2015年7月31日金曜日

31,July 2015 It's raining in Phnom Penh

夕方になって、空が曇って来たかと思うと、突然、滝のような大雨が降ってきました。しばらく1時間ほど続いて、今は小雨です。
(アパートメントの私の部屋のベランダから市内を見たら、雨が靄のようになって遠くまでは見渡せない)

プノンペン市は、やっと本格的な雨季に入ったようです。雨季と言っても、一日中雨が降っているわけではなく、夕方近くになって15分ほど、長くとも30分程度スコールのように降る日が10月末まで続きます。

雨が降った後は、気温も下がり、少しの間は、快適です。

明日の夜には、アシアナ航空、インチョン経由で日本に一時帰国します。2日の朝、成田に着
いて、直ぐに大阪に移動します。明後日は、インターハイ男子会場の舞洲体育館にいます。ホテルはまだ予約していませんが、1人ぐらいどこか宿はあるでしょう。

30,Jun 2015 2015 Men’s African Nations Championship Final

エジプトの首都カイロで開催されていた第20回CAVBアフリカ男子バレーボール選手権大会2015が閉幕しました。

ワールドカップにアフリカ代表で出場する国は、一昨日の準決勝の時点で、既にチュニジアとエジプトに決定していました。本日は、3,4位決定戦と、ファイナルの試合でした。

優勝は、開催国のエジプト(6大会連続8回目の優勝)、準優勝はチュニジアでした。チュニジアは、ワールドカップ行きを決めてホッとしたのか、疲労が重なったのか、開催国の声援に気後れしたのか、ストレート負けでした。
これで、日本とは最初のゲームで当たることになります。

チュニジアは、恐らく大会開催2日前ぐらに日本に入るでしょう。というのも、予算がある国のチームは、遅くとも大会1週間前には、日本に入り、日本のトップチームと調整練習試合を

チュニジアの監督とは、日本で会いましょう、とメールで約束したのですが、日本に私が帰国するかどうかまだ決めていません。実は、9月にはタイランドのバンコクで、FIVB主催のコーチコース(レベルⅢ)が開催されます。私にとって、このコースにはアセアン諸国からナショナルチーム関係者が多く集まるので、アセアン(東南アジア)諸国のバレー事情を知る良い機会なのです。どちらか選択しなければなりません。

アフリカ男子選手権大会の結果は下記の通りです。モロッコ、アルジェリアも、ここのところ安定的に3位、4位を維持しており、近々世界に出てくる可能性を持っています。


2015年07月22日(水)~07月30日(木) エジプト・カイロ
07月30日(木) 第8日 3位戦・決勝戦

  3-4位 モロッコ - アルジェリア 3 - 1 (21-25, 25-19, 25-21, 25-20) 96-85 15:00
  1-2位 エジプト - チュニジア 3 - 0 (26-24, 25-18, 25-21) 76-63 17:00

<最終順位/第8日>

1位 エジプト ☆
2位 チュニジア ☆
3位 モロッコ
4位 アルジェリア
5位 カメルーン
6位 ルワンダ
7位 ボツワナ
8位 ケニア
9位 モーリシャス

※上位2チーム☆印がワールドカップ(2015/日本)に出場。

2015年7月29日水曜日

28,July 2015 チュニジア男子バレーボールチームが日本にやってくる

Tunisia won the semifinal of Men's African Nations Champs over Algeria in grueling tiebreaker 3-2 (19-25, 25-22, 27-25, 21-25, 15-12) lasting 121 minutes.

アフリカ・バレーボール連盟のホームページを見て、チュニジア男子が準決勝でアルジェリアに勝利して決勝進出を決めました。

同時に、日本で今秋開催されるワールドカップの出場権も得ることができました。自分のことのように嬉しいですね。早速、先ほど、監督のファティに祝辞を送りました。

明日は、優勝をかけて開催国のエジプトと対戦します。敗退すれば、アフリカ第2代表としてワールドカップに出場して、ワールドカップ初日のゴールデンタイムの時間に日本と対戦します。初日ということは、まだ時差が残っていますから、アフリカ第2代表には決して有利な組み合わせとは言えません。

いずれにしろ、日本のフアンは日本への声援と同じように温かい声援をアフリカ代表や出場国に送ってくれると思います。それがスポーツ先進国です。

下の写真は、私が39年前にチュニジアで指導していた頃の写真です。選手達は、今は、皆55歳以上ですね。・・・私より年上の選手も数名いましたね。練習は全て外でした。カンボジアと違うところは、外で練習していても、全員シューズを履いていたことです。

 
チュニジアに着いて、3日後には男子ナショナルチームアシスタント・コーチに就任しました。ところが、私を外そうとしているグループが既に存在していたのです。つまり、私が派遣される前からチュニジアバレーボール協会内で派閥争いがあって、日本からやってきた私を、すぐさま、第2の都市であるSfaxというところに左遷したのです。

しょうがないので、地元のチームを指導していましたら、そのチームが国内選手権大会で初優勝してしまいました。そうしたら、またナショナルチームに戻ってこい、ということになりました。そして、初優勝したそのチームを核にしたナショナルチームを編成し、翌月のアフリカ選手権大会に出場しました。私はほとんど何もしていませんでしたが、幸いなことに銀メダルを獲得しました。

2015年7月28日火曜日

27,July 2015  Tunisia complete semifinal line up at Men's African Nations Championship

グループ戦も終わり、いよいよワールドカップ出場2ヵ国が決まる佳境に入ってきました。
(写真は、モロッコのスパイクをディグするイズマイル選手。FIVB・HPから)

私にとって異国における第二の故郷であるチュニジアは、B組に入り、リーグ戦の結果、3チームが同じ勝敗で並びました。そして、勝ち点でかろうじて他の2チームに勝り、グループ1位となりました。もし、2位であったら、Aグループ1位のエジプトと準決勝で対戦するところでした。

エジプトとチュニジアは、長年30年ほど常に1位と2位を分け合ってきました。ここ数年は、アラブの革命などで両国とも満足なトレーニングを行えない状況下にあります。これらの2ヵ国だけでなくアフリカ大陸のスポーツは政治的にも経済的にも大変厳しい環境下にあります。

翻って、日本のスポーツ事情を見ると、日本は日本ならではの課題を抱えていますが、まだまだアフリカ諸国の事情と比べたら恵まれています。ボールだけ取り上げてみても、ナショナルチームでさえ、まともなボールを使っていません。

さて、アフリカ選手権大会の話題に戻りますと、27日に準決勝戦がありますので、この試合で勝った2チームが9月に日本で開催されるワールドカップに出場する権利を得ます。チュニジア、エジプトの伝統国が順当に勝つか、はたまたモロッコ、アルジェリアの新しい風が吹くのか、明日になればわかります。



<順位/第5日>
【A組】
3-0 8 9/2 エジプト ☆
2-1 7 8/3 アルジェリア ☆
1-2 3 3/6 ケニア
0-3 0 0/9 ボツワナ

【B組】
3-1 10 11/04 チュニジア ☆
3-1 09 10/04 モロッコ ☆
3-1 08 10/05 カメルーン
1-3 03 03/09 ルワンダ
0-4 00 00/12 モーリシャス
※上位2チームがワールドカップ(2015/日本)に出場。

<順位戦>
1-4位 エジプト
1-4位 チュニジア
1-4位 アルジェリア
1-4位 モロッコ
5-8位 カメルーン
5-8位 ケニア
5-8位 ボツワナ
5-8位 ルワンダ
9位 モーリシャス

<試合日程>

07月28日(火) 第6日 準決勝・順位戦

 1B-2A チュニジア - アルジェリア
 1A-2B エジプト - モロッコ

2015年7月26日日曜日

25,July 2015  飛躍するには発想を変えること

現在、アメリカで第23回FIVBワールドグランプリ女子バレーボール大会2015が8月02日(日) まで開催されています。

日本女子は、かろうじて予選でベスト6に残って、本選のアメリカ大会に移動しました。本日、日本はイタリアと試合を行いますが、今のところの結果は以下の通りです。

<順位/第4日>
4-0 12 12/02 アメリカ
2-2 07 09/06 中国
2-2 06 07/06 ロシア
2-2 06 06/07 ブラジル
1-2 02 04/08 イタリア
0-3 00 00/09 日本

順位を見ると、昨年の世界選手権で初優勝のカーチキライ監督率いるアメリカと2位の郎平(ランピン)監督率いる中国が、やはり強いですね。どの国も、今年8月末から日本で開催されるワールドカップ(上位2ヵ国がリオ・オリンピックの出場権を得る)を意識しながら、つまり、手の内を隠しながら、新戦術を試してみたり、競争心をあおるために新人を投入したりしながら、戦っているのでしょう。

日本開催でのワールドカップでも、女子は、アメリカと中国が軸になって、そこに日本女子が割り込んで行って・・・という激しい戦いが繰り広げられるでしょう。

何か、タイトルとは程遠い内容になってしまいました。いや、あながち、そうとも言い切れない面もあります。結果論ですが、アメリカ女子と中国女子は監督が現在の監督に交替してから強くなってきた背景には、彼らが発想を変えたからです。

2つのチーム共通しているのは、チーム内での激しい競争です。合宿で助け合ってチームワークを作りながら、一方でチーム内でライバルと熾烈な戦いを行わせる。監督として愛情と非情と両方を持ち合わせていなければ、できないことです。

決して新しい発想ではありませんが、一般的な指導者はどちらか一方に傾いてしまいがちです。私にも経験がありますが、ナショナルチームから去っていく選手を見送るのはつらいものです。

24,Jun 2015 報告書の完成

先月シンガポールで行われた東南アジア競技大会の報告書が完成しました。

1週間前にほぼ完成していましたが、読んでいただくことを念頭に置きながら、画像も追加して校正をしていましたら1週間経ってしまいました。ページ数も当初より増えて57ページになりました。

今回の大会では、シンガポールバレーボール協会が詳細な個人技術(パフォーマンス)データとチーム・パフォーマンス・データを出してくれましたので。それらのデータを元に、我がチームの各技術を分析しました。

勿論、データで把握できないものも沢山あります。カヴァーリング、闘争心、コミュニケーションなどは私の観察から得たものを評価としてこの報告書に載せています。データは、完璧ではありませんが客観的な評価、私の観察は主観的な評価と捉えています。

クロージング(まとめ)では、今回の国際大会での経験に加えて、この国で私が1年間活動して得た知見も含めて、今後のカンボジアバレーボール連盟の課題を8項目にまとめました。勿論、これらの8項目は私の今後の活動課題でもあります。

①海外遠征の実施
②国内指導者(コーチ)の資質の向上
③練習環境の整備
④スポンサーの獲得
⑤国内リーグ戦の創設
⑥強化事業本部の充実
⑦2023年カンボジアで開催される東南アジア競技大会への対策
⑧短期・中期・長期における目標

2015年7月24日金曜日

23,July 2015 アフリカ男子バレーボール選手権大会が始まった

第20回CAVBアフリカ男子バレーボール選手権大会2015 (2015 Men’s African Nations Championship )が昨日から始まりました。

なぜ、アフリカの話題を出すのか?

40年前に、私はアフリカ大陸の最北端にあるチュニジアに青年海外協力隊員として派遣されていたからです。そして、協力隊員としては珍しいケースで、初めからナショナルチームのコーチに就任という若干23歳の若者には荷が重いものでした。

派遣された翌年にアフリカ選手権大会がチュニジアの首都チュニスで開催されました。私は、ベンチに座っているだけでしたが、銀メダルを獲得しました。チームは、現在ではオリンピックに6度、世界選手権には8度、ワールドカップには7度出場しています。世界大会ではFIVBランキングで11位から13位あたりが定位置です。ランキングが日本より良いのは、ここ6年間でワールドカップ、オリンピック、世界選手権大会、ワールドリーグと主要な大会全てに出場しているからです。

2年間という短い期間でしたが、その時の経験が、その後の私の人生を決定づけるものとなりました。当時、お世話になった協会の事務局長が、現在の男子ナショナルチームの監督です。2012年のロンドンオリンピックにも監督として出場しています。彼とは、時々facebookで連絡を取り合っています。

アフリカからは2チームが代表として、今年の9月に日本で開催されるワールドカップに出場します。
チュニジアは、ワールドカップでは日本に2度勝利しています。現在の実力は、日本と互角程度です。

アフリカ代表の予想としては、エジプトとチュニジアが代表最有力候補ですが、さてどうなりますか?
選手権大会兼ワールドカップ予選会は、本日より7月30日(木)まで エジプトの首都カイロで開催されます。

2015年7月20日月曜日

20,July 2015 強くなるチームとは

強くなるチームは、試合の後の態度でわかります。

試合の後で、負けて残念がっている人、悔しがっている人。勝って喜んでいる人。一般的には、そこで終わります。次のレベルが、負けた原因、勝った理由を振り返る人。例えば、カンボジアでの昨日の試合は、勝ったチームは、単に喜んでばかりはいられないと思います。なぜなら、相手のミスの多さで勝たせて頂いただけですから。負けたチームも、相手が強くて負けたなどと正当化してはいけません。「負けに不思議の負けなし」と言います。負けた原因は、チーム内にあるからです。

そして、次のレベルが大事です。つまり、対策を打つことです。自分の強みを更に生かすにはどうすればよいのか、弱みを補うにはどうすれば良いのか、そこまで考えてこそ、更に強いチームになることができます。

競技の世界における努力とは、坂道の途上にいて更に上に登ろうとすることです。諦めて力を一瞬でも抜いたら落下します。闘うことを諦めるならば、その闘いの場から去ることです。人生は闘いだけではありません。闘わずに協力して助け合ってゆくのも人生です。しかし、人生の一場面である競技の世界は闘いです。

19,July 2015   Leo Cup 首相杯 決勝戦 

本日は、決勝戦が行われました。

今週火曜日から開催された首相杯は、途中から移籍問題が起きました。昨日の役員会議で、決められたことは、元のクラブチームに断りなく選手を引き抜いたクラブチームに罰則として準決勝以降の試合への出場を禁止としたことです。

しかし、それだけで、問題は済みませんでした。それによって、グループ3位のチームが2位に引き上げられましたが、連盟の発表が遅かったので、その引き上げられたチームは、すでに地元に帰ってしまいました。更には、移籍問題で選手を引き抜かれたクラブは、一連のことに対して不満を表明して、もう1つのグループ2位になっていたのにもかかわらず、準決勝をボイコットしました。

そんなゴタゴタがあったにもかかわらず、バレーボールファン達は、今日の決勝戦に少なくとも5,000名ほどが会場に足を運んできました。ファンは、有難いものです。

決勝戦進出チームは、内務省(警察)とボディ・ガード(SP養成)。内務省には、ナショナルチームのメンバーが8名います。ボデイ・ガードには2名います。

結果は、ボディガードが3-0で初優勝しました。ナショナルチームのメンバーが8名もいる内務省が、なぜ敗退したのか。原因は明確です。その原因を理解できないのが、今の内務省クラブチームの実は問題なのです。

2015年7月18日土曜日

17,July 2015 Leo Cup 首相杯4日目で起きたこと

第1ゲーム開始に間にあうように、会場であるOlympic Stadium内の体育館に向かいました。

両チームがウオームアップを終えても、試合が始まりません。30分経ちました。会場から歩いてすぐの所にあるバレーボール連盟のオフイスに行きました。そこには、連盟副会長の次席の地位にある役員、それに見覚えのあるチーム関係者が数名、硬い表情で座っていました。
(体育館内の審判団も役員ミーティングの結果を待っている)

一昨日、ゲーム開始が遅れたのと同じ原因の「選手の移籍問題」が、まだ解決されていなかったのです。選手を承諾もなく他のチームに持って行かれたチームの主張は次のようなものでした。「移籍金では済まされない。我々は金が欲しいのではなく、手塩にかけて育成した選手を横暴なやり方で失いたくないのです」。確かに、お金はクラブのトップが都合してくれますが、選手を育成するには年月がかかります。

選手の登録規程はこの国の連盟にもあります。但し、今回のような契約中の選手を、契約途中で他のチームが元所属していたチームと交渉せずに移籍させたことに対する細かな(罰則)規程はなかったようです。

日本でも、移籍に関する問題は数回ありました。その都度、日本協会は、新たな規程を設けてより細かく規程するようになりました。カンボジアでも、同じような道を歩み始めたのでしょう。事務局長には、必要であるならば参考のために日本の登録規程を英文で差し上げることを提案しています。
 

2015年7月17日金曜日

16.July 2015 カンボジア首相杯(Leo Cup)

先週火曜日からLeo Cup(タイランドのレオ・ビールという会社がスポンサー)を毎日、今週日曜日まで開催しています。

正確に言うと、「Leo Cup(レオビール杯)」は先週日曜日に終了しています。チームは、国内各地で予選を勝ち抜いてきた8チームが2グループのリーグ戦を行い、その後クロス掛けで決勝が行われ、3位までが賞金を得ています。

そして、今週火曜日から行われているのが「首相杯」というもので、日本では「総理大臣杯」にあたります。スポンサーは、Leo Cup同様、レオビール社です。

試合は、1日3試合あります。第1試合開始時間は、当初は3時からとプログラムに書いてありましたが、2日目から2時に繰り上がりました。こういうことは、この国に良くありがちなことですので、2年目滞在の私も驚きはしません。

昨年は、このような突然、日程や時間が変更されたり、キャンセルされたり、逆に招集がかかったりで、不満たらたらで、毎日ストレスを感じていました。今年の私は、そのような事態には「適応するが、流されない、妥協しない」をモットーにしています。血圧も昨年ほど高くなりません。

さて、試合のほうです。火曜日から国内トップ8チームによるリーグ戦(2グループに分けて)「カンボジア首相杯」が始まったわけですが、内容があまり良くありません。

ナショナルチームで活躍したメンバーは、国内ベスト8のチームの中の4チームに分散しています。順当に行けば、それらの4チームがベスト4に進出して来るものと思われます。しかし、彼らが、自分たちの所属するクラブチームに戻ってプレーしているのを見ていると、ナショナルチームでの経験があまり生かされていないように感じています。

やはり、指導者がポイントです。国内指導者達は、YOUチューブで東南アジア競技大会での試合の様子は見ています。そこからでも、最近の東南アジアのバレーボールの動向、スキル(技能)や戦術を学習することはできます。そして、それ以上に学習できる場としては、カンボジアナショナルチームが合宿練習をやっている場で私が何をどのように指導しているか実際見ることが彼らに有益であったと思います。

次回のナショナルチームの合宿では、1クラブチームを招いて合同練習を行うことで、そのクラブの指導者の学習そして選手達にも刺激になると考えています。国内のクラブチームの練習は、どのチームも、ほとんど同じような練習内容で自分のチームのメンバーの個性をあまり生かしてはいません。

指導者が学習しなければ、チーム力も停滞します。今が一番良いと感じている時が、ピークを過ぎた証拠です。競争社会での停滞は後退を意味します。



2015年7月15日水曜日

14,July 2015 カンボジア国内メジャー大会始まる

カンボジア国内の大会で最大規模で行われるのが「Leo Cup(レオカップ)」です。スポンサーがタイのLeo Beerというビール会社です。優勝賞金総額が、日本円で220万円です。

カンボジアには、まだ国内リーグ戦がありません。連盟幹部は、その理由を、スポンサーが見つからないからと言っていますが、私には別の理由があるように思っています。それは、別の機会にお話しするとして、このleo Cupが国内最高の大会であることは間違いありません。8チームが4チームずつ2グループに分かれて完全リーグ戦を行い、その後、各グループ上位2チームがたすき掛けで準決、3位・4位順位戦、決勝を行います。

この大会は、ナショナルチームの強化の基礎部分にも当たりますので、私も各チームの強化具合、ナショナルメンバーの活躍ぶりをチェックする場でもあります。来年度は、国内リーグ戦を創設して2ヵ月間、毎週末に開催したいですね。そのことが、カンボジア・バレーボールの強化、更には数多く試合することでファンの関心を高めることができ、メディアにも取り上げられ、観客動員数の増加にもなります。今でも、決勝だけはTVが入っていますが、毎週TVを入れてカンボジア中の人々にバレーボールの面白さを伝えたいですね。

大会は既に2月から国内各地で毎週1会場で予選会を行っています。そして、予選から勝ち抜いてきたチーム8チームが下位グループを形成します。上位グループは、昨年の大会での成績がベスト8以上のチームから6チームが推薦され、そこに下位グループの上位2チームが加わります。

下位グループのゲームは、先週月曜日からリーグ戦形式で毎日行われ、先週の日曜日に決勝が行われました。決勝では、プノンペンのチームで「Body Gard(ボディ・ガード)」が3-0で優勝しました。

Body Gardは、政治家など要人をガードする軍隊に近い組織で、そこが母体になっているクラブチームです。日本で言えばSPを養成している組織です。ここのチームには、ナショナルメンバーが2人入っています。プレーを見ていると、気のせいか以前よりも上手になっているようです。ナショナルチームでの経験を自分たちのチームで活かしているようです。

今週の月曜日から上位8チームが4チームずつに分かれてリーグ戦を行っています。そして、今日の第2試合が始まる前に、ハプニングがありました。

予定の時間が来て、20分たっても、試合がなかなか始まらなかったのです。原因は「選手の移籍問題」でした。国内第3位のチームのセッターが昨年末、練習中に急死しました。そこで、そのチームは、2ケ月前に他のクラブチーム(国内6位)から190cmの若いセッターを移籍させました。

ところが、本日、試合前にそのセッターが属していた以前のチームからクレームが入ったのです。内容は「あのセッターは正式な移籍ではなく、違法な引き抜きである。従って、彼が新しいチームでプレーすることは許されない」と、こういうことです。

試合会場の中に、バレーボール連盟の事務所があります。私が、事情を詳しく聞こうと事務所に 入って行くと、関係している2チームの役員達が既に集まって協議している最中でした。「移籍問題」は、ナショナルチームに直接関係してくることではないので、その場は、私は遠慮して直ぐに退出しました。

恐らく、この国のバレーボール連盟には「チーム及び選手登録規程」が成文化されていないと推察しています。規程があれば、今日のような問題は起こるはずがありません。明日、連盟に行って、今回の顛末がどうなったか確認します。そして、依頼されれば、日本のバレーボール協会の規程(移籍も含めて)を参考に示そうと考えています。

願わくは、選手を犠牲にせずに、プレーをやれるような方向で、速やかに解決して欲しいものです。最終的には今回の件は移籍金で処置されることになりそうです。そして、一方で規定の整備を速やかに行うことが連盟の任務になります。

2015年7月14日火曜日

13,July 2015   一時帰国します

8月1日にPhnom Penhを発って、日本に一時帰国します。Phnom Penhに戻るのは18日ごろに なります。

一時帰国中は、大阪市で開催中の男子インターハイの観戦にも行く予定です。東京では10日から小学生の全国大会も開催していますね。日本体育協会主催のコーチ養成講習会も明治学院大学で8日から12日まで開催されていますので、なるべく多くの方達と再会して情報交換したいですね。

2015年7月11日土曜日

10,July 2015  写真からのゲーム分析ー6 サービス

本日は、サービス(サーブ)についてです。解説できるような写真も尽きてきましたので、今回で写真からのゲーム分析を終了させていただきます。


カンボジア男子チームのサービスについて統計資料から特徴を見てみましょう。

チーム別の1セット平均得点は0.78点で、第3位です。そして、資料には出ていませんが、1セット平均での失敗した数、つまり失点を計算してみると、最多の4.67点です。

実は、ここに今回のカンボジアチームの特徴の1つが出ています。

私は今回のチームの戦術をサービスとブロックに特化しました。サービスに関しては、1日の練習で選手達に最低でも100本打たせました。連続10回成功サーブ、コース替え、スピードチェンジ、ロングとショート、サービス後のレシーブ、ブロック連続後の心拍数を上げてのサービスなど毎回課題を与えて、それでなくとも単調になり易いサービスの練習に変化つけて実行しました。

サービスで相手レシーバーを乱し、相手の攻撃を単調にすれば、こちらのブロック陣もスパイカーの的を絞り易くなります。ブロック・ステッピングがまだ迅速にできない彼等でもハイ・セット(2段トス)へのブロックは、余裕を持って跳ぶことができます。

コート上6人の選手のうち、3人にはジャンプ・スパイク・サーブを実行するようにしました。彼等には、1セット平均6回失敗してもよいから攻撃的なサービスを実行しなさい、と指示しています。それが功を奏してチームサービスの成績が全体の第3位という結果になったと思います。

唯一、勝利を挙げた地元のシンガポールとの第2セットは、その意味で象徴的でした。カンボジアが23-22でリードしていましたが、シンガポールの勢いに追い上げられていました。カンボジアのサーバーはジャンピング・スパイク・サーブの得意なピエレン(190cm)という選手です。そして、彼は24点目をエンドラインぎりぎりに強烈なサービスを成功させました。次のサービスも臆することなく彼は果敢にサービスで攻めました。結果、相手のレシーブは崩れ、相手スパイカーもミスを犯して、25-22でこのセットを逃げ切りました。

もし、2セット目を取られていれば、フルセットまで持ち込まれて、カンボジアはお定まりの内紛をコート上で起こして自滅していたかもしれません。

1セット平均の失点が4.67で全体の第1位というのは、数値だけ見れば、私が許容している1セット平均6点内で収まっています。しかし、内容が良くありませんでした。失点した時のサービスは、実は攻めるサービスでの失敗よりも、確実にコントロールして実行できるフローターサービスで失敗しているケースが圧倒的に多かったのです。これは、集中力の欠如、弱気の表れから生じた失敗でした。

いわゆる、不注意での失点が多いのがカンボジアバレーボールの特徴でもあります。これは練習態度が影響しています。集合時間を守ることの重要性を彼らは最近になってやっと理解できるようになってきました。「時間を守る」ということは、集中力にも関係しています。集中力は意識の問題です。時間への意識を明確に持つことは、集中力を育成する効果があります。



Scoring Service

Rank

Name

Aces

Faults

Serve
Hits

Total Attempts

Average Set

1


Indonesia


11

29

227

267

0.92

2


Myanmar


10

27

241

278

0.83

3


Cambodia


7

42

143

192

0.78

4


Thailand


12

42

339

393

0.75

5


Singapore


4

20

138

162

0.44

6


Vietnam


6

33

318

357

0.40

6


Philippines


4

23

181

208

0.40

8


Malaysia


2

25

196

223

0.18

2015年7月8日水曜日

08.July 2015 インターハイ情報

今朝、日本に住んでいる青年海外協力隊時代の後輩から連絡があり、久しぶりにSkypeでお話ししました。

彼の息子さんが今年、世界ジュニア選手権大会(8/14~アルゼンチン)に出場します。話題の中心は、関東大会とインターハイ予選の話になりました。

そういえば、5月は関東大会予選、そして6月はインターハイ予選の時期でした。ここ2年間ほど、すっかりそのことを忘れていました。私は仕事の関係で関東各県の予選会そして関東大会は、34年間、欠かさず観戦していました。アドヴァイス指導していたチームも毎年出場していました。

動向で一番気になるのは、全国でも激戦区の東京都の予選会です。

変化がありました。男子で全国大会常連の東洋高校が、都インターハイ予選でベスト8、代わりにベスト4に出てきたのが足立新田でした。この件は、2年前からある程度予想されていましたが、東洋関係者の私としては、ちょっとさびしいですね。関東大会では意地を見せてベスト4に入りましたが、直ぐにベスト4に復帰して欲しいものです。

女子では、毎年混線になるのですが、下の結果に落ち着きました。

関東大会の結果は、男子が駿台学園が初優勝、女子が川崎市立橘でした。バレーボールの関東大会は、各都県のインターハイ予選会の直前に開催されるので、実力が拮抗している都県においてはチームのコンディション作りに工夫が要ります。全国出場を狙っているチームには、関東大会は、勝ちに行かずに、調整を主にして臨もうという判断もあって宜しいと思います。関東で良い結果を出しても、インターハイ代表権を取れなければ、元も子もありません。チームの好調のピークをどこに持ってくるか、監督の判断が求められます。

なお、陸上などでは、関東大会での成績によって全国出場が決められます。各種目によって、全国大会への道のりは違うのです。

東京都男子 インターハイ予選 最終順位

第1位: 駿台学園 <3勝0敗>(東京都第1代表)
第2位: 東亜学園 <2勝1敗>(東京都第2代表)
第3位: 安田学園 <1勝2敗>
第4位: 足立新田 <0勝3敗>

東京都男子 インターハイ予選 詳細
http://www.hstmv.jp/

関東高校男子 詳細
http://kkv.volleyball.ne.jp/announce/24%20kantou%20dan%20kestuka.pdf


東京都女子 インターハイ予選 最終順位
第 1 位: 八王子実践 <3勝0敗>(東京都第1代表)
第 2 位: 文京学院大女 <2勝1敗>(東京都第2代表)
第 3 位: 下北沢成徳 <1勝2敗>
第 4 位: 共栄学園 <0勝3敗>

東京都女子 インターハイ予選 詳細
http://www.hstwv.jp/pdf/2015/15soutaikekka.pdf 

関東大会男子 詳細
http://kkv.volleyball.ne.jp/announce/24%20kantou%20jyo%20kestuka.pdf

2015年7月7日火曜日

08,July 2015 写真からのゲーム分析ー5 レセプションにおけるカヴァーリング

本日は、レセプション(reception;サーブレシーブ)におけるカヴァープレーに行きましょう。

まず、画像を見てください。リベロがレシーブしています。この瞬間、大事なのは...カヴァーです。リベロが、もしコートサイドにボールを弾いてしまったら、もしエンドライン方向にボールを弾いてしまったら、もしくはスパイクの助走路にボールを弾かれて来たら...。レシーバー以外の選手達は、仲間のミステイクをカヴァーできるように、自分たちの足の爪先をレシーバーのほうにしっかりと向けて準備しながら、次の行動に移ることが大事です。それが、ゲームでの繋ぎの基本です。

カヴァーを含めて、繋ぐために構えている選手は、セッターと画面では他の選手の陰に隠れていますが、クイックに入ろうとしている選手の2名だけです。カンボジアチームは、まだまだ改善の余地が沢山あるということです。カヴァーリング・プレーのような数値に出ないようなプレーが実は、大事なのです。地味なことを、緻密にやれるということは、集中力があるということです。次のプレーの予測が瞬時にできるということです。

仲間への思いやりがあるから、カヴァーできるわけではありません。思いやりで、そう簡単に仲間のミスをカヴァーすることはできません。カヴァーできるだけの能力がなければできません。そうやって、カヴァーし合うことで、思いやりが少しづつ育まれてくるものと私は考えています。



07,July 2015 写真からのゲーム分析-4 セッター

本日はセット(set)を見てみましょう。

まず初めに、私がなぜ「セット(set)」という言い方をするかを申し上げます。日本では、未だにバレーボールの専門用語が、国内で統一されていません。統一するということは、共通認識になることですので、理解の迅速化につながり、またバレーボールの普及にも関係してきますので、メディアの協力も得て、数年のうちに統一した呼称を使いたいものです。

さて、セット(set)ですが、日本では今でも「トス(toss)」と呼んでいます。正確には、トスとは、ボールを下方から上方に放り上げる動作を意味します。従って、サーバーがサービスを実行するためにボールを「トス」することは、表現として間違っていません。また、スパイクの基本練習などで、コーチがボールを手に持って、スパイカーに「トスする」ことも正しい表現です。この「トス」技術はコーチに必須のテクニックでもあります。野球でも「トス・バッティング」という用語を使っています。やはり、ボールを下方から上方に放り上げて、スイングフォームを作るためにバッターに打たせています。

しかし、セッター(setter)がスパイカーにボールを送る動作はセット(set)とFIVBでは定義しています。日本でも、そろそろ、セットに統一しませんか。なお、カンボジアでは、セッターのことをパッスール(passeur)と言います。これはフランス語であって、植民地時代の名残です。こちらも、セッターとセットという用語で統一中です。



用語に関しての前置きはそのくらいにして、本論に入ります。

上の写真は、第3戦の古豪インドネシアとの試合です。カンボジア(黄色)のセッター(setter)がAクイックのセットをしています。私は、このようなネット際での両足が床に着いてのセットを推奨していません。私は、セッターには常にジャンプしてのセット(jump set)を要求しています。

この写真の場合も、セッターがネット上端の白帯より上でボールをセットしていれば、クイッカーは更に速いテンポでボールを打つことができます。つまり、相手ブロッカーがジャンプしてネット上端より上方に腕が出るよりも先にボールを打つことができます。また、セットされる位置が高ければ、スパイカーは、ボールと相手ブロッカーを同時に視野に入れることができ、相手ブロッカーをかわして、ボールを打つ方向を変えることができます。

写真の場合ですと、スパイカーは速いスピードでセットされたボールを打たなければいけないので、ボールを打つことだけに精いっぱいで、スパイクコースを変える余裕はありません。また、ブロッカーもセットされた位置(ボールがセッターから離れた位置)からスパイカーのヒット位置まで距離と時間がありますのでブロックし易いという状況になります。

写真の場合は、結局、相手のブロックに微かに触れながら決まりました。しかし、この後のAクイックは、ほとんど止められました。カンボジアのセッターは、なぜ止められるようになったのか理解できていませんでした。前回にも書きましたが、彼は、1か月前にナショナルチームに合流したベテランセッターでしたので、私の指導が彼に行き届いていなかったのです。カンボジア国内では彼流のクイックが決まっていても、国際大会では、さすがに簡単には決まりません。

私は第2セットになって、途中でその第1セッター(31歳、174cm)をベンチに下げて、1月から指導してきている第2セッター(21歳、186cm)セッターを投入しました。彼には、普段から、ジャンプでセットするように指導しています。そして、相手のブロックシステムがバンチ・システム(中央に集まっている)なので、中央からのクイックは囮で、80%のセットはサイドに上げてサイドからライン打ち(ストレート打ち)をさせるように指示しました

下の画像は、2008年北京オリンピックで優勝したUSA男子チームのセッターのボール選手です。

2mという長身を生かし、非常に高い位置でボールをセットしています。高身長セッターの利点を十分生かしています。相手ブロッカーは、リードブロック(セットされた直後に反応するブロック)で対応していますが、これではクイッカーのボールをヒットするタイミングに全く間に合いません。もし、コミットブロックのタイミングでブロッカーが跳べば、ポール選手は、クイッカー以外のスパイカーにセットするでしょう。


実は、カンボジア国内での練習試合(5月に3ゲーム)でも、第2セッターの彼がプレーするほうが勝利する確率が高かったのです。結果として、第2セットは、22点まで得点を伸ばしました。




0–3


14-25 

22-25 

18-25

第3セットは、そのまま第2セッターを使って通せば、もう少し点数を伸ばせたかもしれません。練習試合であれば、今後のポテンシャルの高い若いそのセッターを使ったでしょう。しかし、総合力ではベテランセッターのほうが力が上でしたのでベテランセッターをスタメンで使いました。さらに、彼は今大会を最後に引退すると表明していたので、私も彼への温情が働きました。

試合内容がリードしているのであればまだしも、不利な情勢で温情が働くようでは、試合を半分捨てているようなものです。私の采配ミスです。

相手が各上の場合は、常套手段ではなく、思い切った戦術で対応するべきでした。この3セット目はスタートから、私の戦術を理解していて、ブロック力もある若いセッターで行くべきでした。

次のSet技術統計表をご覧ください。
 
Average Setとは1セット平均のランニングセット数のことを意味しており、 計算式は、 ランニングセット数÷セット総数です。
 
Running Setsというのは、 セット本数のことですが、FIVBの定義は次の通りです。
・ブロックがつかなかった(1枚またはノーマークとなった)セット(トス)の本数のことで、
①セッターの技量により、相手ブロックを1枚またはノーマークにした場合、
②レシーブが悪く、繋ぐのが精一杯のボールを、セッターの技量によってファインプレーのセットを上げた場合、
以上のことを意味します。
※但し①、②いずれの場合も、その後のアタックが得点とならなければStill Setsの数に分類されます。
 
 

表の中の第1位は、優勝したタイランドのセッターです。カンボジアのセッターは第8位にランクされています。つまり、出場8チームの中で最下位ということです。
実は、カンボジアのサーブレシーブ(reception)率は、51.65%で全体の第2位です。つまり、セッターがクイックで相手ブロックを揺さぶってブロッカーのマークを外すことができたのです。しかし、自分勝手な第1セッターは、相手のブロッカーを見もせずに、自分の好みのクイックを多用し、結果としてブロックに数多く捕まりましたが、そのことを数値が裏付けています。 


全敗で得セットも0で、全体で最下位になったシンガポールですが、セッターはセットのボールを上手に左右に散らしてブロッカーの的を外していました。彼はセッター部門で第4位に入っています。
 

 


Non-Scoring Set

Rank

Name

Runing Sets

Faults

Still Sets

Total Attempts

Average Set

1 Thai


Thailand


161

-

147

308

10.06

2


Philippines


95

3

123

221

9.50

3


Indonesia


94

3

110

207

7.83

4 Sing


Singapore


67

9

107

183

7.44

5


Malaysia


81

3

127

211

7.36

6


Vietnam


102

7

197

306

6.80

7


Myanmar


75

2

150

227

6.25

8 Cam 


Cambodia


54

3

113

170

6.00

9


Cambodia


13

-

15

28

1.44

10


Malaysia


13

-

29

42

1.18

810

56

1577

2443

17.23