プレゼンのトップバッターに立った高円宮妃久子様が凛としたお姿でフランス語でお話を始められたときは驚いた。付け刃ではない滑らかで洗練された品格のあるフランス語であった。日本の皇族のIOC総会は初めてである。各国のIOC委員には皇族もいらっしゃる。アピール度は高かった。
最後に立ったのは、安倍首相。前日のロシアでのG20からアルゼンチンに飛んできた。自分のプレゼンの番が来るまで原稿用紙に何度も眼を通している姿に必死さが見られた。長期の安倍政権が確実なその本人が、懸念されている汚染水漏れ問題に対して安全性確保をIOC委員の前で力強く約束したスピーチは説得性があった。安倍首相の英語は、国政の場で発言されている日本語と比べて格段に滑舌が良かった。発音の訓練に相当数時間を費やしたのであろう。
半ばで登壇しコンパクト東京開催のメリットを訴えたのは、私が勤務していた会社の元上司の水野正人さんで現在は招致委員会の副理事長。IOC環境委員会のメンバーでもある。この方は、アメリカの大学に留学されていたので、英語はお手の物だ。いつも笑顔でお話しされるが、この日は少し緊張されていたようで笑顔がいつもより多かった。そして驚いたのは、フランス語でもスピーチしたこと。こちらも相当訓練を積み重ねた跡が見えた。
IOCの第1公用語はフランス語である。これは近代オリンピックを提唱したクーベルタン氏がフランス人であったことが、その理由である。滝川さんも親御さんのどちらかがフランス人なのでフランス語で日本人の「おもてなしの心」を美しくアピールした。
2020東京オリンピックには、全ての開催種目に日本人が出場できる。今まで出場が叶わなかった種目の選手にはまたとない好機である。特に、7年後に中心的な年代になる現在の小学生高学年・中・高生に期待したい。またアスリートを支援するボランティアも大人数必要になる。私も長野オリンピック時には休暇を取ってフランス語通訳ボランティアを1週間務めた。良き思い出になる経験となることは間違いない。
(私も招致活動のバッジを襟に付けて、ささやかですがアピールしてきました。しかし、いつまで付けていていいのか、ちょっと気になってきた。とりあえず安倍さんが付けている間は私もこのままにしていよう) |
7年間、ワクワクして待つことができる幸せ、開催成功に向けて準備できることの幸せに感謝したい。バレーボールでは現地でJOCメンバーでもある日本バレーボール協会強化事業本部長の荒木田さんはじめ招致関係者の皆様、大変お疲れ様でした。
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