首都Phnom Penh(プノンペン)の中心地にあるオリンピック・スタジアムでカンボジア国内にある大学が集まってスポーツ大会を開催すると聞いて出かけた。ひょっとすると有望なバレーボール選手がいるかも知れない。
開会式は、体育館内で行われた。開会式の始まる設定時間より1時間過ぎて式は始まった。どの国にもその国の時間というものが存在する。日本人のように時計のように正確に物事を進める国のほうが世界では珍しい。
参加した大学には、大学校や専門学校も含まれていて、25校が笑顔で入場行進した。先導は音楽隊である。話に聞くと、この音楽隊はJICA(日本の国際協力事業団)から派遣の指導者によって育てられたという。
王立や国立の大学は参加していない。理由は、スポーツを活動していないからというシンプルなものであった。
種目は陸上、サッカー、バレーボール(男女)、バスケットボール(男女)。バレーボールは、国内でも人気スポーツの1つで、男子が12チーム、女子が5チーム出場する。6月28日までリーグ戦とトーナメントを行う。
(副審側にベンチも記録席もない。どうやら、こちら側に座っている主賓への配慮で、ベンチも記録席も主審側の向こう側に設置したようだ。審判団の反則への判定基準は、以前の基準であった。今年の9月に日本で開催されるアジア連盟主催の審判研修会にはカンボジアからも審判員が派遣されるようだ。それで審判技術も世界に追い付くことであろう) |
開会式終了後に、バレーボールのゲームが始まった。日本の大学の体育会活動と違って、こちらの国では、サークル活動に近い。参加した大学のなかには、この日のために急遽チームを編成したという大学もある。
(バレーボールのプログラム表。参加大学名や対戦期日などがクメール語(カンボジア語)で記されている。1年後には、少しクメール語も読めるようになっていたい) |
最初のバレーボールのゲームを見て、見たことのある選手の顔があった。2週間前に、プノンペンから車で3時間離れたところにある隣の州都でポリスのチームと親善試合で対戦した公務員チームの主力選手2名がいた。関係者に聞いてみた。あの選手たちは大学生なのか?
大学生ではない。何というのか・・・日本語で言えば「助っ人」のようなものだという。そういえば、市民クラブレベルのサッカーの大会に大学生チームの選手が入るということも聞いたことがある。選手の登録制度が確立されていなければ、このようなことも自然に行われることも理解できる。数年後には、純粋な大学生だけでのチームでゲームがなされることであろう。
体育館内をよく見てみた。床が木の床である。日本では当たり前のことであるが、国内では珍しい。この木の床は3か月前にできたということである。壁の電光掲示板も3か月前に完成した。スポンサーの飲料会社が付いたのは今年からだという。
カンボジアは、経済をはじめ、2年ほど前からすべての面で急激に現代化が進みだした。スポーツ環境もその例に漏れない。私がこの国の監督に就任したのも、その流れの1つなのかも知れない。上っ面の流れに翻弄されないように、ひとつひとつ着実に進めていきたい。
1 件のコメント:
スポーツを通じて、経済発展の期待値大ですね。
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