「女三四郎」こと、山口香先生がようやく登場してきた。1984年世界選手権で日本女性で初めて世界の頂点に立った女子柔道のパイオニア。柔道界の名でも切れ味鋭い理論家である。漫画の「ヤワラ」のモデルでもある。
やはり、この方が選手たちの後ろ盾であった。さすが、真の大学人。世の中の役に立つ研究だけでなく実践に移している。
昨日のJOC女性スポーツ専門部会(彼女は部会長)のあと、メディアのインタビューに答えた。更に朝日新聞の取材にも、悩める選手たちの相談役となった、と本日付の朝日新聞「オピニオン欄」で答えていた。
私が大学院に入学した時、彼女も武蔵大学から准教授で母校に戻ってきた。彼女から柔道界の体質は講義で客観的に研究対象としてある程度聞いていた。今回のことは、彼女にしてみれば、危惧していたことが起き、自分がやらざるを得ないと以前にもまして覚悟を決めたのであろう。
彼女の発言で、他のスポーツ団体にも参考になる意見がある。彼女は、講義でもよく言っていた。
「柔道界は強い者が絶対だという思想があります。柔道家同士だと『お前弱かったのに』という部分がどうしてもある。先輩後輩という関係もつきまとう。でも、本当に柔道を愛しているのは、強くなくてもずっと続けた人だと思うのです。そういう人を尊敬し、適材適所で力を発揮してもらう。キーワードは『リスペクト(敬意)』と『オープンマインド(広い心)』。強い弱いを超えて相手を尊敬し、広く開かれた組織になって多種多様な意見を取り入れる。そこから始めることが大切です」。
今月の10日(日)昼から、大学院でシンポジウム(「トップアスリートのセカンドキャリアを考える」)が開催される。そこには勿論、山口先生もいらっしゃる。1年ぶりに再会できる。指導教官の菊先生ともお会いし、私のセカンドキャリアをご相談しなければならない。
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