2013年8月29日木曜日

Wed.Aug.28 英語好きと海外との関係

文科省は27日、小学生6年と中学3年を対象に4月に実施した2013年度全国学力テストの結果を公表した。同時に実施したアンケートでは小学生6年の7割、中学3年の半数が「英語学習が好き」と答えたが、「海外留学や国際的な仕事をしたい」との回答は、ともに3割にとどまった。英語学習への興味が海外に出る意欲につながっていない現状が浮かんだ。

まあ、ざっとこのような記事が、今朝の日本経済新聞で報道された。
(本日8月28日付朝刊社会面)
私の感想としては、そんなことは当たり前でしょ、ということ。英語を学習しているから海外に行きたい、そんな単純に人は思うわけではない。目的と手段の関係で考えれば、よくわかると思う。つまり、海外にも行って日本と比較してみたい、日本にないものを見聞きしたい、あの国でなければ勉強できないことがある・・・そういった目的を達成するために言葉の学習がある。「目的」を達成させるために「手段」としての学習がある。


従って、子供達に必要なのは、英語を学びたい!との意欲を喚起する体験が必要である。授業
で担任を補助する外国人のALT(外国語指導助手)との接点を増やすのも良い。スポーツであれば、海外に住んでプレーした経験者をゲストティーチャーで招いて映像を用いて話を聞くのも良い。画像や動画は生き生きと海外を語ってくれる。

私は23歳で青年海外協力隊に参加し、バレーの指導を通じて文化、文明を学んだ、と言うと格好いいが、一番学んだのは、人情と食べ物であった。言葉は、指導するうえで、コミュニケーションのために必要不可欠なので、フランス語とアラビア語を必死で学んだ。指導は論理的構造のフランス語で、日常生活ではアラビア語で過ごした。

言葉を学んだからと言って海外に出る意欲向上に短絡的には結びつかない。語学学校に通うシニア世代が外国語を学ぶ理由は、例えばルーブル美術館で本物をじっくりと鑑賞したいからとか、ケニアで自然の動物に近づいて見たいとか、日本より困っている人があの国にはいるから私でも役に立てるとか・・・である。外国語に触れていると海外に行きたくなるわけではない。海外に行きたいから学びに来ている。

学ぶことは手段なのである。

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