2010年10月31日日曜日

10/31(日) 春高バレー予選会が

 来年1月5日から開催される「新・春高バレー」の予選会が各県で本格的に始まっている。栃木県は昨日終了して、女子は国学院栃木が2-0で作新学院に快勝したと連絡が入った。青森県からは女子が弘前聖愛、男子が弘前工業が名乗りを上げた。今日、私は神奈川県女子の有力チームの一つである県立大和南高校に3ヶ月ぶりに訪問した。3年生のエースで主将の二見も東レに内定、他の3年生たちの多くも関東大学1部、2部の大学に進学予定。今日は、東京都ベスト4のチームとの練習試合で夕方5時までに9セットを行った。結果は五分五分で、東京都ベスト4の力はやはり相当高い。
 東京都からは3チーム出場できるので、共栄、下北沢成徳、文京学院、八王子実践の4チームから1チーム脱落することになる。予選会は2週間後だ。
 今度の予選会には3年生も出場できるが、例年ならば国体も終わり、3年生は引退している時期であるので、中には、気持が既に引退して、練習に身が入っていない3年生もかなりいる。このような高校バレーの年間スケジュールのリズムに各チームが慣れるまで、あと1,2年はかかるのではないかと思う。

10/31(日) 訃報

 30日のブログを打っていたら、日付けが変わった。実は、昼ごろに訃報が入った。ここのブログで何度も紹介している足利市ママさんバレーチームのミニクリニックを依頼された栃木県内では大手の阿部スポーツの社長が心筋梗塞で突然亡くなってしまった。まだ66歳である。足利市バレーボール協会でも筆頭副会長として今まで尽力され、来年度は会長として最後の仕事をしようという矢先であった。この1カ月、私はママさん9チームの指導に8日間足利市に通った。その度に、店の社長室で来年の足利市バレー界についての社長のビジョンを何度も聞いた。市内には高校で何度も全国優勝をした足利工業大付属高校、今年のインターハイ初出場の白鴎足利女子がある。私は小学生バレークラブの創設を提案し、来年度からは小学生チームの指導に足を運ぶ機会が増えちゃうかな、と考えていたのであるが・・・それもこれも社長が亡くなってしまっては、白紙になってしまうであろう。
 社長、あなたが亡くなったなんて嘘でしょう・・・?

2010年10月30日土曜日

10/30(日)/2010 足立区ママさんバレー事情

 きょうは午前中に、日本バレー協会事務局にて、審判規則委員会規則部の編集会議があるはずであったが、台風の影響で中止となった。それで、午後から予定していた足立区の「SCクラブ」という会員70名ほどいるママさんクラブ主催の第30回交流大会に昼前に着くように向かった。会場は足立区を代表する足立区総合スポーツセンターで、コート3面に18チーム集まりゲームが繰り広げられた。
 主催者で代表の石山和子さんという女性のリーダーシップが素晴らしい。私もこの方と知り合って、かれこれ15年ぐらいになるが、民生委員も30年以上務めており、地域に明るい。梅田・梅島地域の小学校の校長や病院長、警察署長もこの女性には一目置いている。9年前に足立区で総合型地域クラブを立ち上げたときに私も多少お手伝いしたのであるが、この方は行政主導ではなく、地域住民主導型の地域クラブを立ち上げた。財政的に厳しい面もあったが、各種プログラムの受講料や行政からの委託事業で乗り切っている。東京都の体育指導員としても活躍し、4年前に東京都の女性部長として要職にも就任され、昨年文部科学大臣賞で表彰され引退された。
 交流会には、東京都だけでなく埼玉県からも実力チームが招待されていた。元オリンピック選手が監督のチームも参加されていて、ユニチカで活躍したサウスポーの水原さんやヤシカで活躍した飯田高子さんと久し振りで再会した。私は、石山代表からSCクラブの監督として依頼(命令?)され3ゲームベンチに座った。冷や汗をかきながらもチームは優勝したが、私の指示を忠実に守ってプレーできるママさん達のほうが素晴らしい。レフトの170cmの30歳代アタッカーは9人制実業団の名門、山梨中央銀行で活躍したアタッカーであったり、応援に来ていたOGが東京都名門の中村高校出身であったり、いやはや凄いメンバーが揃っていた。
 交流会終了後、体育館別室で「30周年祝賀会」がささやかに開催された。平均年齢40歳半ばの会員の前で20年以上、30年以上の会員が功労賞を授与され、若手ママさんの手料理が振舞われた。30年以上で授与された堀さんという方が、私のベンチワークを見て「恩師の中村高校の渡辺先生にそっくりです」と涙を浮かべられたのには驚いた。私が、「渡辺先生は私の指導の恩師です」と申し上げると、またまた涙眼になって、高校生時代の渡辺先生との思い出を語ってくれた。その後、日紡の連勝記録を止めたヤシカの船山監督のこと、ヤシカからNECに移籍した頃の岩原さんのことや豊橋東の鈴木紋吉先生、久喜高校の稲山先生など40年前のバレー談議にタイムトラベルしていった。

2010年10月27日水曜日

10/27(水) 島嶼ソフトバレー交流会in新島


11月5日(土)に伊豆諸島にある新島村にて恒例のソフトバレーボール交流大会が開催される。午前中は、行政の担当課長さんと打ち合わせであった。

 7年前に小田急の元全日本監督である岩本先生からお話があって、伊豆諸島の島々を巡って開催していく島嶼ソフトバレーボールに着手した。行政側の(財)東京都スポーツ文化事業団と島(町村)の教育委員会が主催者となり、体育協会、バレー連盟が協力、東京都ソフトバレーボール連盟も後援、ミズノスポーツが協賛と官・民一体となって今まで推進してきた。

 新島村での開催は今回で3回目。教育委員会の担当者は代わっても、体育協会会長である前田さんが島内をまとめている。来週末の大会運営は心配していない。元全日本選手の女性達も特別参加でチームを作って同じコートでソフトバレーを楽しむ。島外からも愛知県、宮城県から県連盟の理事長などが参加してくる。東京都ソフト連盟の主要役員もチームを作って参加してくる。私もどこかのチームに交じって参加させていただく。

 島でのソフトバレー交流大会は、この他、お隣の神津島でも定期的に開催されている。2年前から私が普及のために派遣されている三宅島でも若い人達中心に継続されている。1月末には大島で講習会を兼ねて交流大会が開催される。この時には助手としてモントリオール金メダリストの白井貴子さんと矢野広美さんを同行していく予定である。金メダルを持参してくれると言うので、島の子供達には良き思い出となるに違いない。気軽に引き受けてくれる白井さんには感謝である。
(画像はあまり鮮明ではないが、大会要項。詳細は新島村教育委員会にお問い合わせいただきたい。1月末の大島大会の要項はまだ出来上がっていないが、三宅島に開催地が変わる場合もありそうだ。どちらで開催されるにせよ、島々の個性はどこも魅力いっぱいだ。夜空に広がる満天の星と海の透明さはどこの島でも素晴らしい)

2010年10月26日火曜日

10/25(月) 足利市ママさんバレーチーム訪問(7)


 月に10日も足利市に来ていると、市内のことが少ずつわかってくる。実は先週の金曜日は、東京でなかなか行けなかった理髪店に足利市内で行くことができた。料金は東京都の千代田区よりやや高めの3,700円であったが、店主と最近の足利市について情報を収集することができた。次回、時間があるときは美術館でも足を伸ばしたいところであるが、どうなるか。

 さて、8チーム目のママさんチームは市役所前にある改築になったばかりのけやき小学校体育館にて開催となった。改築したばかりの体育館はとても明るくて清潔であった。お母さん達が集まったのは7時40頃。何か独特の雰囲気を持っているチームである。おしとやかなパス練習をみて、これは足利市のプチ・セレブチームと見抜いた。チーム名が「ダイエット」となっているが、十分ダイエット・シルエットになっている。但し、体力は相当不足している様子である。そこで、まず楽しく行うダッシュトレーニングを行った。ネット下のセンターラインに2人一組になり、互いの両足を合わせて座る。ジャンケンを大きな声で行い、勝った人は素早く立ち上がり、エンドラインに逃げ、負けた人は追いかけて勝った人にタッチする、そんなミニゲームを5セット行った。このあと、プチ・セレブの皆さん、元気な声が体育館に響き、練習はスムーズに進んだ。

 当日は、初めてであったが、初心者のチームに効果がある応用練習を行った。名付けて「約束ラリーゲーム」。両コートに3対3でメンバーを入れ、レフトアタッカーが相手コートのバックセンターに拾わせるようにジャンプしないでオーバーパスか片手スパイクでヒットする。レシーバーはネット際のセッターに山なりに反し、セッターはネット際2.5mにトスを離して上げ、レフトアタッカーはジャンプしないで(慣れてきたら10cm程ジャンプしながらスパイクして)相手コートのバックセンターのレシーバーに優しく打ってあげる。これを5往復、ラリーが続くように行う。更には人数を増やしての約束ラリー練習を行う。このような、ネット越しにくるボールをレシーブしたり、ネット越しに相手コートに返球することで実戦に近い感覚を養うことができる。ゲーム・コーディネーション・トレーニングというのであろうか、この練習は初心者にお勧めである。

(画像は、チームの集合写真。ユニフォームが少し地味であったので、もう少し明るいカラーにすることで3点はアップしますとアドバイスしてお別れした。イエローとかオレンジにすると色白のプチ・セレブ系チームにはマッチすると思いますがねえ)

2010年10月24日日曜日

10/23(土) 町田市ママサンバレー小田急杯に挨拶

 睡眠不足で、朝の起床が辛かったが、東京都町田市で開催されているママサンバレー対象の小田急杯に向かった。自宅から電車で2時間かけて町田市総合体育館に着いた。連盟理事長の三浦さん、協賛社の小田急グループの岩本氏、モルテン社転勤者の方達に挨拶し、参加20数チームのゲームを暫く見学させていただいた。町田からは過去全国ママさん大会に2チーム出場しているレベルの高い地位だけに見ごたえのあるゲームが4コートのあちこちで見られた。
 途中、先月訪問指導した町田市のチームの代表者と再会し、今後の練習方法など質問を頂いた。熱心な代表者のいるチームは、確実にチーム力が向上する。一度訪問指導したチームには、その後、私のメールアドレスを教えて、通信指導の形でコーチングを継続しようと考えている。いわゆる「e‐コーチング」だ。
 夜には、都心でバレー仲間達と焼鳥屋さんに集合した。その中には、元実業団の名プレーヤーもおり、楽しい時間を過ごすことができた。途中、ある高校チームの監督から電話が来た。春高バレー予選会でベスト4を前にして早々と敗北した、との連絡であった。力があっても勝つわけではないのが勝負である。コート上の6人だけでなく、部員全員の「心」が一つにならないと勝つことはできない。特に多感な高校生の時代は、「バレーの指導」の前に「生徒指導」が優先事項だ。自分に不足している指導力をそのとき連絡のあった監督さんが自覚していれば、立ち直れると思うが、自覚しておらず子供たちに敗北の責任を押し付けるようであれば、同じような結末が待っていることであろう。

10/21(木)、22(金) 足利市ママさんバレーチーム訪問(5)(6)




 今月は、本当によく足利市に来ている。地元のスポーツ店の依頼で11月上旬まで計10チームへの個別指導を依頼されている。21日は2チーム合同での指導となった。多くのチームから、要望としてフォーメーション理論を確認したいという申し出が多い。


 私の指導スタイルとしては、フォーメーション原則を示し、そこに自分のチームの特徴を生かしたフォーメーションを作ることを提案している。コート上9名全員が1/9ずつ責任範囲を決めるのでなく、得意の人にはその範囲を広くすることがポイントである。そして、ベンチにいる最大3名のプレーヤーを補欠という名称でなく、12名全員がレギュラーと言う考え方でプレーすることが大事と考えている。そのためには、1人1人が得意のプレーを持たなければいけない。スペシャリストが12名いるという考え方とも言える。更に、ママさんバレーは10年、20年以上楽しめる息の長いスポーツなのであるから、1人2ポジションをこなす時間的余裕もある。20日の千葉市の大会で我がチームが辛うじて3勝できたのも、3試合目の2セットからフロントプレーヤーのレフトとライトのアタッカーを入れ替えたことが功を奏した。2試合を終えて、レフトアタッカーが下腿三頭筋の筋痙攣で動きが鈍ってきたのを見てとった私は、携帯メールでライトアタッカーとポジション・チェンジを指示した。今までのレフトアタッカーと打球のタイミングと球質が違うスパイクに面食らった相手チームにミスが生じてきた。もっとも、普段の練習、練習試合からポジションチェンジを経験させておくことが前提条件となる。
 21日は、10時半に遅い夕食をとり、市内のビジネスホテルに宿をとった。
22日は、市内でベスト4常連のチームと言うことで、要望事項も具体的に「チーム・レセプション(サーブレシーブ)」と「ブロックとディグ(スパイク・レシーブ)の関係」の2つが出てきた。このチームは高校での経験者が多いと見受けた。ある程度は上手なのであるが、体力が不足している。普段のボールを使用した練習だけでなく、自体重を使った簡単な筋トレの必要性を提案した。練習を21時30分に終え、最終の東武線に飛び乗って千葉県船橋市の自宅に着いたのは日付けが変わった0時20分であった。
(画像は3チームとの集合写真。21日の2チームの練習時には各チームの男性コーチも参加した。この2名の男性コーチが熱心な方達で練習効率が随分と上がった。) 

2010年10月21日木曜日

10/20(水) 我がママさんチームの初優勝   


 ママさんチームの指導を千葉市幕張の新チームでスタートして、今月で4カ月目に入った。私にとっては、新チームの公式大会は初めてである。千葉市の小さな大会ではあったが、チームとしては、結成以来初めて一日3試合連続の勝利であったようだ。コート優勝ということであったが、初心者だけ集まっているママさん達にとっては相当嬉しい勝利であったと思う。

 男性は、ベンチに座れない、観客席からサインで指示もできないママさんバレーのルールがあり、具体的な戦術の指示ができなかったものの、携帯電話メールでベンチに指示を送り続けた。試合は1回戦がフルセット逆転のジュース27点勝ちで、ハラハラして心臓に悪い。2回戦もフルセットで辛うじて逆転勝ち。コート決勝は、普段の練習試合でも5セットしかやったことがないチームが、8セットを消化してこれも逆転僅差で勝利した。

 4時頃に閉会式を終え、そこから1時間半ほど移動して、東京都江戸川区バレー連盟家庭婦人の部「連盟杯」の組み合わせ抽選会に立ち会った。連盟杯は区登録の76チームが参加する。1部から10部まであり、各部の下位2チームと上位2チームがそれぞれ上位と下位の部に自動的に入れ替わる。抽選会の後、先週末と同じような役員のメンバーで近くの居酒屋で一杯と相成った。今夜も楽しく親父ギャグで盛り上がった。

 明日から2日間連続で足利市ママさんバレーチームの指導にまたまた行く。要請があるのは大変うれしいが、最近嬉しい悲鳴に近くなってきた。
(画像は新我がママさんチームの「うたせマリンズ」という平均年齢43歳?位のチーム。これから1年かけて全国大会出場チームに育ててみようと考えている。難しいことは百も承知であるが、それも私のコーチ修行と考えている。)

2010年10月18日月曜日

10/17(日) 江戸川区バレーボール連盟訪問




 JR新小岩駅からバスに乗って15分ほどのところに江戸川区総合体育館がある。きょうは、そこで江戸川区バレーボール連盟の主要役員さんとバレー教室開催などの打ち合わせのために伺った。打ち合わせも1時間ほどで終了し、体育館で繰り広げられている区民家庭婦人大会の決勝戦を観戦した。ママさんとしては、かなりレベルの高いゲームをやっていた。2段トスを力強く打ちこなせるサイドアタッカーのいるチームは、やはり安定している。できれば、力強さのほかに、9人制ならではの、ネットプレー、リバウンドプレー、サイドのマーカーの幅一杯を使ったストレート攻撃があるともっと楽しめる。
 準優勝したチームから声をかけられ、アドバイスをお願いされた。そこで、「ラストボールの返し方の工夫」をアドバイスさせていただいた。「ラストボールを、相手のチャンスボールにしないこと。ラストボールも攻撃である。相手が取りにくいところや、ライン際のジャッジの判断の迷うところ、リズムを崩すために天井高く上げて返したり、アタッカーの前にポトンと落として助走距離を短くさせたり、前向きで返せるならばジャンプしないで片手でボールにカーブさせてのスパイク動作での返球など相手に余裕を与えない返し方を工夫すべき」とお話したが、かえって混乱させたかもしれない。一般的には、相手コートに後ろ向きで返す場合は、相手コートの真ん中のハーフの人に拾わせるように返し、相手コートに向いて返す場合は、コートのコーナー深く返すことの2つの返し方を練習しておけば良い。ラストボールの練習を時にはやっておくこともゲームでは大事である。後ろ向きのアンダーハンドのコントロール練習も、従ってやっておく必要性があるということだ。また、アンダーハンドの腕を振って遠くにボールを飛ばす練習も、ラストボールでは必要だ。このような練習は、意外とやられていないが、大事なスキルである。
 閉会式の後、一部の役員さんと夕食に出かけた。江戸川区連盟は連盟役員と家庭婦人の部の役員は非常に仲が良い。登録チーム数ではママさんチームが76チームと小・中学・高校合わせたチーム数とほぼ同数かややママさんが上回っている。夕食での話題は個人的な近況からイタリアでの男子バレー世界選手権大会、全日本ビーチバレーまで多彩だ。それもそのはず、江戸川区の小学生バレーは何度も日本一にもなっているし、中学も安田学園が日本一になっている。その子たちが東洋高校や共栄学園、文京学園、下北沢成徳に進学、更には関東一部の大学やVリーグに進み全日本に入る子もいる。先月引退した大山加奈さんもこの江戸川区のひまわりクラブという小学生バレーの出身だ。大山さんの妹がビーチバレーでだれそれと組むとか最新の情報まで知っている。そういえば、今日のママさんバレーの決勝で優勝したチームのバックセンターには春高バレーで優勝した東洋高校のエースのお母さんが華麗なプレーを披露していた。
 役員との夕食は、そのあと店を変えて二次会となったが、誰一人として帰る気配はない。それでも、明日は月曜日ということで、8時半にはお開きとさせていただいた。元気な役員さんたちであった。
(画像は、閉会式。決勝日に残ったママさんチームが整列。この日は全てストレートのゲームで、4時半には閉会式ができた。役員の方々、本当にお疲れさまでした。)

2010年10月16日土曜日

10/16(土) ヤワラちゃん引退に見る政治とスポーツ

 本日の朝刊は円高続伸の記事と谷亮子参議院議員の柔道アスリート引退の話題で社会面もスポーツ面も埋まった。彼女が参議院選挙に出馬した時もそうであったが、ヤワラちゃんの清々しさにマッチしないどこか違和感が今回もあった。
 結論から言うと、政界に入ろうと決心したのも、トップアスリートを引退しようと決心したのにも、彼女の意思があまり感じられなかったからである。参議院選挙に出馬した時、子育てをしながらもスポーツを楽しめる社会環境作りが必要と自覚したことは、我々も大いに歓迎であった。トップアスリートが運動の先頭に立っていただけるのは心強い。しかし、彼女がいきなり国政というところで彼女の意思を貫き通すことは、オリンピックでメダルを7個取ることとはまた違う努力、能力が必要とされる。オリンピックで金メダルを取る能力は特殊能力である。日本の方向性を決める政治家の能力も特殊なものである。その意味では、宮崎県知事に当選した元芸能人の方は使命感は人並み以上あっても知識と経験不足を大学院に入学して地方自治を学習することで不足を補い、現在合格点で職務を遂行している。
 引退記者会見で、彼女の隣に座っていた民主党の大物議員とのツーショットが「政治とスポーツの関係」を象徴的に表している。彼女が選挙に出馬した時も、当選した時も、引退会見のときも「政治ありき」でスポーツが見事に利用されている。思い出せば、大相撲の貴乃花が凄絶な取り組みで優勝を遂げた時の千秋楽で、時の首相が「感動した!」と褒め称えたとき、その首相の高感度は上がり、内閣支持率は上がった。まさに、その首相がメディアを通じて大相撲という国民的スポーツイベントの高揚感を上手に利用した構図であった。今回の記者会見にも、それと似たような感覚がある。
 政治とスポーツの関係の歴史は、オリンピック発祥のアテネの古代からあった。日本でも、政治のことを「政りごと=まつりごと」と言う。まつりごとは「祀りごと」「祭りごと」にも通じる。昭和39年の東京オリンピック、2年前の北京オリンピックもその国が世界に広報宣伝活動する絶好の機会として効果を上げた。私は、それば悪いとは言わない。言いたいのは、政治にスポーツが利用され翻弄されるだけでなく、スポーツが政治を活用して健康で平和な地域作り、国作りの推進にもっともっと寄与できるということを言いたい。
 ヤワラちゃんは、トップアスリートを引退しても柔道を止めたわけではない。その意味では、日本経済新聞の見出しの「現役引退」は正しい見出し記事であるが、朝日新聞の「柔道引退」は誤った表記である。彼女が柔道を隠し技にして政治家として活躍できる道は多くある。例えば、柔道家でもあるロシアのプーチン首相とは乱取りした後に外交会談をすることで息が弾む、ではなく・・・話が弾むであろう。
フランスでは日本国内より多い柔道愛好者の歓迎の元、スポーツ省大臣とスポーツ談議が弾み、フランスに見習って日本にもスポーツ省設立の弾みになるかもしれない。南米に行けば、日本から移住された多くの日系人がやはり柔道を通じて日本に愛着を持っている。
 今回の記者会見は、柔道の「ヤワラちゃん」から政治家の「谷亮子」に向かって邁進する決意表明と見た。政界のアンフェアな反則に負けるな、谷亮子!

2010年10月15日金曜日

10/14(木) 足利市ママさんチームクリニック(4)


 昨夜の足利市ママさんチームは「富田クラブ」さん。練習会場の富田中学校は東武線足利市駅から車で20分は掛ったであろうか、道路の電灯が心なしか少ない虫の声が良く聞こえる地域にあった。アップが始まっても、秋の虫の声の方が大きい。まずは、声の出し方、集合のし方から指導が始まった。しかし、素直なママさん達が多くて、皆さん私の少し乱暴な指導にもすぐに反応して、練習の終わりごろは、動作が随分と機敏になった。

 最近の、私のママさんへの指導は、初めてのチームにでも、自分のチームのように結構相手の心に入り込んでいく。以前は、お客様という意識で「丁寧に」「やさしく」をモットーに指導していた。しかし、それでは、皮膚感覚だけの関係で、心まで沁み込んでいかない。たとえ、少ない時間のコーチングであっても、反復練習の中から「なるほど、納得した」と身体全体で理解してもらうまで、時間の許すまで繰り返し、繰り返し体に覚え込ませる。

 練習を9時30分に終えて、電車に飛び乗り、我が家のある千葉県西船橋駅に着いたのが、深夜の0時20分であった。

 「できた!」その時の晴れがましい顔を見たいがために、また来週、足利市に行く。来週は1泊2日で2チームの指導になる。

(画像は、富田クラブの皆さん。ちょっと厳しかったかもしれないけど、毎日じゃないからね。教えたスクワットのトレーニングを一日おきに継続して下肢を鍛えてくださいね。それから、アンダーでの2段トスのコントロールはネットから2m離すんですよ)

2010年10月13日水曜日

10/13(水) 投稿者のママキチさんへ回答


 読者のママキチさんというソフトバレー愛好者の方から質問がきました。視野を広くしてプレーするためにはどのような練習をしたらよろしいでしょうか?という質問です。

 初心者の方達は、ボールを良く見てプレーしなさいと、コーチに言われます。確かにそれは基本です。初級レベルではそのことが大事です。中級レベルに行くには、ボールだけでなくボールを次に送る相手(仲間)を、更にはボールを扱おうとしている相手(仲間)を見る必要があります。視点の順序としては、ボールを見る、相手(仲間)を見る、そしてまたボールを見る、ということになります。初級レベルの方は、ボールだけ見ているんですね。つまり、周りを見ていない。従って、1個のボールに複数の人間が取りに行こうとして接触したり、逆に互いに遠慮して手を出さない、いわゆる「お見合い」をやったりのミスプレーを犯してしまいます。

 私が高校生のとき、監督からよく言われました。「おい、阿部(旧姓です)相手を見てボールを返せよ!」。しかし、口で言われただけで、監督の指示通りできる生徒はほんの一握りだけでした。その後、私が指導者になって、ボール以外の物体を見るにはどうしたら良いのか、何か良い練習法はないものか考えていましたら「スポーツビジョン・トレーニング」という本と出合うことができました。この本では、周辺視野、瞬間視、動体視力という眼の能力アップを解説していました。スポーツビジョン関連の本も買い漁って結構学習しました。その成果があったのでしょう。40歳から始めたソフトバレーで実践してみたところ、相手のコートが良く見えるようになり、攻撃は強烈なスパイクを打たずとも、ネット際へのフェイントかエンドライン際へのプッシュの2つの攻撃スキルだけで面白いように決まるようになりました。相手のチームにも私と同じような視力を持つプレーヤーがいると、ゲーム中に頻繁にお互いの眼がネットを通じて合うものでたがいに苦笑したものです。元全日本男子のミドルプレーヤーで天才と言われた岩島選手(多治見工業、法政大学、富士フィルムで活躍、全日本ジュニア監督)は、そのようなとき、眼で相手にフェイントをかける、と教えてくれました。なるほど、と納得した次第です。

 さて、練習方法ですが、ママキチさんでも出来る簡単な方法を教えます。通常のパス練習で相手の人がパスした後、ママキチさんはそのボールを見ます。そのボールの高さと方向(放物線)を確認したら、相手の人に手でサインを出してもらいます。ママキチさんは、両腕をオーバーハンドできる準備の構えを維持して、ボールの落下点に移動しながら、そのサインをちらっと見ます。この時の見方がポイントです。頭を動かして見ないで、目玉だけ動かして見ることです。頭を動かして相手を見ると画像全体が動いてしまいピントが合いません。目玉だけ上下左右に素早く動かすことです。そして、相手の手のサインがパーであれば、「パー!」と大きな声を出して反応してオーバーハンドパスを、サインがグーであれば、「アンダーハンドパス」を行います。チョキだったら?それはママキチさんが考えてください。真似からオリジナルを作ることが脳の活性化にもつながります。イミテーションからクリエーションですね。例えば、チョキだったら、低く速いオーバーでの平行パスでもいいですね。更には、パーでひらひらさせたら、オーバーで一度頭の上方にあげて(直上パス)から180度ターンしてバックパスで相手に返球することもパスのスキルアップになって大変効果があります。考えていくとどんどん出てきますね。片手ではどうか?ヘディングではどうか?ジャンプパスではどうか?腕立て伏せをしてからパスするのは体力トレーニングになるがどうか?この練習は2人でやるのですが、最初のレベルでは連続させないで、1本ずつやりましょう。投げる人は常に投げるだけ、ボールを受ける人はパスするだけの一方通行の練習が効率が上がります。更には3人で一列になってもやれます。三角形でやるとより実践的になってきます。

 また、アップの対人パス練習中に、誰か特定の人(物)を、ボールが空中にある間にちらっと見るのも効果があります。例えば、体育館玄関とか、監督さんとか、仲間とかをちらっと見るのです。体育館以外では、電車がホームに出入りする時に、車両の中の人を見たり、車体の広告を読んだりするのも手軽で良いですね。但し、目玉だけキョロキョロさせるので、人が見ているところでやると「?な人」と間違われる可能性もありますのでご注意してください。新聞を読むときに、1秒~2秒だけ紙面をざっと眺めた後に閉じて、どんな記事が載っていたかを言い当てることも瞬間視が鍛えられて宜しいですね。

 左右・上下に目玉が動くようになったら、次は前後です。深視力といいます。手前と深いところを交互に見るトレーニングです。

 ボールの中には何が詰まっていますか?空気ですね。意思は詰まっていません。意思は人間が、プレーヤーが持っています。ですから、ボールを視認したら、次はプレーヤーを見るのです。そしてまたボールを見てご自分の最終の意思決定をするのです。これが、サッカーでもバスケットでもハンドボールでもチームでのボール・ゲームに必須の能力である「状況判断力」といわれる能力です。

 さて、昨日は、UAE(アラブ首長国連邦)でプロコーチ活動を始めた足立さんと半年ぶりに御茶ノ水駅の純喫茶で再会した。最近のアラブ、ヨーロッパ事情を聞かせていただいた。UAEは1971年に7つの部族が一緒になった国なので王族が大変多い。そしてオイル・マネーの国でもあり、そのパワーでスポーツの世界にも大きな影響を与えている。世界のバレー界はどこに向かっていこうとしているのか?そして日本はFIVB(国際バレーボール連盟)とどのような関係を今後構築するのか?FIVBで日本人で唯一現役インストラクターである足立さんとは、来週また話を続ける予定だ。来月にはUAEからナショナルチームを支援している王族の一人が日本を訪問するとのことだ。私の錆びついたアラビア語を少し磨いておかないといけないかな?
(画像は、久し振りに送られてきた読者のKさんからのコスモスです。もう10月に入ったんですね)

2010年10月11日月曜日

10/11(祝) 世界の大砲、白井貴子さんと一緒にソフトバレー


 モントリオール金メダリスト、その前後の世界選手権、ワールドカップでも金メダリストのバレーの世界で初めて三冠を達成した全日本女子のエースアタッカー、大砲といえば、そうです。あの白井貴子さんと一緒に栃木県足利市にてソフトバレーボールの講習会をやってきました。いやあ・・・ビッグ(白井さんの愛称)さんと一緒に講習会をやるのは、白井さんが現役を退いた翌年以来ですから、かれこれ30年振りのコンビ再結成ということになる。よく喋るし、よく食べる。身長も伸びたようで、現役の183cmより高く見える。

 「金メダル持ってきて頂ける?」とお願いしたら、二つ返事で「OK!」。受講者の市民の方たちは大喜びで、金メダルを間近で見て、手に取り感激ひとしお。ある老夫婦の方達は「ありがとうございます。これで冥土の良い土産ができました」と御礼の言葉を丁寧に述べられたことには、ビッグさんも私も顔を合わせて驚いた。「この金メダルも、まだまだ人のお役に立てるんだね」とビッグさんもまんざらではない様子であった。

ビッグさんには、このあと1月に伊豆諸島の大島にて講習会とソフトバレー交流大会にプレーヤーでも出場して頂く。元オリンピックメダリストたちがソフトバレーの世界に出てくるのは大歓迎。世界の大砲がソフトバレーをやると、どんなパフォーマンスが出てくるのか、今から楽しみである。
 明日は、現在アラブ首長国連邦にて男子シニアナショナルチームを指導し始め、一時帰国中の足立さんとお会いする。最近の欧州バレー界事情をたっぷりと聞ける。そして、深夜は男子世界バレー選手権大会の決勝戦が放映される。決勝に残ったのはブラジルか、イタリアか、はたまたセルビアかキューバか・・・。
(画像は、ビッグさんとのツーショット。本当に自分の心に正直な人だ。この人なくて、あの個性派ぞろいの全日本女子はまとまらなかったであろう。この人をもっと世間に出したい、と私のプロデュース心が少し動いた。)


2010年10月10日日曜日

10/10(日) 今年のノーベル平和賞

 今年のノーベル平和賞は、中国人人権活動家の劉曉波(リウ・シアオポー)氏への授賞が決まった。これにより、中国は世界第2位の経済大国として、また軍事大国としての地位に見合った責任ある振る舞いを世界から求められた格好だ。中国政府は、今回の授賞に対して、ノーベル賞委員会が設置されているノルウエーに対して圧力を加えるような警告をしている。まったく、大人げない態度だ。中国の圧力に対してノルウエー首相も歴任している委員長のヤーグラン氏は、中国の圧力には全く動じていない。私は、そこに人間の強さを感じた。先ごろ亡くなった、野球評論家の大沢親分であれば、中国に「喝!」、ヤーグラン氏に「あっぱれ!」と評価したに違いない。
 アメリカ合衆国のオバマ大統領は、今回の平和賞を好意的に評価した。さて、我が国のリーダーは、いかなる反応を示すのであろうか?平和を唱えるのは人間の心、戦争を始めるのも人間の心。人間力が試されている。

2010年10月9日土曜日

10/8(金) 我がママさんチーム練習試合

 昨夜、私がコーチに就任して2回目の練習試合を行った。相手は同じようなレベルのチームであったが、我がチームのメンバーを見ていて感じたことがあった。ボールと自分の周囲の1mほどしか周辺視野がないのである。従って、ブロックのときもトスボールしか見ていないから、相手のアタッカーの助走コースやジャンプの位置、タイミング、打球のコースは見れない。これが普通のママさんなんだなと、改めて初心者指導を徹底しなければいけないことを痛感した。レシーブにしても、2段トスにしてもプレーヤー同士が接触したりで、周囲が見えていない。相手のチームが良いのではなく、自分達のコート内で自分達が原因でミスを繰り返している。
 従って、来週からは、視野を広げる練習とミニゲームを沢山行うことをメンバーに告げた。ポジションにも手をつけなければいけない。ここのポジションに必要なスキルは何なのか明確に認識していただかないといけない。「うちのチームは弱くて困るんです」そんなことを言う指導者に、私は「教え甲斐があっていいですね」と答えているが、今度はその言葉を自分自身に言う番になった。振り返ってみれば、コーチング人生5年に1チームはこのように新チーム指導スタートの生みの苦しみがあった。今回も初心者指導のおさらいのつもりで着実に指導していこう。長く指導人生を送っていると、「教えたつもり」が多くなってくる。今年のように、多くのチームに指導をしていると他のチームに言ったことが自分のチームに言ったと勘違いしている場合もある。来週からの指導においては、指導計画書を作成して段階的に指導していきたい。但し、計画の変更は柔軟性を持っていきたい。
 来年の今頃は、我がチームは格段の進歩を遂げているのは目に見えているが、指導を始めて4カ月目に入る今頃はミスプレーのオンパレードにストレスが溜まってしまう。指導者も「根気」がいる。
 明日は、世界三冠達成の女子バレー金メダリストの白井貴子さんと一緒に足利市にソフトバレーの講習会で1泊で行ってくる。夜には、楽しいバレー談議ができる。

2010年10月5日火曜日

9/30ー10/4 千葉国体 少年男子バレーボール

 5日間、千葉国体に業務で行ってきた。売店のおじさんの業務で、選手が体育館に着く前から選手達が帰るまで体育館の横の売店で一日を過ごす。朝早く体育館に着いての楽しみがある。各チームのアップを見ることだ。各チーム個性があって面白い。3-4位決定戦の長崎県(大村工業高校)はコーディネーションと筋トレを合わせたトレーニング、長野県(創造学園大高校)は、イメージトレーニングで連続技術をやっていた。
 決勝は、福岡県(大濠)が神奈川県(弥栄中心の選抜)を3-0のストレートで退けて優勝。優勝候補の東京(東洋)は、2回戦で長崎県に僅差のストレート負け。東洋監督の北畠先生がベンチに座っていない分、得点が少ないように見受けた。インターハイ優勝の山口県(宇部商業)も3回戦負けで5-7位決定戦にまわり、地元の千葉を退けた。来年は、今大会でも活躍した2年生が主力の来年度国体開催地である山口国体を控えた宇部商業と長野県の創造学園大の2チーム、そして東京の東亜が軸になって優勝を争うものと予想される。
 女子は、宮城県(古川学園)が大分県(東九州龍谷)を破り優勝、3位は長崎県(九州文化)、4位は京都府(京都橘)と常連が続いた。京都橘の監督が体育館で倒れドクターヘリで搬送されたと聞いたが、その後の安否が気にかかる。
 千葉国体を最後に、9人制バレーが国体の種目から消える。何んとも寂しくやりきれない。日本のバレーの礎である9人制が国体の種目から無くなるということは、9人制の今後の衰退が加速しかねない。特に企業チームが衰退していくことは目に見える。なんともやりきれない。
 国体の記事の中で現在イタリアで開催している男子世界選手権大会の記事が小さく出ていた。全日本男子は、2次リーグでフランス、アルゼンチンに敗退しベスト16に入れなかった。全日本男子は5日に帰国します。前全日本男子バレーのセッターであった朝長先生が売店に来て、そんな事を聞いた。男子の世界も他国は進化している。日本も進化しているが、世界はそれ以上だ。技術・戦術論だけでは勝てない世界になってきた。世界を見据えた中期的な強化策が更に必要な時期である。