ママさんバレーには不思議な魅力がある。同じ女性でも、高校女子バレーを指導しているときとは違う感覚、何というか・・・屈託のない自信溢れる明るさがある。ママさんバレーボーラーといっても、チームの中で20歳代から60歳代まで異年代が混在している。1つのチームの中に、これほど幅広い年代が存在して運営されているスポーツ種別は珍しい。新婚の女性、育児奮闘中の女性、受験生を抱える女性、更年期で体調不良を訴える女性、年老いた親の介護との両立で疲労する女性、母子家庭の女性・・・仕事を言い訳にして家ではのんびりとしている我々男と比べて、女性は大変だと思う。そんな幾多の困難を経てきた自信がママさん達に不思議な魅力を植え付けたのであろう。
そんな幾多の困難を切り抜けてきた女性は、いつの間にか家族の大黒柱になっている。箱入り娘で嫁いできた初々しい娘も、子育てを卒業するあたりから逞しさを増してくる。
そんな可愛らしさと逞しさを同居させている栃木県足利市のママさん達へのミニ・クリニック指導も11日で今年のスケジュール終了となった。9月末から、ほぼ毎週のように9日間11チームと楽しく過ごさせていただいた。11日(木)は2チームへの指導となった。足利市登録チームの三重クラブさんとSEIYUクラブさん。会場は市立西小学校というところで、小学校の統・併合で廃校になった体育館で普段練習しているという。
指導する前に、2週間前に急死された阿部氏に全員で黙祷を捧げた。阿部氏は今回のミニクリニックを企画された協会の筆頭副会長であり地元のアベスポーツの社長でもあった。足利市のスポーツ振興に多大な寄与をなされ、更にこれから10年先の足利市バレーのためにもうひと働きする矢先の突然の他界であった。
元気に明るく練習することが副会長への供養と皆に挨拶して、さっそく練習に入った。どこのチームもそうであるが、皆さん方、ウオーミングアップが不十分である。簡単なストレッチだけやって、すぐさまパス練習に入っている。まずはジョギングや、簡単なステップ練習をやって脈拍を100位までには上げて体の血流を良くすることが、筋肉や関節が滑らかにトラブルなく動いていく基になる。更には1種目で良いから補助トレーニングで楽しくやれる筋トレを実施してほしい。技術を巧みに実行するためにはある程度の筋力が必要である。ボールに触れているだけでは初級レベルで停滞したままになる。
今回、コーチングで強調したのは、サイドアタッカーのネットからの下がり方。通常スパイク練習といえば、ネットから離れている位置から自分でボールをセッターに入れてスパイクを打っている。しかし、実際のゲームになると、1回の攻撃で全て決まるわけではない。従って、サイドアタッカーは次にはブロッカーとなる。ブロックに跳ぶ、ワンタッチして、後方から二段トスが来る。この状態のとき、ほとんどのブロックに跳んだサイドアタッカーは、ネットから十分離れていない。なかには、ブロックした位置で突っ立ったままの人もいる。つまり、次のスパイク(反撃:カウンターアタック)の準備ができていない。この場合は、ブロック後速やかにネットから3m~4m離れて助走(アプローチ)する距離を獲得すべきである。この練習が、実はママさんだけでなく高校トップクラスの練習でも不足している。更には、ノーブロックでのスパイク練習が多すぎる。中級レベルに到達するには、ゲームライク(実際の試合のような)な練習が必要である。
おっと、コーチング論が長すぎた・・・。長い文章は、このブログの常任評論家でもある岩本先生(元、全日本女子監督)から「高齢者は、眼が疲れるから文章は短くしなさい!」とお叱りを受けそうなので、きょうはこのくらいにしましょう。
(画像は、三重クラブさんとSEIYUクラブさんとの集合写真。体育館の照明が2個故障中だったので画像が暗い。早く修理してね。しかし、阿部社長のお姿の見えないのが寂しい)
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