2013年11月18日月曜日

Sun.Nov.17,2013 Brazil won the gold medal in the FIVB Women's World Grand Champions Cup

オリンピックの翌年はオリンピックを契機に引退する選手もおり、各国のチーム構成は大きく変わってくるものだ。しかし、ブラジルは昨年のLondonオリンピック金メダルチームの主力達がそのままコート上でプレーした。そして今回の大陸チャンピオンズカップでも金メダルを獲得した。ちなみに優勝金額はUSD 250,000(about 25,000,000 yen)。2005年以来2度目の金メダルである。

昨夜、ブラジルと対戦したのは開催国の日本。日本が3-1で勝利すれば、日本が金メダル。3-2で勝利すれば銀メダル。負ければアメリカに次いで3位という順位争いでもあった。結果は、3-0 (29-27, 25-14, 25-18)でブラジルの勝利。3位の日本はこの大会では2001年以来の銅メダル獲得であった。

日本が1セット目のリードを保ちセットを取るかと思われた。しかい試合巧者のブラジルは、得意のサーブとブロックで追いつき、並び、逆転した。その後は、ブラジルのブロックとディグ(スパイクレシーブ)の戦術が機能した。ブラジルのブロックはストレートを締め、スパイクをクロスに打たせた。ブラジル監督のギマレス氏もリベロを絶賛していた。

“Also I have to say that our libero Camila did a great job with many defensive plays in zone five, and that was also very important,” Guimaraes added.

歴史に残る試合もあった。本日の第2ゲームのタイVsロシアで、なんとタイがロシアに初めて勝利したのだ。タイ - ロシア  3 - 1(18-25,  25-22,  25-21,  25-23)  。タイの監督はコーチ時代を入れて苦節16年かかってロシアに勝利した。継続の勝利。タイバレーボール協会の勝利ですね。

ここで、ブラジルと日本の獲得点数を分析してみよう。
左の数値がブラジルの、右の数値が日本の獲得した点数である。
アタック 38-42,  ブロック 17-2,  サーブ 5-4,  相手ミス 19-11
アタック、サーブは、ほぼ互角。ブロックが圧倒的にブラジルである。日本の相手に与えたミスも19点と多い。

今回の日本のブロック1枚で攻撃の数を増やしたという新戦術は、継続性のないものと私は予想している。継続させるのであれば、サーブ力を今の2倍以上に引き上げねば今のブロック力では機能できない。フローターサーブはスピードだけでなくコントロール(左右前後)、ホップしたりドロップしたりの変化を与えるスキルを体得しなければいけない。当然、ジュースからでも攻めるサーブを実行できるメンタルの強さも必要だ。サーブの種類も現在のフローターサーブだけでは相手のレシーバーも慣れてくる。今回ベストスパイカー賞を獲得したタイのエーススパイカーのオヌマ選手のようにジャンプスパイクサーブも必要だ。

日本が目指すところは、全員が速攻もバックアタックもこなせる「マルチ攻撃」であると私は考えている。サッカーで言えば、全員がフォワードでありバックである。そのためには豊富なスタミナとマルチスキルが必要である。

気になることがある。日本のセッターのことである。日本国内には海外と比べて上手なセッターが大勢いる。但し、身長が低い。若い世代での国際大会や国内での大会では、通じても世界一になるためにはブロック力や高いところからのトスアップが求められる。

前回の国際大会で、全日本のセッターとして竹下の後継者としてチームに入った宮下選手が出場していないのはどうして?TVの解説者たちは、かん口令を敷かれているのか、そのことには一切触れない。私の耳には、奇妙な噂話が入ってくる。中道選手も、今回ベストセッター賞を受賞した。彼女の力量からすれば当然と思う。しかし、フロント(前衛)ではブロックの上から楽々と打たれてしまう。世界の3番、4番は取れるかもしれないが、1番を取ることは難しい。

セッターの大型化は、世界で1番を取るためには必須である。セッターの育成には時間がかかる。そしてセッターとミドルブロッカー(センタープレーヤー)のコンビは更に時間がかかる。同じクラブチームに全日本のセッターとミドルブロッカーがいて、日頃からコンビを取っているのが理想的なクラブとナショナルチームの関係なのであるが・・・。

日本のバレーボールサポーターは、世界の銅メダルでは満足しない。男女を通じての4個目の金メダルを取ることでなければ満足しない。

<Final Positions 順位>
  5-0  15/02  ブラジル
  4-1  12/09  アメリカ
  3-2  10/07  日本
  1-4  08/13  ロシア
  1-4  05/13  タイ
  1-4  06/12  ドミニカ共和国

<All-Star Team 個人賞>
MVP: Fabiana Claudino (ブラジル)
ベストアウトサイドスパイカー1: 迫田 さおり (日本)
ベストアウトサイドスパイカー2: Onuma Sittirak (タイ)
ベストミドルブロッカー1: Iuliia Morozova (ロシア)
ベストミドルブロッカー2: Pleumjit Thinkaow (タイ)
ベストオポジットスパイカー: Gina Mambru (ドミニカ共和国)
ベストセッター: 中道 瞳 (日本)
ベストリベロ: 佐藤 あり紗 (日本)

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