練習にもなる。バックプレーヤーなどが距離を出したいときは、三角形の形を大きくしたり、変形させたりしてターゲットから遠ざければよい。30本で場所を交代する。時間がないときは4人にしてランニング移動をつけて行う。例えば、PからTにパス(トス)した人は、速やかにTの位置に移動して次のパスを待っている、と言う具合である。

 図(2)はネット際のSにとってトスの良い練習になる。タッチネットしないように、大きなパスの時はネットを背にしてトスしてみたり、ジャンプしてみたりバランスを取る。9人制のフォワード(前衛)であるならば、意図的にレシーバーに短いパスを要求してネットプレーからトスにする練習もできる。9人制の前衛は全員ネットプレーからのトスとジャンプトスができるようにするのが望ましい。


最後に、ボールを取る位置であるが、対人パスは額の斜め上であるが、左右に角度をつけてパス(トス)する場合には注意が要る。実はこれが大きなコツ。自分の右方向にボールをパス(トス)を出す場合のボールを取る位置は、右眼の斜め上方。アンダーでもパス(トス)を行うが、右方向にボールを出す場合は、右足をボールを出す方向に向け、右腰前で腕にボールを乗せて腰で運ぶ(コントロールする)。上手な人は、自然とこのように体とボールの位置関係を調節している。

 要は、triangle(三角形)の形を色々と変えてパス練習をやることが、実戦に近いパス練習ができるということ。ゲームにおいて、このTriangleの形が崩れてきたときが、つなぎが途切れるとき。

 そうそう、1つ追加させていただく。アンダーパスのときに肘が曲がる人には「肘でボールを押すように」とアドバイスすることで、肘が曲がらなくなります。昔、よく言われた「組んだ両手の親指を床の方に向けなさい」というのも意識付けとしてよいのであるが、このほかの言い方も覚えておいた方がコーチとしての引き出しが多くなる。

 コーチは、自分の理論に選手を当てはめることではなく、個々の選手に合う理論を自分の引き出しにどれだけ持っているか、です。


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