1976年、私はバレーボールコーチとしてチュニジアにいた。チュニジアは、アラブ、アフリカ大陸では既にバレーボール大国であった。世界選手権大会にも出場していた。若干24歳でナショナルチームのコーチなんて、今考えると無茶な話である。
案の定、時のチュニジアバレー協会の内紛に巻き込まれ、左遷された。その悔しさで、左遷された地方都市のベスト8レベルのチームを指導したら、国内トップリーグで優勝することができた。優勝できたのは、元々の指導者の功績であるが、マスコミは私を大きく取り上げ、一時その監督との関係もギクシャクした。
そんなチュニジアでのコーチ時代にアラブ選手権、アフリカ大陸選手権で常に決勝戦で張り合っていたのはエジプトであった。その当時、向こうの監督は、韓国人であった。現在でも、チュニジアとエジプトは、よきライバルである。エジプトは前回のワールドカップ代表になり、チュニジアは昨年のロンドンオリンピックに出場した。どちらも実力は、全日本男子と同等のレベルに達している。
エジプトは今、軍がクーデターを起こし昨年の革命で大統領に就任したばかりのモルシ氏を解任した。背景には、現政権の改革道半ばの経済政策や高い失業率、宗教などがある。そして、今回の軍部によるクーデターである。昨日は銃撃戦で51人が死亡した。今後ますます混迷を深めて行きそうな情勢だ。
このような状況では、スポーツどころではない。エジプトナショナルチームのメンバーは、どうしているのだろう。海外のクラブチームでプレーしているメンバーも多くいる。そして、エジプトの影響は遅かれ早かれ私にとって第二の祖国とも言うべきチュニジアにも波及してくるであろう。
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