人間は言葉を持っている。その言葉は人を勇気付けたり、落胆させたり、注意喚起を促したりする。
スポーツの指導において、指導者はその人、その場面に相応しい言葉を選ばなければいけない。指導者の感情をストレートに伝えるのは、あまりに芸がない。
選手を主役にする言葉が功を奏する。今は選挙の時期だ。都議選、そして私の住む船橋でも市長選の真っ最中である。選挙運動も終盤戦になってくると「○○にお願いします!」とウグイス嬢も絶叫調になってくる。候補者が主役になっている。
アメリカの大統領選挙での演説は原稿を書いている専門家がいる。聴衆の心を打つ感動的名言が紡がれてきた。そこで使われる主語は、I(私)ではなく、We(我々)やYou(あなた方)である場合が多い。リンカーンの「人民の人民による・・・」、ケネディの「・・・あなた方が国に何ができるか」そしてオバマの「Yes,we can do it!」などがよく知られている。
また、前置きが長くなってしまった。きょうは、実力が同じようなチーム同士で戦って、1セット目を思いがけず大きな得点差で勝利した場合のコーチの言葉を体験的に紹介したい。
「よしよし、このままの勢いで攻めて行こう」。2セット目を迎える前にこのように鼓舞するコーチが多い。結果、そのセットを失うケースが多い。実力が伯仲しているのだから、1セット目の大きな得点差は、相手の凡ミスでの失点であり、自分たちの得点ではない。「このままで勝てるかもしれない」という慢心を戒めなければならない。2セット目は、相手も後がない、必死でやってくる。そして最終3セット目には惜敗、というパターンを私は数多く観戦してきた。
セットを取った後のベンチコーチングは、難しい。油断させず、攻めの気持ちを持たせるような言葉をコーチは自分の辞書に持っておくべきである。
0 件のコメント:
コメントを投稿