先月からは、筋トレと戦術中心の練習に切り替えました。また練習会場もシンガポールで開催される東南アジア大会の会場と同じような天井の高いサイズの体育館に会場を移しました。
昨年末からこの国のバレーボール連盟に月一度の海外遠征を要望していました。海外と言っても、隣国のベトナム、タイランド、ラオスは陸続きですので、車でしたら一番遠いタイランドでも10時間で行けます。ベトナムのホーチミン市でしたら5時間ほどで行けます。飛行機でしたら、どの国にでも1時間で行けます。
その要望がやっと叶いました。相手チームはナショナルチームでなかったのは残念でしたが、ベトナムから国内1位と2位のチームが親善友好試合でプノンペン市に来てくれました。本当は、こちらから行くことを要望していたのですが、とにかく我がチームにとっては初めての対外試合になるので練習成果を試す絶好の機会です。この試合で、強み弱みを見極め、次の練習課題を見つけることができます。
カンボジア国内最大の体育館で観客を入れて、公認審判員が配置され、本番と同じようにアナウンサーも付き、私の監督としての最初の試合が始まりました。
(閉会式。バレーボール連盟会長が優勝チームのカンボジアナショナルチームに花束を贈呈) |
結果は、2日間、2試合とも3-0の勝利でした。最初の試合は、若い選手達は緊張していました。私だけが、試合できる喜びで緊張感はありませんでした。それどころか、審判団がしっかりやれるかどうかそちらの方も気になって、実は試合前に審判団を集めてミニ講習を行ったくらいです。
気持ちはコート上の選手達と一緒でした。監督はベンチを離れてコートまわりの監督制限区域外でしたら立ったり、歩くことが許されています。相手のサーバーに対して、思わず私もレシーブの構えをしてみたり、声を出したり、サインを出したり、結構パフォーマンスが多かったと思います。そのせいか、2日目の試合前の選手と監督の紹介アナウンスでは、観客からの私への拍手が選手達よりも多かったようです。
2週間後には、シンガポールで東南アジ大会が始まります。2試合目にベトナムチームと対戦します。今回、対戦したベトナムクラブチームには現役のナショナルチームの選手はいませんでした。現役ナショナル選手は、現在ミャンマーで行われている第1回アジア男子U-23大会(日本も出場して現在グループ2位。アシスタントコーチである早稲田大学松井先生より連絡がありました)に出場しています。恐らく、今回のクラブチームのスタッフからカンボジアナショナルチームのデータは伝えられると思います。
勿論、私は、今回と同じような戦術は用いません。しかし、新しい戦術を覚えるには時間が足りませんので今の戦術の精度を上げ、そして少しだけ応用を付け加えようと思っています。
その応用とは「軟」です。日本語に「硬軟織り交ぜて」という言葉があります。カンボジアの選手達は、フェイント(英語ではtip)をほとんどしません。「力強くスパイクを決めるのが男だ!」と言わんばかりに、観客席に入らんばかりの鋭角的なスパイクを打ちます。彼らにとって、スパイク練習は、1時間やっても疲れを感じないようです。
反面、フェイントをされるとコンクリートのコートで普段練習している彼らはスライディングもフライイング(英語ではdive)もできません。彼らの前方へのレシーブは、体を倒すようにしてボールを上げ、最後は腕立て伏せをします。私にはマネのできない技術です。
ナショナルチームの練習会場は、昨年木製の床に張り替えになったオリンピック・スタジアム内体育館です。私は、レシーブの不得意な彼らに、まずパン・ケーキ・レシーブを指導しました。これをやることで床への恐怖感が薄れます。次に左右へのスライディングと移行していきます。
また、話が長くなってきました。きょうは、この辺で終了します。
明日は、フンセン首相主催の2度目の激励会があります。本音を言うと、激励会のスピーチよりもバイキングスタイルの昼食激励会の方が、普段満足な食事をしていない選手達にはより有効な激励になると思うのですが・・・首相と直接お会いできたら、ダメ元でお願いしてみます。
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