2011年11月9日水曜日

11/7(月) World Cup 女子 第3戦を終えて




 この大会で3位以内に入り、ロンドンオリンピックの出場権を獲得することが、出場12チームの目標である。ロンドンオリンピック1年前に出場権を獲得できれば、本番までのチーム作りに余裕が持てる。自国のチームの怪我人の休養、新戦術の開発、大陸予選会の視察、最終予選会の視察そして研究ができる。今回の大会に出場していないランキング3位のロシアと若いキューバもヨーロッパ予選会や最終予選会に出てくる可能性は十分ある。


 全日本女子も、開催国という優位性のある今回、3位以内に入りたい。しかし、初戦のイタリア、そして昨日の中国に破れて、3位以内というより5位以内も危うくなってきた。


 全日本女子の進化はサーブに見られる。2年前からジャンピングフローターを全員が取り入れてスピードアップしている。私はそこに落とし穴があるとみている。確かにスピードアップはしているが、全員フローターでは相手も慣れてしまう。ここは割合として、フローター7割りにジャンプスパイク3割りを提案したい。新鍋だったかがジャンプスパイクサーブを実施してサービス戦術として有効である。6人中、あと1人がジャンプスパイクサーブを行うことで、フローターがより取りにくくなる。また、ジャンプスパイクサーブの空中フォームからフローターに切り替えるスキルチェンジも面白いと思う。緩やかに回転しながら大きくぶれて変化する魔球サーブになる。研究の余地がある。


 実は、最近、59歳の私でもジャンプ・スパイクサーブを打ち始めている。まずはソフトバレーボールから始めている。両手でボールを保持しながら短い助走を行い、ボールを左手で添えながら右手でトップスピン与えた低いトスを上げる。前方に行った両腕を、すぐさま、肘を曲げたコンパクトなテイク・バック


に切り替え、エンドライン際でブロードジャンプしてボールを打ち込む。ボールヒット後は、腕のスイングを体側の方に振り切る。いわゆる、トスを高く上げてドカン!と打つ「ハード・ジャンプ・スパイクサーブ」ではなく、コントロール重視の「ソフト・ジャンプ・スパイクサーブ」である。上記のポイントを押さえて行えば、リズム感のある人であれば(カラオケが歌える程度であれば)誰でもできる。


 最後に、真鍋監督に注文あり。ゲームで日本がリードしている時は、性格の良い人らしく良い顔をしているのであるが、リードされると情けない表情になってしまう。指揮官の表情なんてどうでもいいじゃん、と言われる人も多いと思うが、私個人的には激しさを押さえた平常心の顔が宜しいと思う。私の理想は、将棋の羽生善治(はぶよしはる)名人。最近、発行されたサッカーの元監督の岡田武史さんとの対談本に共感できる個所があった。




 (岡田)「闘争心は不要なんかじゃなくて、制御された闘争心が必要だということですね」。


 (羽生)「そうです。『冷えた情熱』というか『熱い冷静さ』みたいなものです。そうでないと、落ち着いた


      平凡な一手は打てません。凡手の中から価値ある手、深い手を拾い上げてくることはできな


      いですね」。


 (岡田)「羽生さんは、十分それに成功していると思います。平静を保ったまま熱くなれるし、熱くなって


      も平常心、自然体を失わない人のように見えますよ」(『勝負哲学 岡田武史・羽生善治』サン


      マーク出版2011.10.1発行)。


 理想は、土生名人の平常心のお顔であるが、私がマネしても「ナベさん何考えてんだか解りゃしない。不可解なお顔になっていますよ。ピカソの人物画のよう!」と言われるのが落(お)ちかもしれない。


(画像は、『勝負哲学』の表表紙。将棋とサッカーという一見違う分野のように思えるが、アジア大会ではスポーツの分野に入ることもある。また、チェスも欧州ではスポーツの分野に入っている。頭脳が汗をかくということでは、共通点がありますね)

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