第1試合のスロヴェニア - イタリアは、3 - 1 (25-13, 23-25, 25-20, 25-20)でスロヴェニアが初めての決勝に進出しました。第2試合のブルガリア - フランスは、2 - 3 (25-18, 25-22, 24-26, 21-25, 12-15) でフランスが勝利しました。
By FIVB (ポーランドとの試合を見ました。スロヴェニアの選手は、パワーだけでなく一人一人が技も持っています) |
特筆されるのは、スロヴェニア(世界ランク39位)です。スロヴェニアは、昨年の世界選手権王者のポーランドを、今年のワールドカップ2位でリオ・オリンピック出場権を獲得したイタリアを破っての決勝進出です。そして、明日の決勝(時差の関係で今夜遅く)は、今年のワールドリーグ王者のフランスとヨーロッパチャンピオンを決します。
スロヴェニアは、アルプス山脈の南端に位置し、人口206万人ほど、面積では日本の四国ほどの大きさの小国です。国民一人あたりのGDPは320万円ほどで、決して豊かな国ではありません。強さの秘密の1つは旧ユーゴスラビアから1991年に独立しましたが、ユーゴ時代からの政治力など、もともと組織マネジメント力があるようです。そして、新しい指揮官であるイタリア人のスーパースターであったジアーニの招聘です。
イタリア、クロアチア、ハンガリー、オーストリアに囲まれた風光明媚な国で、最近では隣国クロアチアへの日本からのチャーター便があることも手伝い、日本人観光客も増えていると聞いています。
スロヴェニアの欧州選手権大会での過去の最高成績は、9位が2回(2001年、2011年)だけでした。時差の関係で今夜遅くに、まず3位決定戦、その後に決勝戦があります。
スロヴェニアが優勝しなくとも、1991年に独立したあのような小国が世界のバレーボールの頂点ともいうべき欧州大会で、ここまで来たことは称賛に値します。スロヴェニアのスポーツ界で欧州大会の最高成績はハンドボールが2004年に準優勝したのみです。
カンボジアは、1人当たりのGDPが約31万円(月平均2万5千円)とまだまだ低く、ナショナルチームの強化費は、連盟から出ることはありません。政府のスポーツ省頼みから脱却して、連盟自体のマネジメントでスポンサーを募り、リーグ戦を新設し、良い試合を多くの観客に見せて入場収入を得ることが必要です。私も、現在、スポンサー獲得と連盟運営の質向上のために奮闘しているところです。
今は、弱小チームでも、工夫と努力で強くなれることをスロヴェニアは証明しました。1900年代にアルゼンチンから小男がイタリアに行き、クラブチームの指揮官になった時、周りのイタリア人は国内優勝は無理と言いました。しかし、彼はその当時他のクラブがほとんどやっていなかった筋トレを徹底してやり、優勝しました。ナショナルチームの監督になってもその方針でオリンピック以外の国際大会の金メダルを複数回獲得しました。その監督の名は現在母国アルゼンチンの男子監督に就任しているフリオ・べラスコ氏です。
そして、スロヴェニアの新監督のジアーニは、べラスコ氏が監督を務めていた当時のイタリア男子チームのスーパーエースで愛弟子です。近いうちに、師弟対決が国際大会で見ることができるのでしょうね。楽しみです。
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