2012年8月23日木曜日

Mon.August 20,2012 FIVBコーチコース協力 6日目最終

本日は筆記試験。筆記は3択問題だが、全て英語。日本語であるならば、受講者のレベルは高いので恐らく100点満点で80点以上は取れる問題内容であるが、英語力がキーになる。英文は、日本で行われている英語検定3級レベルであるが、力学、生理学の英語の専門用語を良く理解していないと回答に迷ってしまう。海外(ナイジェリア、香港、インドネシア、韓国)からの受講者にとっては有利であったであろう。事実、試験が始まって45分して海外組みが試験会場から涼しい顔で出てきた。日本人受講者は、試験制限時間90分を使い切った。試験会場から出てきた顔を見ると、結果への不安と、とりあえず試験が終わった安堵感の入り混じった表情であった。平均年齢30台半ばの彼らにとって高校や大学を卒業して以来の英語の試験であったことであろう。
 採点は、試験後直ぐに行われ。追試験者1名が出た。講師から再度口頭諮問され、1時間後に追試験合格となった。これで、昨日の実技と合わせて28名の受講者全員が課程修了となり修了書をその場で渡された。近日、FIVB本部から公認コーチlevel 1の認定書が各人に届くことになる。
 研修所のロビーでは修了の安堵の声があちこちで響き渡った。私も昨年新潟県で開催されたコーチコースlevel 2での緊張感と興奮を思い出した。

 そんな思い出に浸っている私にチーフ・インストラクターのMr.足立から指示が出た。
「渡邉さん、ソフトバレーボールについて歴史、特徴、ルールなどをパワーポイント(IT技術で図などを用いての説明板書)を作って受講者に英語で20分間講義して頂けますか?その後、体育館でゲームを組んで下さい。私達は、それをビデオにとってFIVB本部に送って、渡邉さんがFIVB公認インストラクターに相応(ふさわ)しいかどうか審査します。英語のスペルに間違いがないように、発音は明瞭にすることがポイントです」。
 講義スタートは午後2時から。今から2時間しかない。事前に知らされていれば、綺麗なパワーポイントを作成してくるのに、どうもこれがコーチコースlevel3では当たり前の受講内容であるらしい。
昼食も取らずに、ノートに下書きをして英語のスペルに間違いがないか確認してから、パソコンではなく、直接ホワイトボードに板書して備えた。

 受講者、豊田先生、2人のインストラクターの前で講義を始めた。日本語であるならば、親父ギャグを入れるだけの余裕もあるのだが、英語での講義はこりゃ大変だ!しかし、3月からのAmericanスクールgirl'sチームの英語での指導、英会話学校での学習が功を奏して、何とかやり終えて、評価はVery goodであった。同時に、英語の専門用語(特に生理学、力学)不足を感じた。パワーポイント作成は会社勤務上の仕事と大学院のレポートで鍛えられていたので不得意ではない。

 その後の体育館での実技では、受講者に4チームに分かれてソフトバレーを楽しんでもらった。夕方のフェアウエル・パーテイ(お別れ会)では、受講者一人一人が英語で感謝と感想の言葉を述べた。話の途中で英語がもどかしくなって、真心が伝わらないと日本語に切り替える年配者もいた。試験も終了しているので気持ちは明るい。話の中で感涙する受講者もいた。無理もない。2週間もの間、多様な経験(現役のプレーヤーからVリーグパナソニック男子チームの監督まで)を持つ多様な年代(今回は18歳の早稲田大生から58歳の小学生指導者まで)が同じ釜の飯を食べ英語での共同生活をしてきたわけだから共感できる。

 今回の講習会を最後にFIVBの役員を退任される豊田博先生に受講者達から花束が贈呈された。豊田先生は私にとっても33年前から指導を仰いできたバレーボールの恩師である。日体大を卒業されて、日体大からは初めて東京大学で助手、講師、助教授として25年間務められた。その後、千葉大にて教授、退官されて千葉大学名誉教授。日本のバレーボール書籍のほとんどを手がけられてこられた。世界のバレーボール界でも初心者指導においては第一人者である。私には、豊田先生の学術能力の100分の1の才能もないが、バレーボールを好きになってもらう指導では豊田先生の足元近くにいるのではないかと自負している。私は、豊田先生の後を継げる能力は乏しいが、次の世代のリーダーに繋げるパイプ役は、あと10年やっていく覚悟を持っている。
 豊田先生、お疲れ様でした。


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