London Olympic女子バレーの組み合わせが決まった。
開催国のイギリスが第1シードに入り、以下は世界ランキングを元に決定。(カッコ内は、世界ランキング)6チームによる総当たり戦を行い、各組上位4チームが決勝トーナメントに進出する。日本女子は比較的に優位なA組に入った。いや、これは新聞の論調風であった。いちファン的な言葉を使うとすれば、まったくもってラッキーな組に入った。A組で3以内に入ることは約束されたも同然。成長途上のドミニカ共和国に油断さえしなければ、英国、アルジェリアにはスタメンを休ませてゲームに臨むこともできる。対して、B組は大混戦が予想される。
大事なのは、決勝トーナメントからだ。1つ勝てばベスト4だ。負ければ、前回の北京オリンピックと変わらぬ成績となる。コンディショニング、データ収集と活用はいうまでもないが、チーム力の再点検と個人スキル(技能)の向上を私としては挙げておきたい。
個人スキルではサーブ力とサーブレシーブ力。日本チームには、「伸びるサーブ」だけでなく「落ちるサーブ」と組み合わせたサーブ戦術が必要だ。ボールと手が触れる瞬間の動きがポイントになる。コンタクト(接触)の瞬間に腕のスイングを止める、引く、床と平行に押す、押してスイングを床の方向まで続ける、というふうに4つのスイングを使い分けることで、ボールが「手元で落ちたり」「ネット際で落ちたり」「伸びたり」「スピードがあって手元で伸びたり」する。筋トレでは、大会使用球のミカサさんにお願いして、やや重いヘビーボールを3種類ほど作っていただき、そのボールでサーブ練習をすることで肩関節周りの三角筋、大胸筋、広背筋などが鍛えられる。
サーブレシーブ力向上に関しては、やはりミカサさんの協力を得て行うことを提案したい。まず5号球と同じ重量の4号球を使ってのドリル(反復練習)を行う。4号球で行うことで、ボールのスピードが増すのでスピードボール対策になる。また、4号球を使うことで腕の面をしっかりとターゲット(セッター)に向けることを覚えるようになる。このことは、以前11年前に私が埼玉栄高校女子バレー部に外部コーチでいたときに埼玉県小学生女子バレーチャンピオンチームと練習試合をやったときに思いついた練習法である。小学生のルールで、ネットの高さも2m、ボールも軽量4号で練習試合をやったら、当時埼玉県大会でベスト8の埼玉栄高校が11点も取られてしまった。このときに学んだ。お陰で、高校チームは直後の県大会で念願のベスト4に入賞できた。小学生チームは全国大会でベスト8に入賞した。
蛇足であるが、いろいろなサイズのボールやいろいろな重量のボールを使ってのパス練習などを時にやることで脳が活性化され、本来のサイズと重量のボールを使ってのプレーに戻ったときに目覚しくスキルの向上が見られることは脳科学の分野で証明されている(このことは拙著の『コーディネーション・トレーニング』(全国図書出版)に載っている)。時には、柔らかくて大きなソフトバレーボールや小さな軽量4号球を使ってプレーする意味がここにある。コートもソフトバレーの狭いコートや広い男子9人制のコートを使ってやるのも良い。コート空間の認識力が高まる。少ない人数や多くの人数でやることも守備範囲の確認や声を出さざるを得ない良い練習になる。
【A組】 イギリス、日本、イタリア、ロシア、ドミニカ共和国、アルジェリア
【B組】 アメリカ、ブラジル、中国、セルビア、トルコ、韓国
【A組】
*1 イギリス(69)
*4 日本(3)
*5 イタリア(4)
*8 ロシア(7)
*9 ドミニカ共和国(9)
12 アルジェリア(16)
【B組】
*2 アメリカ(1)
*3 ブラジル(2)
*6 中国(5)
*7 セルビア(6)
10 トルコ(11)
11 韓国(13)
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