監督の面白味の一つは采配の妙であろう。いわゆる戦術を駆使したゲームの展開である。先週の高校生の関東大会などを観戦して感じたことは、どこのチームも一般的に特徴がなく同じようなゲーム展開を行っている。結果、小学生からバレーボールを経験しているボールコントロール(ボール扱いに慣れている)の良い子の多いほうがミスが少なく、チームとして勝利を得ている。
ブロックができないような子にもブロックジャンプさせているチームを見ると、私は首を捻ってしまう。手の平がやっとネット上端に出るような選手にはブロックさせるより、サーブとレシーブに頑張ってもらうほうがプラスである。
2.2.2のディフェンスシステムはチームによっては、今でも通用するのに、知識がないのか、上のレベルを夢見ているのか、常に3.3や3.1.2しかやらない指導者が多い。子供たちの能力は指導者が考えているよりも潜在能力を持っている。1ゲームで2つのシステムを状況によって使い分けることもできる。できないと決めつけている指導者の潜在能力が枯渇しているだけであって、子供たちの潜在能力は無限である。
先日、9人制の関係者と話をする機会があった。最近は6人制から練習試合の申し込みが皆無です、という。6人制のチームが9人制と練習ゲームを行う効果は、オーバーハンドが上手になる、攻撃の展開が速くなる、1stスピードサーブへのレシーブができる、ブロックを利用した攻撃を覚えられる、リバウンド戦法を覚えられる、など9人制にとっては効果が少ないが、6人制には効果が多い。
過去に多くの全日本選手を輩出し、日本一も数度成し遂げた東京都の中村高校などが良い例である。近くに実業団女子でやはり日本一のIHI石川島播磨重工業のチームがあり、時々練習ゲームを行っていた。長身の高校生がスパイクを打っても打ってもレシーブされるものだから、自然と高校生もブロックを利用したブロックアウトやタッチアウトそれにリバウンドやレシーバーの間への絶妙なフェイントなどを覚えていく。
小学生バレーであれば、市内のトップクラスのママさんバレーと練習ゲームを行うことで良い練習になる。また、このことで思わぬ副産物も出てくる。お母さんたちから、こんな元気で礼儀の良いチームなら自分の子供を入部させたい、という効果も出てくる。
いつものように本論からまた外れてしまったが、技術指導だけでは監督業はつまらない、もう一つ上の戦術指導のレベルに行くと面白くなりますよ、ということを言いたかったのです。
2 件のコメント:
過去,実業団の9人制チームと6人制チームで練習試合いをまじかにした経験があります。
得点は旧6人制の15点制で,ルールはそれぞれのルールで,その時の結果は15対0で9人制のチ-ムの勝利でした。
影の9人制応援者
旧6人制のルールでしたら、サーブ権がないと得点にならないので、今のラリーポイント制と比べて相当に不利な条件ですね。まるで、Wash Gameのようですね。
埼玉県の高校女子のチームもIHIにお世話になってチップスパイクを覚えて全国大会初出場でいきなりベスト8に入賞しました。
東京都の高校女子チームも新監督が9人制のバレーを取り入れて、チャンスボールをセッターに返球せずにレフトにトスを上げて2段攻撃を織り交ぜてその年の2つの全国大会で準優勝を成し遂げました。
現在の若い指導者は、9人制からもっともっと学習してほしいですね。しかし、本物の9人制を実行しているチームは全国トップベスト4クラスだけという寂しい現状になっています。このままでは9人制の妙技は消えそうです。
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