本日のモデルチームは神奈川県立小田原高等学校男子バレーボール部。中学の成績がオール5でも入学するのが難しい神奈川県下有数の進学校である。
足立龍哉。彼は宮崎県の高校を卒業して、単身アメリカ合衆国に渡った。アメリカの大学に入学できたのは、バレーボールのお蔭と彼は語っている。小柄な彼が、スポーツで奨学金を得て大学生活を全うできたのは、セッターという特殊技能を要するポジションのスペシャリストであったことが幸いした。入学を勧めたその大学のバレーボール部は優秀なセッターを探していたところであった。
彼の経歴はドラマチックであるが、それは、また別の機会に譲るとして、本日は「セッターの育て方」のテーマで三時間半の短い時間ではあったが、早いテンポで講義、実技が進んで行った。
会場は、千葉県船橋市船橋学園東葉高校、参加者は東は宮城県から、西は京都から30名が集まった。皆、足立龍哉の理論に心酔している情熱溢れる若き指導者達である。彼の理論には、長年のアメリカ、ヨーロッパでの指導実績と研究に裏付けられたエビデンス(根拠)がある。それだけではありきたりだが、プラス、オリジナリティ(独自性)がある。そして、システム化したロジック(論理性)がある。
日本では、どちらかというと、まだ流派が存在している。全国大会で数度優勝した程度で持論が絶対的と考える一部の名指導者がいる。この件は、また別の時に論じるとして・・・、足立の理論は停滞している日本バレー界にとってカンフル剤になりうると私は確信している。
それにしても、最近の彼は凡庸な私の10倍のスピードで疾風している感がある。彼が昨年末に大病を経験した後、特に顕著だ。まだ50になったばかりだ。スピードの出し過ぎは事故の元だ。しかし、彼はそんな忠告にも笑顔で応える。
「渡邉さん、今やらなくていつやるんですか? 私がやらなくて誰がやるんですか?」何か、ドラマのシーンの会話のようであるが、世界のバレー事情がリアルタイムで彼の元に入って、そこから日本のバレーを俯瞰している彼から言われると現実味を帯びてくる。
彼のように今までと違う見方、発想のできる人材を世に知らしめるのも私の役割りと心得ている。
明日のテーマは、サービスとサービス・レセプション。さて、本日の実技も終えたので、これからNight Session、訳すと夜間講習会、超訳すると受講者も交えての飲み会に出かける。この時だけは、凡庸な私の脳もアドレナリンが大量に分泌されて、素晴らしい発言をする。但し、光速に近い一瞬の出来事で、その後は親父ギャグを連発するただのオヤジになっている・・・。
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