世界最終予選第4戦。今夜は韓国戦であった。結果は0-3のストレート負けであった。フルセットで負ければ勝ち点1が入る仕組みの世界最終予選会であるが、ストレートでは勝ち点は0である。
今回は少し辛口でコメントしよう。
まず、大きな違いは「サーブ力」。韓国のサーブは多彩で工夫していた。同じフォームからフローターのノースピン(無回転)とパワーのスピン(回転;ドライブ)を使い分けていた。また、助走を長くしてサーブを行うことで、レシーバーのタイミングをはずしたり、サービスボールの推進力(スピード)をつけたりして工夫していた。対する日本のサーブは、相変わらずスピードとコートの奥を突くサーブが多かった。時折、落ちるサーブもあったが、選手が意識して落としているのかどうか画面からは分からなかった。
全日本は、一人で3種類のサーブを意識的に使い分けるスキルを身につけるべきだ。まず、伸ばすサーブと落とすサーブ(ゆるく落とすのとスピードがあって落とす2種)劣る。そしてライン上に落としたり、選手間に落としてお見合いをさせるようなコントロール力。
更にサーブ力を強化しないと、ブロックの低い日本のセッターの上から横から強打を叩き込まれてしまう。画像でも分かるように、相手のレフとスパイカーに対して、内側(ミドル)で飛んでいる低身長のブロックーは手が前に出ないので、インナーコースを押さえられない。
サーブレシーブ(Reception:レセプション)について述べてみたい。全体のサーブレシーブの2/3は木村が徹底して狙われていた。彼女のミスの原因を探ってみた。まず、基本であるボールの正面に入るのがやや遅い。次に腕と体が接近しているので、腕にボールが接触(コンタクト)する直前、腕が視野から消えてしまい腕の面をセッターに向けるという動作が不正確になっている。そして、伸びてくるボールに対して、腕の面がやはりセッターに向いていない。伸びてくるボールは胸元にくるので、体を横にしなければ腕の面をセッター(目標:ターゲット)に向けられない。このとき大事なのは内側の腕のほうの肩を下に向けるということだ。このことで腕の面は前方の目標のほうに向く。そうでないと、腕の面は上方を向き、入射角反射角の関係でボールは横や後方に跳ね返ってしまう。
対策としては、構えの段階で両肘を胸から離し、両腕を胸の高さの位置で構えさせ、腕を上から下に動かし、面を目標(セッター)に向け、ボールを引き付けてレシーブすることである。膝はあまり深く曲げずにミドルの高さでリラックスして構えることが、ボールの移動の迅速さにもつながる。
相手のサーバーからターゲットとして狙われるのは勲章である。また、自分のサーブレシーブの技術も向上する。木村はサーブレシーブからでも体を崩さずに速攻にも入ってくる、大した選手だ。そう言われる素質はあるのだから、沙織くん、もっともっと成長してほしい。
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