カンボジアという国のイメージは2つあります。
1つは、遺跡です。世界遺産にもなっているアンコールワットの遺跡群です。アジアで最も人気のある観光地の1つです。
もう1つが、地雷です。1953年にフランスからの独立を果たした後、1970年に軍部がクーデターを起こし、カンボジアは20年以上にわたる内戦に突入しました。長い内戦は、この国に「負の遺産」を残しました。国土のいたるところに埋められた地雷です。
1960年代のベトナム戦争時代から1970年~80年代の内戦を経て、90年代の和平実現までの30年近い間に、国内に400万~600万個の地雷が埋設されたと言われています。パリ和平協定(91年)から24年たった今でも、一般市民が地雷や不発弾の被害を受けています。
だからカンボジアは、危険です、と良くメディは取り上げます。
しかし、近年、国やNGOの長年の努力の結果、被害者は、相当数、減少しました。また、被害は、ほとんど地方の国境地域で起こっており、首都プノンペンはもちろん地方都市では被害者を出していません。
今週の新聞に地雷被害者が過去20年間で最少になった、との記事が載っていました。
『2015年の地雷被害者 過去20年間で最少
カンボジア地雷対策庁(Cambodian Mine Action and Victim
Assistance Authority
:CMAA)の発表によりますと、2015年の地雷・不発弾による被害者数は、死者18名、
負傷93名(うち手足切断23名)と、2014年(死者21名、負傷133名)から減少しました。
1996年には、死者911名、負傷者3409名(うち手足切断443名)に達していましたが、
20年間の関係者の努力により、死者数を50分の一にまで減少させたことは高く評価される
ものです。また、1996年から2015年までの20年間でも、2015年の死亡者数は最低を
記録しています。
CMAAは、1月15日に国家地雷対策戦略(2017年~2025年:National
Mine Action Strategy
(NMAS)
2017-2025)を発表し、引き続き地雷・不発弾対策及び被害者への支援に
取り組んでいくとしています。
なお、死亡者のうち7名は、地雷・不発弾の取り扱い中による事故によるものでした。
農村部での地雷・不発弾の取り扱いに関する啓蒙活動は、引き続き重要なものと
見られます。CMAAでは、今年も2月15日に、プレアビヒア州で「第17回国民地雷認知の日」
の式典を開催し、啓蒙活動に努めています。
カンボジア地雷対策庁(CMAA)のサイト(英文です)
http://www.cmaa.gov.k://www.cmaa.gov.kh/h/ 』
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