2015年6月15日月曜日

14,June 2015  ベスト4ならず

試合前から、正直なところインドネシアにセットは取れても、試合に勝てる自信はありませんでした。


その根拠は、試合前のミーティングを行っても、選手達の反応が少ないのです。やはり、基本的な戦術を選手達は、まだ理解できないのです。複数の戦術でゲームを闘うという習慣が普段の国内の試合において少ないのです。その証拠に、ある国内トップクラスのチームは、どのチームと対戦しても同じ戦法で闘っています。従って、そのパターンを相手に読み取られれば、チームとしての機能が働かなくなります。

ナショナルチームを組んで5ヶ月ですが、相手のチーム毎に異なった戦術を説明すると、選手達は混乱してしまいます。従って、「こうしなさい」と図に書いて指示するしかありません。もっとも、こうしなさい、と指示しても選手達がその通りにボールをコントロールできるとは限りません。

良い例が、スパイクの基本的な個人戦術である強打と軟攻との使い分けです。強打と軟攻(ソフトスパイクやフェイント)のスパイクの使い分けは、相手の裏をかくことです。レシーバーの重心をずらせることでレシーブのタイミングを難しくさせることです。

1年前に私が監督に就任した時には、カンボジアのレシーブ練習にスライディングやダイブ(フライイング)の練習は皆無でした。つまり、ゲーム中に意図的なフェイントがほとんどないのでスライディングの練習をやる必要はなかったのです。また、床が木ではなく、コンクリート製やむき出しの土なので上手くスライディング(滑ること)できません。

個人としての戦術を駆使できなければ、チームとしての戦術を展開することは難しいでしょう。どうしても個人プレーになってしまいがちです。

選手達は強打が大好きです。フェイントで点数を取るのは男らしくないとでも思っているのでしょうか。今大会でも、トップチームはフェイントを効果的に使っています。カンボジアは空中でバランスを崩してもソフトスパイクやフェイントを使わずに強打を行ってアウトボールにして相手にポイントを献上しています。

試合直前のミーティングでも、ゲーム中の作戦タイム時でも選手達は集中して私の話を聞くことができません。その度に私は「Listen up!(良く聞きなさい)」と言うのですが、どうも彼らには集中して人の話を聞く習慣があまりないようです。ゲーム中と言えば、困ったことに、作戦タイム時には、団長が話に割り込んできて何やらベラベラ選手達に指示を出しています。選手達の頭の中は混乱していることでしょう。

なにか愚痴っぽくなってきましたので、もう止めます。きょうの試合の結果は、我がチームが0-3(25-21,25-20,25-20)でインドネシアに敗退しました。敗退の原因は、ミスの多さです。相手チームのミスが17点、こちらは30点です。声を出してプレーする習慣がまだ定着していないので、コミュニケーション不足によるミスが多いのです。そしてブロックです。ブロックはインドネシアが10本で我がチームは5本です。対等に戦っているのはスパイクとサーブレシーブです。サーブレシーブ返球率は57%で目標の63%に近づいてきました。ンインドネシアは、これで2勝1敗でベスト4に進出して、銅メダル以上を手中にして、明日は2007年以降、東南アジアでは負け知らずのタイと対戦します。

我がチームは1勝2敗でBグループ3位という結果でした。全体では出場8か国の内5位か6位でしょう。いずれにしろ、最低の目標である万年最下位から脱出できたので、ほっとしています。

今後の技術的な目標は、攻撃的で正確なサーブ力の向上とサーブで崩した後のブロッカーの判断、移動を迅速にして正しい空中フォームを作ることです。戦術的な目標は、基本戦術理論を選手達全員が理解できるようになることです。そして、それ以前の大事な規律で「時間を守る」ということです。

明日は準決勝戦の観戦、明後日は決勝戦の観戦、そして閉会式で行進して、翌17日にカンボジアに帰ります。選手達は良く頑張りました。褒めてあげて、解団しようと思っています。

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