その中から、ベスト8のチームが選抜され、14日から第1回のバレーボール連盟会長杯がプノンペン市内で開催される。いつものことであるが、第1回ともいうべきこの大会の開催が私に知らされたのは、1週間前である。大会要項はカンボジア語で書かれたものが各チームに配布されているが、私には連盟から何も連絡がない。大会要項は、手書きで作成されていても、PDFに変換すれば、容易に私のPCにも送付できるであろうに・・・。
・・・このようなことは、いつものことで、理解しているつもりであるが、ため息とともに多少疲労感を覚える。
そんな中で、ナショナルチームのキャプテンに任命した選手から、彼のチームの指導依頼の連絡が入った。彼は、チームの中で唯一、英語の読み書き会話ができる。
彼の所属しているチームは「ボディ・ガード」。国内では、5,6番手といった実力がある。練習会場は、プノンペン市内から車で40分ほど走って、広大な施設の中にあった。玄関には腰に拳銃を吊るした守衛が立っていた。そして、ニコリともせずに私を一瞥しただけで、中に入る許可を出した。
玄関に迎えに来たキャプテンに、このチームのことを聞いてみた。入って行った施設は、国の首相はじめ政治家や要人を警護する人間、つまり警護官を養成、派遣している内務省管轄の政府の施設であることが判った。常時2,000人が駐屯している国内で5カ所あるうちで最大規模の施設らしい。
広大な敷地を車で5分走らせると、更に検問所があった。そこでは、検問員が笑顔で車を通してくれた。黒い平服で現れた細身で小柄な人が握手を求めてきた。どうやら、チームの最高責任者らしい。後で聞いてみたら、肩章の星が3つあるという。日本の陸上自衛隊であれば、陸軍大将という階級である。
(この大将は、偉ぶらず、気さくに話しかけてくる。お嬢さんのご主人が、 日本に長く住んでいたこともあり、そのせいか、日本人には好感を持っているようだ) |
午前中にチームの指導を行い、昼食をご馳走になった。バレーコートはコンクリートむき出しの硬いコートであるが、コートの隅の方に簡易テーブルを設え、そこで選手達と一緒にカンボジア料理を頂いた。
帰り際に、その大将から、うちのチームに週2回で良いからコーチに来てくれないかと依頼されたが、ナショナルチームの合宿が入っているので、月に2回程度でしたら来させて頂きますと言って別れた。
(床は、見ての通りコンクリートむき出しの床だ。従って、相手チームからフェイントされたら滑り込むようなレシーブはできないので、腕立て伏せのようなレシーブをせざるを得ない。大将には、このコンクリの上にゴムを敷いたコートを造れば常時ベスト4以上のチームになります、と提案したのだが・・・どうもその予算がないようだ) |
つまり、ナショナルチームを創っていくには、代表選手を送って頂く各チームのオーナーの協力も欠かせないということだ。この国では、ナショナルチームの監督だからと言って、体育館の中だけ活動していればよいというものではない。各オーナー、そして秘書クラスの側近にも配慮していかねばならない。
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