昨日に続いて、埼玉県三郷市にやってきた。昨日と会場は違い、本日は4コート取れる三郷市総合体育館である。特別ゲストに井上譲がやってきた。彼とは、順天堂大学で活躍していたときから知り合いである。彼は、その後日本鋼管でも活躍し全日本選手として1988年のソウルオリンピックに出場した。同期には熊田、川合がおり、甘いフェイスで女性ファンに大変人気があった。その甘いフェイスとしなやかな191cmの身長は変わっていなかった。今は日立の会社に勤務して田無市に住んでいるとのことだ。
ママさんの交流試合が初まり、三郷ママさんチームや初めて紹介されたチームのベンチに臨時監督で座りアドバイスを送った。ママさんチームの指導者的立場にいる方に多少不足している知識が、戦術面だ。個々のスキル指導においては、そこらへんの中学校の指導者よりも知識もあり、教え方も上手だ。但し、戦術面を学ぶ機会が少ないのであろう、ママさん指導者の今後の課題である。
この日も、セッターに指示したのは、自分が上げたいところに上げるのではなく、上げなければならないところに上げる意思を持つことを強調した。まずは、相手にマークされていても、自チームのエースに連続10回はトスを上げるべきである。ブロックでシャットされても、そこからエースが学んでいくので、何度エースがミスしてもエースにトスを上げ続けるべきである。セッターの仕事の一つは、自チームのエース初めスパイカーを育てることである。もし、セッターが新人であるならば、エースが連続してトスを呼ぶべきである。そしてなんとか決めて上げて、セッターを褒めながら注文をつけてセッターに自信を与えセッターを育成していく。
そのほかに、指示したのはサーブのコース。まずは相手バックセンターのいるエンドラインの上を目指して、更にはエンドライン後方ボール2個分アウトになるくらいのスピードサーブを第1サーブとして打つことを強調した。9人制のサーブは2回打てる。1回目のサーブはダブってもかまわないから低空飛行サーブを打って相手レシーブを乱すべきである。能力があるのに、1回目のサーブから2回目のサーブ(安全サーブ)を実行しているママさんには、結構きつく注意する。この日も、作戦タイム中に「私は厳しいことを注文していますか?きつい口調で言っていますか?」と確認すると「いいえ!」と女子高校生のような反応をママさん達が示す。返事と行動には若干相違があるところが、ママさんらしいところであるが、返事に元気が出てくると、ママさん達の表情が引き締まってくる。動きにも機敏性が出てくる。そして、ゲーム終了時には良い結果も出てくる。ママさん達が全日本選手よりも優れている点は、この集中力のパワー。さすが、子供を産み育て、亭主を働かせ?家族を牽引し、地域にどっしりと根付いて日本を元気にしているママさん達である。昨日のママさんバレーライフといい、今日の神がかかりの集中力といい、教えられることが多い・・・。
(画像は、プログラム。表紙の絵は個展も開く腕前の神白さんの作品。優しい性格が絵から感じられる。交流会は、今回で21回目である。年3回ほど隣市のチームを招待して開催しているので、かれこれ今年で7年目になるのであろう。午後から私が、東京の東洋高校に移動する用事があり、体育館を出た。体育館の玄関先に立った神白さんが、いつもよりも長い間、姿が見えなくなるまで見送リ続けてくれたのが印象に残った)