2012年11月30日金曜日

Sat.Des.1,2012 今日から師走だ!

  12月だ。師走(しわす)とも言う。走るのは、教師だけではない。バレーボール講師の私も「師」のはしくれ。きょうは、二カ所ほど走った。朝は、東京都中央区立銀座中学校に出かけ、「第9回島嶼ソフトバレー交流大会」に講師チームで参戦した。

(暖房が効いていて良かった・・・)
9回の交流大会のうち、私は6回参加している。伊豆7島から12チームが参加した。

(年々レベルも向上してきた。特に三宅島は急速に力をつけてきた)
メンバーは、元全日本女子監督の岩本先生と奥様、オリンピック4回出場の高橋有紀子さん、元全日本選手でビーチ現役選手の田中姿子さん、そして私の5名。私はレフトでもっぱらスパイカーとブロッカーの役割であったが、女性2名がどんなボールもレシーブしてくれるし、どんなレシーブでも打ち易いトスにしてくれるので、スパイカーとしては、相手ブロッカーやレシーバーを観察して打つ余裕があり気持ちよくプレーできた。結果は、優勝。
(今回がソフトバレー経験2回目の田中姿子さん。ビーチバレーのプロ選手は皆、運動能力が高い!)

 試合後、新橋まで移動して居酒屋を貸切、表彰式と懇親会を開催。楽しかった。
 
その後、船橋市に戻り幼稚園ママさんバレーの忘年会に出席。年に3回ほどのこのような夜の集まりを行っているようだ。幼い子供を家に置いて来るのは、皆さん大変なのだが、実家からお母さんを呼んだり、ご主人に預けてきたり、若いママさんたちだって時には宴会に行ってストレス解消したい。そんな彼女達には私から年末ジャンボ宝くじのお土産を渡した。当たる確率の高い新橋で買ってきた。お土産をあげる前に約束を取り付けた。「これからもっと美しくなること、これからもっとバレーが上手になること、そして3億円当選したら私に1割返金すること。これに賛同できる人に差し上げるが、いかが?」。これには、皆文句なく賛成!
(ママさんたちから思いがけずプレゼントを頂いた。名前入りの焼酎と暖かそうなマフラー)

 今年も、あと1ヶ月。日々を大事にして過ごしたい。今週末は金曜日から日曜日まで青森市にて開催の日本体育協会公認指導者認定講習会に講師で出かける。青森は寒そうだが、お酒や料理が美味しいので寒さも辛抱できる。

2012年11月29日木曜日

Mon.Nov.26,2012 三宅島でソフトバレー交流会

  先週の金曜日夜に竹芝桟橋から大型船に乗って伊豆諸島の三宅島に向かった。

(今から乗り込む「さるびあ丸」は5,000t、全長120m、乗客1900名の貨客船。夏には東京湾内納涼クルーズにも一働きしている)
条件付きではあったが、10時20分に出港した。条件付とは、強風などで波が高く、島の港に船が接岸できない場合は、次の島で下船する場合もあるということ。幸い、私はまだそのような経験はない。

(出港して直ぐに東京ベイブリッジの下をくぐっていく)

部屋は、一等船室で、10人分の簡易布団のセットが置いてある。この日、この部屋には私以外は誰もいない。広い部屋の中で途中のコンビニで買ってきたワンカップの日本酒をちびりちびり飲みながら、部屋のTVを観て、早めに眠りに着いた。

 翌日、4時半には起床し、5時には下船した。外はまだ暗く、低気圧の影響で小雨が降っている。教育委員会から浅沼さんが出迎えに来ていた。三宅島には、4回目の訪問であるが、昨年までの担当者から係長の浅沼さんに代わった。今年の2月に村長選挙があって村長が代わったこともある程度影響しているのか、それとも島の行政は3~4年で各部をぐるぐる異動するので定期異動なのかはわからない。軽い船酔いと睡眠不足で頭が重い。出迎えの浅沼さんも朝早くからの出迎えのせいか口が重い。

 民宿に着いて、約2時間ほど仮眠してから朝食を採り、11時に会場である三宅島中学校に行き、準備の状況を見に行った。驚いた。担当が替わるとまた一からの指導となる例が多いのであるが、ここは更に進歩している。引継ぎがきちんとできている。過去3年間、1日目に講習会を行い、2日目に村民対象に交流大会を開催してきた経験をベースに新しい担当者が更にレベルを上げているのが準備品を見て感じた。

 午後から、明日出場される村民の人達が子連れで集まった。昨年までは、私のほかに講師として元オリンピック選手もいたので比較的楽だったが、今回は元選手たちも都合が悪く、私だけで奮闘した。講師活動は二人が良い。楽と言うより、2人だと余裕があり、気の利いたアイデアを出せるからだ。

 二日目の交流大会も無事済み、夕食には、大会役員で運営して頂いた体育推進委員会の会長、副会長そして行政担当の浅沼さんが加わって4人で三宅島ならではの海の幸を堪能させて頂いた。

 きょう月曜日の天候は思わしくない。昨日だけ晴天であったのは大会運営には都合が良かったが、今日の夕方に急ぎの用事があって帰る私には本日の小雨でやや風が強い天候に不安が膨らんだ。本日の帰路のコースは、三宅島から大島にヘリコプターで移動。すぐさま、8人載りのプロペラ機乗り換えて調布空港にいき、そこから中央線、総武線を乗り継いで4時ごろには来年度からの就職のために応募書類を指定の場所に持参する予定であった。

 結果は、無事間に合った・・・。ヘリコプターも飛び立つ直前になって、欠航になるかもしれないと言われハラハラしたが、低い雲の下を有視界飛行で20分で大島に着いた。ところが大島からの飛行機は完全に欠航と決また。直ぐにタクシーで港に移動して、熱海行き快速ジェット船に飛び乗った。東京行きは欠航。熱海行きも条件付の出港であった。途中で波が高ければ引き返すという。おいおい・・・頼むよ・・・。という祈りが海神様に通じたのか、熱海港に20分で到着。バスに乗り換えJR熱海駅から新幹線こだまで東京駅へ、そして応募書類を無事に届けることができた。本日が締め切りであった。やれやれ・・・。


 

 

2012年11月27日火曜日

Sun.Nov.25,2012 2013 春高バレー 全出場校 決定!


  本日で、全国全ての予選会が終了し、男女計106校が1月5日からの春高バレー出場を決めた。初出場が2チーム。埼玉県男子の正智深谷と奈良県女子の天理。初出場というのは、私もアドバイザーで数チーム経験ありますが、心踊り、体が震える経験でした。初戦突破が目標なんて言わずに、2回戦突破を目標に設定することで、1回戦突破できる可能性が高まるんだけどね。心理学なんです。
  今回の春高バレーは混戦模様だが、3年前の男子の東洋高校のような初優勝というのも出てきて欲しいな。初優勝をやるには、スーパースターの存在も必要だが、今までの高校バレーになかった戦術を駆使しての優勝と言うのも見てみたい。中学校から優秀な選手を獲得している高校がそのまま優勝するような今までのパターンではつまらない。何か新風が欲しいな。
  
<全国大会出場校>男子/女子

【北海道1】とわの森三愛(2年ぶり7回目)/札幌大谷(8年連続11回目)
【北海道2】東海大第四(3年連続40回目)/旭川実業(8年ぶり24回目)

【青森県】五所川原工(7年ぶり5回目)/弘前学院聖愛(8年連続10回目)
【岩手県】一関修紅(27年ぶり7回目)/盛岡女(3年連続19回目)
【秋田県】雄物川(18年連続18回目)/由利(2年連続24回目)
【山形県】山形中央(3年連続14回目)/米沢中央(3年ぶり5回目)
【宮城県】東北(9年連続28回目)/古川学園(8年連続33回目)
【福島県】相馬(6年連続18回目)/郡山女大附(5年連続16回目)

【茨城県】霞ケ浦(5年連続9回目)/土浦日大(5年連続12回目)
【栃木県】足利工大附(2年連続34回目)/國學院栃木(26年連続27回目)
【群馬県】県立伊勢崎(3年連続9回目)/高崎健康福祉大高崎(27年ぶり2回目)
【埼玉県】埼玉栄(3年ぶり4回目)/細田学園(10年連続15回目)
【開催地】正智深谷(初出場)/市立川越(3年ぶり31回目)
【東京都1】東亜学園(8年連続29回目)/下北沢成徳(5年連続13回目)
【東京都2】駿台学園(3年連続5回目)/文京学院大女高(4年連続6回目)
【東京都3】東洋(6年連続23回目)/共栄学園(2年ぶり20回目)
【千葉県】習志野(6年連続29回目)/柏井(2年ぶり12回目)
【神奈川県1】川崎橘(7年連続13回目)/大和南(8年連続9回目)
【神奈川県2】弥栄(2年ぶり3回目)/川崎橘(19年連続20回目)
【山梨県】日本航空(11年連続11回目)/増穂商(3年連続26回目)

【長野県】長野日大(4年ぶり4回目)/都市大塩尻(2年連続2回目)
【新潟県】上越総合技術(7年ぶり4回目)/長岡商(28年ぶり3回目)
【富山県】高岡第一(3年連続15回目)/高岡商(3年ぶり9回目)
【石川県】石川県工(8年連続22回目)/金沢商(11年連続38回目)
【福井県】福井工大福井(5年連続37回目)/北陸(2年ぶり6回目)

【静岡県】聖隷クリストファー(6年連続10回目)/島田商(2年連続5回目)
【愛知県】星城(3年連続11回目)/人環大岡崎学園(2年ぶり39回目)
【岐阜県】県岐阜商(2年連続9回目)/県岐阜商(3年連続4回目)
【三重県】松阪工(2年連続31回目)/津商(13年連続13回目)

【滋賀県】近江(10年連続28回目)/近江兄弟社(2年連続9回目)
【和歌山県】開智(18年連続18回目)/開智(10年ぶり4回目)
【奈良県】添上(2年連続30回目)/天理(初出場)
【京都府】東山(2年ぶり10回目)/京都橘(14年連続16回目)
【大阪府1】大塚(5年連続8回目)/金蘭会(2年連続2回目)
【大阪府2】清風(2年連続21回目)/建国(2年ぶり3回目)
【兵庫県】市立尼崎(14年連続25回目)/氷上(2年連続32回目)

【岡山県】岡山東商(2年ぶり28回目)/就実(2年連続37回目)
【広島県】崇徳(5年連続40回目)/市立沼田(3年連続13回目)
【鳥取県】鳥取商(11年ぶり8回目)/八頭(4年ぶり21回目)
【島根県】安来(13年連続20回目)/安来(4年連続31回目)
【山口県】高川学園(6年ぶり2回目)/誠英(23年連続33回目)

【香川県】高松工芸(9年連続16回目)/高松商(4年連続6回目)
【徳島県】阿南工(9年連続9回目)/城南(5年ぶり5回目)
【愛媛県】新田(17年ぶり12回目)/聖カタリナ女(10年連続36回目)
【高知県】高知(3年ぶり15回目)/高知商(5年ぶり17回目)

【福岡県】東福岡(2年連続4回目)/北九州(2年連続7回目)
【佐賀県】佐賀商(2年ぶり26回目)/佐賀北(2年連続14回目)
【長崎県】大村工(3年連続10回目)/九州文化学園(15年連続26回目)
【熊本県】鎮西(4年連続25回目)/熊本信愛女(27年連続28回目)
【大分県】大分工(4年ぶり27回目)/東九州龍谷(13年連続28回目)
【宮崎県】宮崎工(2年連続11回目)/延岡学園(4年ぶり14回目)
【鹿児島県】鹿児島商(6年連続25回目)/鹿児島女(5年連続31回目)
【沖縄県】西原(3年連続18回目)/西原(4年連続4回目)


<試合日程>
【さいたまスーパーアリーナ】
01月05日(土)  第1日  開会式・男女1回戦
01月06日(日)  第2日  男女2回戦
01月07日(月)  第3日  男女3回戦・準々決勝戦
【所沢市民体育館】
01月12日(土)  第4日  男女準決勝戦
01月13日(日)  第5日  男女決勝戦・閉会式

Sat.Nov.24 全日本男子バレー監督公募

   公募は、先月23日に締め切られている。ロンドン五輪出場を逃した植田辰哉氏の辞任に伴うバレーボール男子日本代表監督公募には、外国人を含む複数の応募があった。書類選考などを重ね、年内には新監督が選出される。

  私見だが、今回は、外国人監督が適任と考えている。男子バレーは、今、大きく変わらないとマイナースポーツに転落してしまう危機にある。リオのオリンピック出場も大変難しい。アジア各国のライバルは、今やオーストラリア、韓国、中国だけではない。イラン、インドも日本と肩を並べるだけの実力を持っている。そして、その差は、今後ますます開いていく感がする。日本は、そのあたりのアジアの情勢にもっと敏感になるべきではなかろうか。
 外国人監督を持ってくることで、一度、海外からの視点で日本男子バレーの「棚卸し」をやってみたらいかがであろうか。日本の強み、弱み、アジア各国の脅威などを洗い出して小学生年代からの年代別取り組みをこの際真剣に考え直してみたらいかがであろうか?
 外国人監督であれば、国内のチームの利害関係もない、純粋なオールJapanを作れるのではなかろうか。8年前に植田監督を含めて、監督公募があった時も外国人指導者が応募していた。その中には、国際的に高い実績を上げている人もいた。しかし、外国人は不要という意見も選考の過程ではあったように聞いている。
 指導者選考で、始めから外国人とか、女性だとか、年齢が若すぎるとか、年寄りだとかで色をかけた眼鏡で見るのはいかがなものであろう。指導者には国籍は関係ない。指導者としての能力と実績、意欲で評価して頂きたいものである。海外から応募してくる指導者のほとんどは、実は、尊敬している日本の男子バレーに復活して欲しいからという理由が一番多い。日本の強み・弱みを客観的に知っている外国人監督を選んでみることも今回は必要なことと思う。
 ミュンヘンオリンピックでは、松平康隆監督の下、8年間かけて金メダルを取ったが、スタートのときにやったのは、とにかく190cm台の大きな選手を集めることであった。それ自体が当時は非常識なことであった。当時の日本人男子の平均身長は若い人でも169cm位だったのだから。更には190cm台の大男に170cm台の運動能力を身に付けさせるというこれも非常識なことを斎藤勝先生が課せられた。そして、斎藤先生はそれをやってのけた。サーカスバレーと言われるほど世界のトレーニング界から絶賛を浴びた。世界のバレーボールは、その時から日本バレーの大胆な発想、メディアとの連携、基本を重視する考え方を尊敬するようになっていった。その当時と比べたら、今や外国人監督は非常識どころか当たり前の世界になっている。サッカー然り、ハンドボール然り、ラグビー然り・・・。
 変革を、今やらなくて、いつやるのであろうか?今やらなくては、世界と8年遅れてしまう・・・。



2012年11月23日金曜日

Fri.Nov.22,2012 近況と予定 

 秋も深まり、冬の足音が聞こえてくる頃となった。先週から、外出のときはコートを着ていくようにしている。食事も鍋物が美味しくなってくる。今年は世界的にも大国のリーダーを変える選挙が重なった。フランス、ロシア、中国、そしてUSA。韓国はこれから始まる。我が国の国政選挙で最も大事な選挙である衆議院選挙も12月16日投票と決まった。

  正直、支持する党がない。政策に具体性ないせいからかもしれない。第3極というミニ政党も覚えきれないほど出てきた。政策より政局の方が大事、国民より政治闘争が大事と言うのが今の日本と言う国なのか?こんなときに指針としたい評論があればよいのだが、どこも似たり寄ったり、最後は国民一人一人の真贋にかかっていると言うことか。

 こんなときに、敬愛する司馬遼太郎先生は、何とおっしゃるのか?投票の日まで時間が有るので、先生の著作を読み返してみたい。
 

 さて、今後の予定であるが、明日の夜から3泊2日の予定で伊豆諸島の1つ三宅島に行く。3年連続のソフトバレー講習会と村民ソフトバレー交流大会の運営を教育委員会主催で行う。先週は山火事があり30ヘクタールというから・・・後楽園ドーム6つほどの面積が一夜で消失したことになる。人家の近くまで火の勢いが来たというから危なかった。2000年に噴火した雄山からはまだ有毒ガスが噴出されており、地域的には立ち入り禁止になっている。今夜遅くの船で三宅島に渡る。

 12月7日からは、8日、9日と青森市にて日本体育協会公認バレーボール指導員養成講習会に出かける。青森県バレーボール協会会長の春藤先生と3ヶ月振りに再会できるのが楽しみだ。今後の日本バレー界の方向性を高校バレー界の重鎮である先生はどう考えておられるのか、じっくりとお話を聞いてきたい。

2012年11月21日水曜日

Wed.Nov.20,2012 コーチングのコツ(tips)-3 ラストボールを返す

  昨日のママさんバレー全体のゲームを観戦していて感じたこと。ハーフやバックのポジションからのラストボールが相手コートに入らない(届かない、コート外アウト)ケースが1セット平均4本ほどある。4/21=19%  1セット21点制であるから、ラストボールミスでの失点が約2割あることになる。

  昨日参加のチームは初級から中級入り口のチームが大半。ラリーで、スパイカーがジャンプして相手コートに強打して得点しているケースは30%ほど。残りの70%のうち19%がラストボールのコントロールミスでの失点である。

(まずは両手でボールキャッチしたら直ぐに両手で後方にいるパートナーに投げ返す。次は実際にアンダーハンドで行う。右回り、左回りで行う。)

  何故か? ラストボールの体勢は、ほとんどが、横向き、後ろ向きでのアンダーハンドパスである。しかるに、基本の練習時間に、横向き、後ろ向きでのアンダーハンドパスの練習をやっていない。これがヒント。練習方法は、いくらでも考えられる。例えば、アップのボール投げの時に、後ろ向きにパートナーに両手でボールを投げることは効果がある。日常生活にはないこのような動作をやることがアンダーハンドでのラストボールのコントロールにつながっていく。また、フロントやハーフは、バックトスの感覚にも慣れてくる。
(うつ伏せの状態から行う)

  これは、コーディネーショントレーニングの一つである。更には、片足で実施したり、床に座った状態から速やかに立ち上がってボールを投げると動きが滑らかになっていく。次の段階としては、パートナーから投げられたボールを後ろ向きてキャッチして、すかさず後ろ向きのままパートナーに投げ返すことを行う。この後に、実際アンダーハンドパスで行うと簡単に出来るようになる。脳の認知作業が上手くスムーズに行われている。アップや基本練習時に、コーディネーショントレーニングを取り入れるということがポイントである。お試しあれ。
(ネット際のコーチやパートナーが床にボールを拳骨で打ちつけて跳ね返ったボールをレシーバーに追いかけさせる。ボールには実際のレシーブボールのように回転がかかっているので実戦的)

   来年は、『コーディネーショントレーニングで短期に上達するバレーボール』という本を出す企画を持っている。3年かけてある技術が出来るようになっても、そのときには、中学や高校を卒業してしまうから、在学中に上手くなりたいよね。そんなコツを、時々このブログて紹介していきます。そして、短期に上達するためのもう一つのコツは、やはりコツコツと継続すること。ボールがなくとも、自宅でもできる練習方法は沢山ある。継続とは「コツコツ」毎日、少しで良いからやり続けることだ。

(実際に相手コートに返す。ネットに向いて返す場合は、相手コートのコーナーを狙う。後ろ向きで返すときは、相手コートの中央に返す。放物線の頂点をどこに持っていくかイメージすれば難しくない)

2012年11月20日火曜日

Tues.Nov.20 幼稚園ママさんチーム 市民大会に出場

  地元、船橋市の市民大会に7月から週1コーチしている幼稚園ママさんチームが出場した。試合は2ゲームで第1試合と第7試合。第1試合に間に合うように会場に愛車の折りたたみのできるミッキー号で出かけた。40分かけてやっと着いた。開会式に間に合ったと思ったら、どうも館内は静か、ロビーに人影もない。会場を間違ってしまった!そして、そこから更に40分かけて上り坂、下り坂をペダルを必死に踏み続けた。

 途中、コスモス畑があった。ママさんチーム名と同じなので、これを撮っておけば良いことが起きるかもと縁起を担いでスマホのカメラで撮った。
(一面のコスモス畑。船橋市も郊外が広い)

 会場の船橋アリーナ(Vリーグの会場にもなる総合体育館)に着いた。幸運にも、試合の途中であった。カメラでコスモス畑を撮って効果があったのか、コスモスチームは相手のミスにも助けられて一方的にゲームを進めていた。結局2-0で勝利。正セッターが昨夜、急遽体調を崩して他のメンバーが代理を務めた。ママさんバレーは1人2ポジションできるように普段から練習しているので、大きく崩れることなくスムーズにプレーしていた。

 第2試合は、1セットをリズムよく難なく取った。2セット目も前半リードしていたが、14-14で追いつかれると、気持ちが守りに入り、サーブレシーブが乱れて攻撃につながらなくなった。本日の大会は、どのチームも2ゲームだけの大会。船橋市のママさんは2部制で1部はレベルが高く20チームほど、2部はなんと60数チームいる。コート4面使って大会を運営しているが、この2部は各チーム2ゲーム2セットマッチの運営で行っている。コスモスチームの2セット目は惜しいところで敗退した。しかし、今までセットも取ったこともない、練習試合も格違いでやっていただけないチームと互角に勝負できた。試合後のミーティングで、私からの本日の評価は、5段階で4.5をあげた。

 本日のゲームでは、勝敗よりも彼女達は大きな価値を得た。それは、チームが一体になれることを経験したこと。まだまだ若く、ポテンシャル(潜在能力)のあるママたちなので、これからも楽しみである。それにしても、愛車ミッキー号も往復15kmを良く走ってくれた。夜のソフトバレーの練習は、自重して休んだ。ここで、若ぶって無理すると怪我するからね・・・。

2012年11月19日月曜日

Sun.Nov.18,2012 イラン帰りの足立さんを囲んで

   イランでの講習会講師を終えて帰国して間もない足立さん(現在、日本人で唯一FIVB国際バレーボール連盟公認インストラクター)を招待しての帰国報告会をさいたま市で行った。参加者は、昨年は新潟県、今年は大阪府で10数年ぶりに日本国内で開催されたFIVB講習会レベルⅠとⅡで認定されたフレッシュな若手指導者が中心であった。

  会場が大宮駅の近くの居酒屋と言うこともあり、埼玉県人がほとんどで高校の教員、大学の講師、大学院生、現役の大学生、Vリーグ指導者、そして平均年齢を1人で押し上げている私という13名であった。

 イラン男子チームは昨年のアジア大会で優勝し、全日本は歯が立たなかった。監督は、ご存知元イタリア男子チームの監督であったMr.フリオ・ベラスコ。彼はアルゼンチン人であるが、イタリアのクラブチームの指導者として国内で優勝させ、その実績で1989-1996年のまさに90年代の男子バレー界を席巻した名将である。ワールドカップ、世界選手権、ワールドリーグ、グランドチャンピオン、ヨーロッパ選手権とことごとく優勝をさらった。しかし、オリンピックだけは、アトランタの銀メダルが最高位であった。このときの金メダルチームは2m軍団のオランダであった。

 足立さんから、そのMr.ベラスコさんとも会ってきた話とか、彼の年俸とか、今回の講習会テーマの「ブロック」の話とか、イラン流の2段トスの上げ方とスパイクの打ち方とか、ロンドンオリンピック最終予選での全日本対策とか、話題は尽きなかった。

 私も久しぶりに痛飲した。やはり、バレー談話は楽しい。

2012年11月17日土曜日

Sat.Nov.17,2012 春高バレー 東京都決定戦 速報

  午前中に、千駄ヶ谷にある日本バレーボール協会事務局に行き、審判規則委員会の規則部,
本年度3回目のルール編集会議に出席。来年度のルールブックの内容を検討し、ビーチバレー、ソフトバレー、6人制、9人制のルールブックを編集している。特に、6人制のルールブックは2年ぶりにルールの一部が改正され、体裁も変わるので、一字一句間違いがないか、国際バレーボール連盟から頂いた英文が正確にわかり易い日本文になっているかどうか相当気を使いながら原稿を検討した。それにしてもFIVB国際バレーボール連盟の英文は判りにくい・・・。

 午後3時過ぎになって、墨田区総合体育館で行われている春高バレー東京都代表決定戦に移動した。館内では、既に第2代表までが決まっていて、丁度男子の第3代表決定戦3セット目終盤をやっていた。第3代表を懸けて対戦していたのは、東洋高校と早稲田実業。点数を見ると23-23のジュース。そこから、一進一退の攻防戦が繰り広げられ、最後は早実のレフトからのスパイクがサイドラインを大きく割ってアウト、ゲームセット。

男子:

準決勝: 駿台学園 - 早稲田実業 2-0 (25-17, 25-14)
準決勝: 東亜学園 - 東洋 2-0 (25-21, 25-19)
3位決定戦: 東洋 - 早稲田実業 2-1 (22-25, 25-26, 28-26)
決勝: 東亜学園 - 駿台学園 2-0 (25-19, 25-23)

※東亜学園は8年連続29回目
※駿台学園は3年連続5回目
※東洋は6年連続23回目



 
 この後、女子の1位2位決定戦が先に始まり、やや遅れて隣のコートで第3位代表決定戦が始まった。2ゲームともフルセットになり、先に第1代表が下北沢成徳、第2代表に文京学院大高校が決まった。観客は隣のコートで熱戦を繰り広げている共栄学園と八王子実践高校のフルセット3セット目の試合の展開に釘付けになった。リードして逃げる共栄に実践がサーブで揺さぶりをかける。共栄は、200cmの長身中国人留学生のBクイックやダブルクイックなどで先手をかけていく。実践も堅実なサーブレシーブやブロックアウトでしのぎながら、追いつくところまで行くが連続点数がなく、結局27-25で共栄の勝利。

女子:

準決勝: 下北沢成徳 - 八王子実践 2-0 (25-19, 25-23)
準決勝: 文京学院大女 - 共栄学園 2-1 (25-17, 14-25, 27-25)
3位決定戦: 共栄学園 - 八王子実践 2-1 (26-24, 14-25, 27-25)
決勝: 下北沢成徳 - 文京学院大女 2-1 (22-25, 25-11, 25-20)

※下北沢成徳は5年連続13回目
※文京学院大女は4年連続6回目
※共栄学園は2年ぶり20回目

 東京都のレベルとしては、少し物足りなかった。両チームとも全体的にプレーが粗かった。スパイクレシーブも拾えるものが沢山あった。スパイカーがボールをヒットする直前、レシーバーがまだ移動中という場面が結構あった。スパイクレシーブは、相手スパイカーが打つ直前には移動を終えていなくてはいけない。レシーバーが動いて、スパイクボールも動いていると言うことは、安定性のないレシーブということになる。特に、フロントプレーヤーで、ブロックに跳ばないサイドブロッカー(off-blocker)は、相手のセッターからトスが自分の逆サードにトスが上がったら、レシーブのために、速やかにネットから離れてアタックライン上まで移動する必要がある。そして、打たれる寸前に、ブロックの空いているコースを読み、コート上の自分の構えの位置を微調整する。これで、強打のスパイクも体の正面で取ることができる。Off-blockerの状況確認後の反応(reaction)の速さと重心を徐々に低くしながらアタックラインまで速やかに移動するステッピングの練習が必要。おっと・・・コーチングになってきちゃった。

 ブロックに関しては、両チームともブロックアウト対策がシステムとしてなされていない。また、相手の強打に対してのワンタッチがコート後方に弾き過ぎで、トスとしてつなぐことができない。ブロックの最後の局面での締めが足りない。つまり、スパイクボールの勢いにブロッカーが負けているのだ。キルブロックであれば、親指を上に向けて手のひらが上を向かないようにしたり、肩甲骨を上方に引き挙げて腕を後方に持っていかれないようにしたりの工夫が欲しい。体の構造を知ればそういうことは理解できる。

 フジTVでは今夜、深夜に4ゲームを放映する。

 明日は、昨日イランの講習会から帰ってきたばかりの足立さんとお会いして土産話を聞くために大宮市に行く。


2012年11月16日金曜日

Fri.Nov.16,2012 春高バレー 埼玉県決勝結果

  一昨日の水曜日に埼玉県大会の準決勝と決勝が行われた。1月に開催される春高バレーは、東京体育館の改修工事の影響で埼玉県スーパーアリーナと所沢市民体育館にて開催される。これに伴い、開催地の埼玉県から男女それぞれ2チーム出場できる。

 このチャンスをものにしたのが、第2代表の男子は正智深谷、女子は市立川越。正智深谷は初出場。市立川越は2番手狙いで決定戦の埼玉平成と対戦するまで秘密の戦術を温存していたのが功を奏した。
(体幹の筋力はまだ弱いが、前腕の回内運動をうまく使ってインナーに打っている)

  市立川越の小峰監督は、前任の名伯楽と言われ常勝監督であった伊藤監督の後を継いで3年目。非常にまじめな性格の新監督さんである。埼玉新聞によれば、秘密の戦術は、選手独自の判断ということが書かれていた。具体的には、3種類の移動攻撃と速攻を組み合わせたそうだ。しかし、選手達にその判断をさせるように仕向けたのは、やはり小峰監督であるから、小峰監督も、まじめさの奥に戦術が深みを増してきたようだ。

男子準決勝: 正智深谷 - 春日部共栄 2-1 (19-25, 27-25, 25-21)
男子準決勝: 埼玉栄 - 深谷 2-1 (26-28, 25-23, 25-16)
男子決勝: 埼玉栄 - 正智深谷 2-0 (25-19, 26-24)

女子準決勝: 細田学園 - 春日部共栄 2-0 (25-13, 25-20)
女子準決勝: 市立川越 - 埼玉平成 2-0 (25-21, 25-15)
女子決勝: 細田学園 - 市立川越 2-0 (28-26, 25-20)

※埼玉栄は3年ぶり4回目
※正智深谷は初出場
※細田学園は10年連続15回目
※市立川越は3年ぶり31回目

2012年11月15日木曜日

Thu.Nov.15,2012 昭和のお母さん 森光子さんの死去を悼む

   昭和という時代を再現できる女優が、また1人、92年の生涯の幕を下ろした。昭和のお母さん達は、その日一日を懸命に生きることに必死だった。必死でも、暗いところを家族の前では見せなかった。貧乏なんか大きな声で笑い飛ばしていた。人間として卑劣な言動には厳しく注意された。辛い時は抱きしめてくれた。困っている時は、助け合うことを教えられた。

   森さんは、そんな昭和のお母さんを自身の体験を踏まえて見事に再現してくれた。その度に私は、離れて暮らしている育ての親を思い出し、講習会などで地方にいくと特産品を宅配便で送るようにしている。
  森さんは、天国でもスクワット運動を毎日100回やられているのでしようね。貴方の努力を引き継いでいきます。

  合掌

2012年11月14日水曜日

Tues.Nov.13,2012 世界で活躍する日本人コーチ

 世界の各国でスポーツ指導に携わっている日本人は、結構いる。代表的なのは、外務省外郭団体の国際交流基金からの短期派遣者。同じく外郭団体の青年海外協力隊から原則2年派遣されるスポーツ隊員。JOC日本オリンピック委員会が派遣している指導者研修事業の研修員。国内の各競技団体の協会・連盟から推薦で派遣されている指導員。これらの他にも個人でプロとして指導している日本人もいる。その人たちの中には、現地の人と結婚して永住している日本人も男性だけでなく女性もいる。アラブ人男性と結婚した私の後輩コーチもいたな・・・。

 
1982年第10回 Flag of the Soviet Union.svg ソビエト連邦Flag of Brazil.svg ブラジルFlag of Argentina.svg アルゼンチンFlag of Japan.svg 日本
(全日本男子はこの大会で12年ぶりにベスト4に入った。これが現在までの国際大会最上位の成績。なんと、男子は34年間、国際大会でベスト4に入っていない!思い切った強化策が必要!)
 
1982年アルゼンチンで男子バレーボール世界選手権大会(優勝はソ連、準優勝のブラジルも20年ぶりにトップに返り咲き、ここから快進撃が続いている。地元アルゼンチンが3位に入り、バレー熱が一気に高まった。カスタラーニ選手はTVコマーシャルにも出るほどの人気者だった。ソウルオリンピックでは銅メダルも獲得)が開催された。私は全日本男子チームの応援とサポートで会社から派遣された。アルゼンチンに行く前に古巣の青年海外協力隊事務局に行き、現地に協力隊員がいるかどうか尋ねに行った。残念ながら、当時は、まだ隊員を派遣していなかったが、相談した大坪調整員(なぜか30年前にお会いした名前を突然思い出した。これも老人力か?大坪さんもバレー隊員OBであった)から柔道の日本人コーチを紹介していただいた。早速、その方に手紙を書き、現地でお会いした。お名前は忘れてしまったが、兵庫県警に以前いた方で、その時はアルゼンチン軍隊専属のコーチであった。聞けば、体操クラブにも日本人がアルゼンチン人と結婚して住み着いているとか情報が入った。彼と一緒だと首都ブエノスアイレスの深夜どこに行っても顔が利いて、安心この上なかった。

(11月12日の国際バレーボール連盟のHPに載った足立氏の記事)

 おっと、回想に耽っている場合ではない。本日は、そういった海外で活躍する日本人コーチの1人で、日本に居住して海外で講習会やナショナルチームを指導している足立龍也さんを紹介したい。月の半分は日本以外のどこかの国にいる人だ。

  彼と知り合ったのは、10年程前であった。日本の高校を出て単身アメリカに渡り、スポーツ奨学金を得ながら大学を卒業し、そのままプロのバレーボール選手として活躍。身長はさほどなかったがセッターとしての技能が彼にチャンスを与えた。その後、スイスやフランスでもプレーをやりながら大学や専門学校で教員としてバレーボールを指導し始めた。国際バレーボール連盟の公認インストラクターに就任したのも30歳代というから随分早い講師としてのデビューだ。フランスで日本バレー協会の名誉会長であった松平康隆氏に日本に帰ることを勧められ、日本バレー協会事務局に就職、M&M(マーチャンダイジング&マネジメント)のメンバーとして協会の財源確保の基盤を作った。丁度そんなときに、我々は出会い、意気投合して現在に至るというわけである。

 その足立さんは5日前からイランにいる。昨年はイラクで2週間の講習をやっていたが、こんどはお隣のイラン。何かと物騒なニュースの多いイランという国から国際バレーボール連盟を通じて「ブロックだけの指導」を依頼されて、現在イランの首都テヘランにいるが、あと2日間無事帰国してほしい。

 今の日本のバレーボール界には、彼の知識、経験が是が非でも必要だ。日本のバレー界に彼ほど世界のバレーを知っている人間がいるであろうか?昨年末亡くなったミュンヘン金メダル監督の松平氏は、6年目に彼が日本協会を去ると決めたときに相当慰留したのだが、妥協や迎合しないしない精神の持ち主の足立さんは、さっと協会を辞めて、またプロとして海外のチーム指導の世界に戻って行った。私なんかサラリーマンでしたから、妥協と迎合の毎日でしたね・・・。プロには年金もない、ボーナスもない、勝利や成功でしか評価されない厳しい世界ですから。私のように、定年後になってプロを目指すと宣言してもリスクは少ないですね。つくづく足立さんとか、タイでコーチして、2年前まで大分三好男子バレー部監督を務めた日体大OBの黒葛原さんとか、ケニア女子ナショナルチームの基盤を作った大西先生とか・・・皆勇気があるね。但し、その陰では、奥さん子供たちには相当な苦労を掛けたと思う。そして、海外でコーチする勇気ある日本人に付いて行った奥様達のほうがもっと勇気がある、と私は思う。

2012年11月13日火曜日

Mon.Nov.12,2012 コーチングのコツ(tips)-2 視野を広げる

 初級から中級のレベルに選手たちのレベルを上げるには、「状況判断力」が欠かせない。そのためには、周囲を見なければならない。視野を広げることが前提となる。初級レベルで停滞しているチームの選手に共通しているのは、ゲーム中、ボールしか見ていないこと。
 例えば、スパイクレシーブ(dig)の場合、うまくできない選手を観察していると、選手の眼はボールしか見ていないことに気付く。そこで、私は、その選手に質問する。

「ボールは、意思を持っていますか?」
「?・・・ボールには意思はないと思います。ボールの中には空気がありますが・・・」
「That's right!そうですよね。ボールは意思を持たない。ボールを扱うスパイカーが意思を持って、どこに打とうか考えているんですね」
「そうか・・・スパイカーを見れば、どのタイミングでどこに打とうとしているのか、わかるのですね」
「君、なかなか鋭いね。そういうことなんだよ。ところで、ボールを打つ瞬間まで見ているよね?」
「・・・いやあ・・・そこまでは見ていないです」
「セッターから上がるトスボールの放物線を見る。次に、スパイカーの助走方向を見る。味方のブロッカーの位置を見る。レシーバー(digger)は最適なレシーブ位置に速やかに移動する。空中でのスパイカーの身体の方向、腕のスイング、ボールと触れている手の方向を見て最終のレシーブ位置を微調整(adjust)する」
「コーチ!なんか、イメージしていたら正面でボールをレシーブして簡単に上がっちゃいました!」
「よし、では、そのための基本練習をやろう」

(拙著の「確実に上達するソフトバレーボール」から)
ということで、空中を移動しているボールからいったん眼を離してから、プレーヤーをチラッと確認視する基本練習を紹介しよう。2人1組を作って、1人はネット際でボールを持って立つ。もう1人はエンドラインから2mコート内に入って軽く膝を曲げてパスの構えを作る。ネット際のプレーヤーが両手でエンドライン際のプレーヤーにボールをアンダー・スローイングする。スローイングしたらすぐさま片手でじゃんけんのグーかパーを出す。ボールを受けるプレーヤーは、投げられたボールの放物線から落下地点を見極めて移動を開始しながら投げた人の手の形を見る。手の形がグーだったら、大きな声で「グー!」と叫んでボールに眼を転じてアンダーハンドパスを行う。パーであれば「パー」と叫んでオーバーハンドを行う。これらにチョキという条件をつければ更に状況判断能力は向上する。例えば、チョキは、平行パスにするのはいかがであろうか。
  もう少し複雑にするのであれば、ネット際のプレーヤーはボールを投げたらすぐさま両手を用いて1人じゃんけんを顔の前でやる。勝ったほうの手の形(シグナル)を判断してパスを行う。脳の活性化には良いね。顔の前に両手を上げているバージョンでは、この他に、指を出して足し算や掛け算を行わせて、奇数であればアンダーハンドパス、偶数であればオーバーというのも楽しいですよ。両手の間隔を離したり、ネット際の人数を2人にして、間隔を離した2人からシグナルを出し、奇数だったら左側の人に、偶数だったら右側の人にパスを出すのも難しいですが楽しいですね。そして、このような視野を広げる楽しい練習が「状況判断能力」を向上させ、結果としてボール・コントロール能力が高まるということです。

 そうそう、最初に述べた「微調整」ですが、女子選手の方達には「美調整」とホワイトボードに大書きします。女性は「美」には「美ンカン」・・・もとい、「敏感」です。レシーブ能力が一気に向上しますよ。実は、これが女性指導のコツなんです。幼稚園児から来年に白寿を迎えようとしている私の義母まで「美」を追求する「女」なんです。そんな女心を解らない男性指導者はいくら理論が最先端でも女性プレーヤーには受けいられないでしょうね。

Sun.Nov.11,2012 春高バレー(千葉、神奈川)

 本日は、久しぶりに千葉県の決勝大会を観戦しに行った。しかし、午前中に所用があって、千葉市の体育館に着いたときには、丁度試合が終了していた。県協会理事長他の役員に挨拶して体育館の外に出ると、女子決勝で敗退した市立船橋高校の部員と監督そして父母が、肩を落として整列していた。5セットマッチの試合でストレート負け。夏のインターハイ県予選でも県立柏井に敗退している。今年2回の敗退で相当こたえているようで皆地面にうつむいている。昨年春に監督が浅井先生(現 県体育協会勤務)から交代したことも影響しているのかもしれない。しかし、それ以上に、県立柏井は確実に実力が昨年度よりも付いていると私は見ている。10月の岐阜国体で大分県の東龍を破っての第3位という成績が、それを証明している。

 市立船橋をはじめ、準決勝で柏井をフルセットの接戦に追い詰めた市立柏高校、市船橋とこれもフルセットの接戦を展開した敬愛学園も地力のあるチームである。来夏の代表を目指して早々にスタートを切ってほしい。

 男子決勝戦は習志野の飯塚初義監督と東京学館船橋の中山和之監督の“師弟対決”となった。飯塚監督は順天堂大学卒業後に松戸東(現松戸国際)に赴任。当時2年生だった中山監督がバレー部に所属しており、飯塚監督から指導を受けた。結果は、今回は師匠に軍配が上がった。
 

<千葉大会男女決勝>
男子: 習志野 - 東京学館船橋 3-0 (25-17, 25-19, 25-20)
女子: 柏井 - 市立船橋 3-0 (25-13, 25-21, 25-18)
※習志野は6年連続29回目
※柏井は2年ぶり12回目
 この日は、神奈川県大会と千葉県大会が重なってしまった。例年、神奈川県大会に足を運んでいたが、今年は地元の千葉県大会に行った。しかし、ゲームには間に合わなかったという顛末であった。さて、神奈川県決勝には、男子が橘と弥栄が勝ち進み、橘がストレート勝ち。女子は大和南と橘が勝ち上がり、大和南が昨年決勝で敗れた橘を下した。橘は7年連続で春高のアベック出場を決めた。神奈川県は登録チームが多いため、男女各々2チームが全国にいける。

 女子の県立大和南は久々に川崎市立橘に勝利した。今年の関東大会優勝チームの橘に勝利したのだから立派。但し、不安材料がある。それは、最近怪我人が多いこと。今回も主力の2人がコート上に復帰したものの万全な態勢ではなかった。トレーニングの強度を上げるのは更なる強化のためには必要である。しかし、その前提となるのは、そのトレーニングに耐えうる体力である。体力の向上なくしてスキルの向上はない。厳しいようだが、私は、怪我人を出すのは指導者の責任だと考えている。スポーツに怪我は付きものだ、とは私は考えません。子供達には卒業後もママさんになってもバレーを楽しませてあげたい。そのためにも無理な練習での怪我人を出したくはない。初心者には初心者のレベルでのメニューを作る「個別指導」が面倒でも必要である。

 
<神奈川大会男女決勝>

男子決勝: 市立橘 - 弥栄 2-0 (25-15, 25-17)
女子決勝: 大和南 - 市立橘 2-0 (25-20, 26-24)
※市立橘は7年連続13回目
※弥栄は2年ぶり3回目
※大和南は8年連続9回目
※市立橘は19年連続20回目

 他県も続々と代表が名乗りを挙げてきた。以下に結果のみ載せておく

<栃木大会男女決勝>
男子: 足利工大付 - 作新学院 3-0 (25-18, 25-12, 30-28)
女子: 国学院栃木 - 宇都宮文星女 3-0 (25-12, 25-16, 25-7)
※足利工大付は2年連続34回目
※国学院栃木は26年連続27回目

<長野大会男女決勝>
男子: 長野日大 - 創造学園 3-1 (20-25, 27-25, 25-18, 25-16)
女子: 都市大塩尻 - 長野日大 3-0 (25-19, 25-18, 25-20)
※長野日大は4年ぶり4回目
※都市大塩尻は2年連続2回目

<滋賀大会男女決勝>
男子: 近江 - 伊吹 3-1 (25-10, 23-25, 25-12, 25-17)
女子: 近江兄弟社 - 滋賀短大付 3-2 (22-25, 19-25, 25-23, 25-19, 15-13)
※近江は10年連続28回目
※近江兄弟社は2年連続9回目
<鳥取大会男女決勝>
男子: 鳥取商 - 米子工 (25-21, 23-25, 10-25, 26-24, 15-11)
女子: 八頭 - 米子北斗 3-0 (25-22, 25-19, 25-11)
※鳥取商は11年ぶり8回目
※八頭は4年ぶり21回目

<山口大会男女決勝>
男子: 高川学園 - 宇部商 3-1 (25-27, 25-15, 25-17, 25-13)
女子: 誠英 - 下関短大付 3-0 (25-12, 25-15, 25-15)
※高川学園は6年ぶり2回目
※誠英は23年連続33回目

<高知大会男女決勝>
男子: 高知 - 高知商 3-0 (25-17, 25-20, 25-18)
女子: 高知商 - 高知中央 3-2 (25-21, 10-25, 25-23, 19-25, 15-11)
※高知は3年ぶり15回目
※高知商は5年ぶり17回目


2012年11月11日日曜日

Fri.Nov.9,2012 コーチングのコツ-1 トライアングルパスの勧め

   アップを終えると、どのチームも基本練習として、対人パスを行う。二人一組、つまりペアで向かい合って行うパスだ。その次に対人レシーブを行う。私がコーチングする場合、対人パスは、ボールを使って指、手首、肘、肩それぞれの関節をタイミングよく伸展する(伸ばす)アップとして捉えている。
 大事なのは、次に行う三人でのパス、つまり三角パス、トライアングルパス(triangle pass)を行う。対人パスは、線としてのパス。Triangle passは、面としてのパス。面を組み立てることで、立方体としてのゲームができる。対人パスは、自分に向かってきたボールをそのボールが来た方向に返す。実際のゲームにおいて、このようなパスは、稀である。最も多いケースとしては、セッターがパスを受けてからスパイカーにパスする角度のあるトス(set)である。レシーバーからのパスの線をつなげると、丁度トライアングル(三角形)の形になっている。Triangle passを行うことで、トスの精度が高まる。つなぎが良くなる。

Triangleの形は色々と形成できる。正三角形や二等辺三角形など各種工夫できる。ネット際でやるならばネット際サイドにターゲット(T)を配置し、コート中央(P)からパス(トス)を上げさせる。図(1)では矢印の方向の左回りに行っている。右回りでやるときは、フォワード・ライト(前衛右)にターゲットを設けて行う。2段トスの基本練習に効果がある。9人制のハーフセンターの2段トスの練習にもなる。バックプレーヤーなどが距離を出したいときは、三角形の形を大きくしたり、変形させたりしてターゲットから遠ざければよい。30本で場所を交代する。時間がないときは4人にしてランニング移動をつけて行う。例えば、PからTにパス(トス)した人は、速やかにTの位置に移動して次のパスを待っている、と言う具合である。

 図(2)はネット際のSにとってトスの良い練習になる。タッチネットしないように、大きなパスの時はネットを背にしてトスしてみたり、ジャンプしてみたりバランスを取る。9人制のフォワード(前衛)であるならば、意図的にレシーバーに短いパスを要求してネットプレーからトスにする練習もできる。9人制の前衛は全員ネットプレーからのトスとジャンプトスができるようにするのが望ましい。


最後に、ボールを取る位置であるが、対人パスは額の斜め上であるが、左右に角度をつけてパス(トス)する場合には注意が要る。実はこれが大きなコツ。自分の右方向にボールをパス(トス)を出す場合のボールを取る位置は、右眼の斜め上方。アンダーでもパス(トス)を行うが、右方向にボールを出す場合は、右足をボールを出す方向に向け、右腰前で腕にボールを乗せて腰で運ぶ(コントロールする)。上手な人は、自然とこのように体とボールの位置関係を調節している。

 要は、triangle(三角形)の形を色々と変えてパス練習をやることが、実戦に近いパス練習ができるということ。ゲームにおいて、このTriangleの形が崩れてきたときが、つなぎが途切れるとき。

 そうそう、1つ追加させていただく。アンダーパスのときに肘が曲がる人には「肘でボールを押すように」とアドバイスすることで、肘が曲がらなくなります。昔、よく言われた「組んだ両手の親指を床の方に向けなさい」というのも意識付けとしてよいのであるが、このほかの言い方も覚えておいた方がコーチとしての引き出しが多くなる。

 コーチは、自分の理論に選手を当てはめることではなく、個々の選手に合う理論を自分の引き出しにどれだけ持っているか、です。


2012年11月9日金曜日

wed.Nov.7,2012 監督としての中田久美さんは?

  我が国の企業における女性管理職の少なさが指摘されて久しい。課長以上の管理職に占める女性の比率は2011年で7.3%に過ぎない。国際的にも日本は女性の登用の進まない国と見られており、2009年には、国連女子差別措置の促進が勧告された。(独立行政法人 労働政策研究・研修機構の資料)

  国会議員間の国際交流を手がける列国議会同盟(IPU)は5日、世界の女性国会議員の数が2月末時点で8094人、全議席に占める割合が約18%と過去最高になったとする年次報告を発表した。 国別順位では、昨年の下院選で世界で初めて女性議員が過半数を占めたルワンダが56%と断トツ。2位がスウェーデン(47%)、3位がキューバ(43%)と続いた。 日本は9・4%の104位で、前年と同順位。他の主要国ではドイツ(18位、32%)、カナダ(46位、22%)などが比較的上位につけ、米国は17%の71位だった。(共同)

 以上2つの資料からみても、我が国では女性の管理職、リーダーが諸外国と比べて少ない。スポーツの世界になると、更に少ない。なぜなのか?その論考は、別の機会にするとして、17日に開幕するバレーボールVリーグ女子バレー久光製薬の監督に中田久美さんが就任した。昨年はコーチで登録していた。Vリーグ前身の日本リーグ時代にも女性監督はいた。日立女子の生沼さん、小田急女子の丸山(旧姓 江上)さんがいた。いずれも日立そして全日本の名プレーヤーであった。中田さんも日立・全日本で名セッターとして活躍した。

  それにしても日本バレーボール界に女性指導者はまだまだ少ない。女性指導者が比較的多いのが小学生バレー、そして中学生バレー。小学生や中学生の男子バレーにもっと女性指導者が多くなっても良いと思う。高校女子や大学女子だけでなく男子バレー界に女性指導者がいてもおかしくない。女性指導者の細やかで、粘り強い指導は男性にない特徴だと思っている。

 
日本経済夕刊紙の「駆ける魂」というスポーツ指導者やアスリートを取り上げた連載物がある。11月5日から7日まで中田さんが3回取り上げられた。 中田さんは、現在、185cmの狩野選手をセッターに転向させようとしている。全日本女子で過去に180cm超のセッターは存在していない。高身長で日本人の得意な細かなスキルを駆使できるようになると日本のバレーも金メダルを狙えるようになる。レシーブボールを高い位置でトスできるだけでなく、ブロックも高くなる。セッター育成は石の上にも3年、1万時間以上の経験が必要と言われる。それまで中田監督、狩野選手が辛抱できるか、見守って行きたい。
(クンちゃん、18歳の頃。この頃のトスは「私のトスを打って!」という鼻息荒い若気のトス。一度引退して、社会勉強してからは、「打ってください」というアタッカーの打ち易いトスに変わった)
 
 中田さんに、1つアドバイス。記事によると、選手寮に自分も居を構え、寝食をともにしていると言うことだが、試合シーズン中はともかくも、平日においては監督は練習後には自宅に帰ることが良いと思う。監督が常に身近にいると言うのは選手にとっては結構ストレスが溜まるものです。同じ女性だからお風呂も一緒に入れますが、これも時々ぐらいが良いでしょう。ゆったりする場所であるお風呂に監督がいると疲れもとれませんからね。

  それと、時間が取れたら同じチームスポーツの先輩女性監督に教えを請いに練習会場に顔を出すのも良いと思います。ソフトボールの宇津木さん始めシンクロ、バスケットなどに優秀な女性指導者達がいらっしゃいます。私がまず推薦したい方は、東京の文京学院大高校・中学校の総監督である山根貞子さんですね。私もこの方から中学女子・高校女生徒の心理、それ以上に父母のお母さんたちの心理を学ばさせていただきました。それなのに、私は未だに女性を理解できないでいる・・・。
  逆に女性から理解されているようだ。いや・・・憐憫(れんびん)の情をかけられているようだ。憐憫の情とは、日常語では、哀れみである。渡邉コーチの言うことは、可哀想だから聞いてあげようよ、ということか。まあ、それでもいいか!

2012年11月7日水曜日

Tue.Nov.6.2012 おかげさまでブログ888回

  昨日のブログで、お蔭様にて888回となりました。今までは、一日にヒット数(ページビュー)は200ほどですが、一昨日から400台と2倍に跳ね上がってきました。理由は春高バレーの寸評を読んでいる人が多くなったのです。

 さて、888は、漢数字では八八八と書く。漢字で「」と書くと下の方が広がる事から「末広がり」を意味し、日本では幸運とされています。「ハハハ」と元気に笑っている形にも見えますね。笑う門には福来るですな。

 呆け予防の防備録として始めたブログですが、読者の皆さんがたの叱咤激励がなければ、ここまで続いていなかったことでしょう。1週間ブログの更新がないと、静岡の中学校の増田先生なんか「お~い、生きていますか?」という確認メールが直ぐに来ますからね。バレーの講習会会場に行くと、必ずどなたからか「読んでますよ」とお声をかけていただきます。そのたびに嬉しさと同時に、下手なことは書けないぞと言う緊張感が走ります。

 さてと、そんなことで、今週は宝くじでも買って幸運を引き寄せようかな。
昨日、ママさんバレーの練習を行った運動公園体育館駐車場で業者の方が菊展示会の準備をされていました。品評会用の艶やかな菊と一緒に即売用もあったので、咲き始めの一鉢を購入してきました。

 菊は私の父親の名でもあります。菊松と言いました。父の姉は、2人いまして、長姉(ちょうし)は松世、次姉(じし)は竹子、妹が菊江と皆が花か植物の名前を付けられていました。父も2人の姉達も既に他界しています。購入した菊は大菊(一輪菊)の中でも厚物といって、これから花弁が中心に向かってこんもりと盛り上がっていくそうです。47歳で早世した父を偲んで購入した次第です。

Mon.Nov.5,2012 ママさんバレーを指導する訳とは

 本日の午前中は、船橋市内の幼稚園ママさんバレーチームを指導した。良く、聞かれるのは、渡邉さんほどの人だったら、もっと若い人達の高校や大学のトップチームの方が合っているのではないですか?ということ。確かにトップチームは戦術を駆使して面白いバレーができる。体力があり基本ができているチームであれば、4-6で相手チームに劣っているチームでも戦術で5-5まで闘えるところまでそのチームの実力を引き上げることはできる。そこから勝利を得るには選手たちの「心の力」になる。

  「心の力」とは?具体的には「勝ちたい気持ち」「仲間を思いやる気持ち」「指導者、両親、家族への感謝の気持ち」。これらの「心の力」を選手たちが自発的に出すように指導するのが指導者の役割だ。そして、チームとはそれ自体が生きものである。選手達の中にリーダーが必要だ。コート上のリーダー、コート外のリーダーと2人のリーダーが必要だ。企業組織で言うと、中小企業の営業の最前線で働く部長と財布の紐を握る経理部長のような関係だ。指導者は経営者であり商品企画開発と安全管理責任者である。チームの中に2人のリーダーがいないと指導力だけでは良い結果は出ない。

 船橋の幼稚園ママさんチームは、全員バレーの素人である。従って、バレーボールの基本を1から教える必要がある。実は、この「基本の基」の指導が私のコーチングを磨いている。トップチームでは基本の基を指導することはほとんどない。ママさんの指導は、私にとって貴重な学習の場なのである。

  このチームは、7月から週1回指導しているので、ようやくママさんバレーの基本10の内1までできるようになってきた。実力はそれまでの1.5倍アップしてきた。自分達より力のあるチーム(4-6)にも対等に対戦できるようになってきた。ジュースでセットを取られる試合が多いが、あとはコート上のリーダーが出てくれば21-19で勝利できるようになるであろう。現状は個々のプレー、サーブのリーダー、スパイクのリーダー、レシーブのリーダーがいるだけで、ゲーム全体を引っ張っていくリーダーは不在だ。但し、コート外のリーダーはしっかりしている。特に忘年会リーダー(幹事)はしっかりし過ぎている!ほどで、このリーダーシップがコート上にも出てくるのを願っている(笑)。

 いずれにしろ、女性のバレーは「明るく」「元気に」「美しく」だ!

2012年11月6日火曜日

Sun.Nov.4,2012 春高バレー  各府県から代表が名乗りをあげた

 3日、4日は全国各地で予選会が多かった。各地で熱い戦いが繰り広げられている。結果中心で報告していく。

<青森大会男女決勝>
 名門で全国常連校の県立弘前工業高校が負けた。7年ぶりに代表になった県立五所川原(ごしょがわら)工業は、監督の川浪先生の指導力が大きい。チームは7年前にも出場し、そのときはベスト8に入賞した。エースの小山内君(188cm)がサウスポーから繰り出すスパイクの切れ味が鋭かった。彼は、その後、早稲田大学に進学。そしてFC東京に就職したのだが、今年のメンバーには載っていない。どうしているのか?

(県立五所川原工業高校男子バレー部は部員数が30名近くいる。バレーの盛んな土地柄でもある)

男子: 五所川原工 - 弘前工 3-1 (25-23, 22-25, 25-15, 25-18)
女子: 弘前学院聖愛 - 三沢商 3-0 (25-23, 25-10, 25-8)
※五所川原工は7年ぶり5回目
※弘前学院聖愛は8年連続10回目

<岩手大会男女決勝>

【一関市総合体育館】
男子: 一関修紅 - 不来方 3-1 (20-25, 25-19, 25-21, 25-20)
女子: 盛岡女 - 高田 3-0 (25-12, 25-13, 25-11)
※一関修紅は27年ぶり7回目
※盛岡女は3年連続19回目

<新潟大会男女決勝>
 新潟男子の上越総合技術の代表は、前身の高田工時代を含め14度目になる。県立高田工業高校は伝統校である。20年前の全盛期当時の監督であった中山先生の教え子達が関東の体育系大学に進学。その後、中山先生の尽力もあって多くの教え子達が新潟県に戻ってきて、中・高校でバレーの指導に当たっている。中山先生とは春高の会場で毎年お会いして指導論をお聞きしている。中山先生は、新潟県バレー界の強さの源泉だ。

男子: 上越総合技術 - 東京学館新潟 3-2 (16-25, 25-20, 25-21, 16-25, 15-12)
女子: 長岡商 - 新発田商 3-1 (20-25, 25-18, 25-13, 25-13)
※上越総合技術は7年ぶり14回目
※長岡商は28年ぶり3回目

<大阪大会男女決勝>
伝統校の男子の大阪商業大学付属や女子の四天王寺、国際滝井はベスト8止まり。東京、神奈川の伝統校もそうですが、私学の学校で進学に力を入れる学校が増えてきましたね。私は、文武両道が学校経営の健全なあり方と考えているが、極端に進学一辺倒になっている私学の学校が多いのが実情。公立の授業料無償化で授業料の高い私学を敬遠して公立に優秀な選手が流れていると言うことも耳に入ってくる。

男子: 大塚 - 清風 2-1 (23-25, 25-22, 25-20)
女子: 金蘭会 - 建国 2-0 (25-20, 25-16)
※大塚は5年連続8回目
※清風は2年連続21回目
※金蘭会は2年連続2回目
※建国は2年ぶり3回目

<宮崎大会男女決勝>
男子: 宮崎工 -  都城工 3-0 (25-18, 25-22, 25-23)
女子: 延岡学園 - 都城商 3-2 (26-24, 25-21, 25-27, 18-25, 15-10)
※宮崎工は2年連続11回目
※延岡学園は4年ぶり14回目

<鹿児島大会男女決勝>
男子: 鹿児島商 - 鹿児島城西 3-0 (25-19, 28-26, 25-15)
女子: 鹿児島女 - 錦江湾 3-0 (25-20, 25-14, 25-20)
※鹿児島商は6年連続25回目
※鹿児島女は5年連続31回目

2012年11月4日日曜日

Sat.Nov.3,2012 春高バレー(群馬県決勝)&全日本ユース男子アジア大会結果

 群馬県の準決勝、決勝が昨日3日、前橋市関根町のALSOKぐんまアリーナで行われた。男子は県立伊勢崎が県立高崎を下し、3年連続9回目、女子は高崎健康福祉大高崎が県立西邑楽を抑え、27年ぶり2回目の全国切符を手にした。
 男子の県立伊勢崎が、夏のインターハイ県予選で敗れた県立高崎に雪辱を期し、3年連続9回目の優勝を決めた。
3連覇を決め、選手に胴上げされる県立伊勢崎の渡瀬洋治監督(産経新聞社から)

 

県立伊勢崎高校の監督である渡瀬先生は佐賀県出身である。実は、彼と同じ中学校、高校、大学のバレー部で一緒だったのが、お隣の埼玉県でやはり全国区のチームを率いている春日部共栄高校女子バレー部監督の吉田篤弘先生。この二人は本当の兄弟より仲が良い。二人とも、正直、バレーのプレーは人並み、いやそれ以下であったのかもしれない。しかし、指導は二人とも上手だ。なんといっても心が熱い。渡瀬先生は特に熱い。高校生より小さな体で良く動き回る。二人とも九州から関東の群馬県と埼玉県という地方に出てきたが、始めは県内出身者でないということで随分と苦労した。助けてくれたのが、同じ九州出身の先輩教員であったり地域の商店街の親父さんたち、そして父母達であった。今は、お二人とも完全に地域に溶け込んでいる。

 女子の健大高崎が接戦の末、追いすがる県立西邑楽に競り勝った。健大高崎は、正式名称を高崎健康福祉大学高崎高等学校という。以前は、群馬女子短期大学付属高等学校という。その時代に春高バレーに1度出場している。1,2年生中心の小柄なチームだが、全員が器用な子が多く運動能力は高い。

 西日本の県からも代表が名乗りを挙げてきた。
【岡山県】 2012-11-03
男子: 岡山東商(2年ぶり28回目)
女子: 就実(2年連続37回目)

【徳島県】 2012-11-03
男子: 阿南工(9年連続9回目)
女子: 城南(5年ぶり5回目)

 最後に、11月1日に閉幕した、イランのテヘランで行われた第9回アジアユース男子バレーボール選手権大会2012 の結果を伝えておこう。いまやシニアでもアジアNO.1チームになったイランが連続優勝を飾った。イランは地理的に欧州に近く、指導者も欧州から来ている。イランのユース(中学・高校生の年代)が優勝したことに対して、イランのアフマディネジャード大統領は、1 日夕方、この優勝と世界選手権への出場にお祝いのメッセージを寄せた。このメッセージでは、「今回の成功は、イランのスポーツ選手の闘志と努力を示すものだ。イランのスポーツ選手の活躍が、イラン国民の栄誉につながるよう期待している」とされている。大統領がユースのレベルでメッセージをすぐに発信するなんて驚いた。スポーツに相当力を入れている証だ。

(連続優勝したイラン男子。IRAN japanese radioから)
 
日本も久しぶりに2m台の選手を3名擁し将来に期待が持てる。インドが前回と比べて順位を下げた。近いうちに、今は国名も出ていないが、インドネシアもベスト8あたりに進出してくるであろう。インドネシアのバレーボール協会会長がIOC委員であり、有力な銀行経営者という経済人であると言うのが大きい。日本も世界で戦う前にアジアでどのように闘うか、アジアのライバルチームの今後の動向と各国協会を取り巻く経済環境、協会の政治影響力そしてナショナルチーム強化策の情報収集が必要であろう。そうでないと、日本の大手家電メーカーと同様の苦境に陥る危険性は十分ありえる。アジアのシニアで今回LONDONオリンピックに出場したアジア代表のイラン、オーストラリアが世界のベスト8にも残れない現状をもっと重く受け止めねばならない。強化については中期的(8年)で大胆な発想が必要だ。そのヒントは歴史から学ぶ視点と迅速な行動力にある。

<最終順位> (前回2010)
1位  (*1)  イラン  5大会連続6度目の優勝
2位  (*2)  中国
3位  (*5)  日本
4位  (*3)  韓国
5位  (*6)  チャイニーズタイペイ
6位  (*8)  スリランカ
7位  (*4)  インド
8位  (*7)  タイ
9位  (*9)  オーストラリア
10位  (10)  カザフスタン
11位  (--)  トルクメニスタン

☆上位4チーム(イラン、中国、日本、韓国)に、2013世界ユース選手権(メキシコ)の出場権が与えられる。

<全日本ユース男子バレーボールチーム>
*1  久原 翼     1995  188  WS  市立尼崎高校3年 (C)
*2  高橋 健太郎 1995  200  MB  米沢中央高校3年
*4  山﨑 貴矢   1995  191  WS  星城高校2年
*5  吉野 雅人   1995  188  WS  深谷高校2年
*6  小野寺 太志 1996  200  MB  東北高校2年
*7  秦 耕介     1995  187  WS  駿台学園高校2年
*8  平田 亮介   1995  187  WS  崇徳高校2年
*9  石川 祐希   1995  188  WS  星城高校2年
10  髙澤 和貴   1995  180   L   長野日大高校2年
11  大宅 真樹   1995  178   S   大村工業高校2年
12  鈴木 祐貴   1997  200  MB  北秋田市立鷹巣中学校3年
15  龍 一誠     1995  178   S   東福岡高校2年
監督  本多 洋 (崇徳高校)
コーチ  竹内 裕幸 (星城高校)

2012年11月3日土曜日

Fri.Nov.2,2012 真紀子節・・・こぶしが効き過ぎ

  演歌と言えば「こぶし」がつきものである。こぶしは漢字で「小節」と書く。若い人には、歌手の五木ひろしが歌うときに握り締めている「拳」だと勘違いしている人もいるが、違いますよ~。(現在、週1指導している船橋の幼稚園ママさんのメンバーも「こぶし」は「拳」なんだろうな~?特にハーフセンターのiちゃんには)

 文部科学大臣の田中真紀子さんの「小節」が効き過ぎたニュースが夕方流れた。これは、「小節」というより「拳」かも知れない。いや、鉄のように硬いと言う意味で「鉄拳」である。来春、大学を開校して宜しいと前日言われた3大学について、田中文部大臣が一転、不認可としたのだ。

 「大学が沢山作られてきた(現在780校)が、教育の質自体が低下してきている」という大臣の問題意識には私も賛同するところがある。しかし、現行のルールでOKとした文部科学省の答申を大臣の権限でNO!とした。これまでに「大学設置・学校法人審議会(設置審)」の基準に合うように
財務計画、校地、校舎、教員組織を1つ1つ準備してきた学校関係者の落胆振りは察することができる。新たに採用された教員も右往左往していることでしょう。入学を希望していた学生も困ってしまう。
  田中大臣も指摘するお仲間同士で組織している設置審の緩い基準のありかた、あいまいな大学運営評価については問題がある。だからといって、現行のシステムで認可した答申を翌日にダメと言うのは権限の乱用ではないか?行政訴訟に詳しいある専門家は「設置審は、文科省が作った大学設置基準に基づいて認可を答申しており、それを不認可とした田中文科大臣の判断は、自ら定めた基準を破るもので、大臣の裁量の範囲として許されるものではない」として批判している。
 どうも、田中さんと言う人は、手続きを踏んで中身を議論することがまだるっこしい性格なのかもしれない。先週の石原さんの発言に続き、田中さんの性急な発言はマスコミを嬉しがらせるだけで日本が前に進まないような気がする。

Wed.Oct.31,2012 またか、企業スポーツの休部

  パナソニック(旧 松下電器)がバドミントン部とバスケット部を今季限りで休部することを発表した。業績悪化による経営合理化の一環で野球部、バレーボール部、ラグビー部については、活動は継続する。「休部」とは、この世界で使う言葉としては「廃部」と同意義である。「廃部」と表現するとショッキングなので、柔らかく、復活の可能性も込めて「休部」と表現するのがこの国の発表の仕方である。そして、過去20年の例を見ても、休部した企業スポーツが復活した例は見られない。企業スポーツは、産業構造の変化とともに、また企業収益の低下とともに、衰退の道を歩んでいる。

 
 
 
 2年連続7,000億円の赤字を計上したパナソニックの赤字は、同じ時期に発表されたシャープの赤字とは内容が違う。税引き後利益は両社とも赤字だが、パナソニックは本業の儲けを示す営業利益は1,400億円の黒字を確保する。シャープは営業利益も赤字で深刻だ。一部の評論化筋によれば「パナソニックもシャープも経営者の判断の誤りが業績悪化の原因だ」と手厳しい。パナソニックの場合は、確かにM&A(合併・買収)で三洋電機を8,000億円で買収したものの事業環境が大きく変わり結局5,000億円の減損損失の計上を迫られた。携帯電話事業もスマートフォーンの出遅れなど経営判断の遅れが原因になっている。電池事業部も収益計画を下回り、本業の家電の薄型テレビ事業が円高、ライバルとの価格競争激化、中国での日本製品不買運動などで利益が減り大不振だ。

 三洋電機からはオグ・シオコンビでも人気を集め、日本リーグ15回優勝と伝統のあるバドミントン部を引き継いだが、結局、休部となった。電池というと、今は定年退職され、現在Vリーグ機構の会長の木村憲治さん(中大→松下電器→ミュンヘン金メダリスト→中大監督→松下電器監督)は、定年前、電池事業部長であった。今の古巣の窮状をどうお思われているのであろうか。

 実は、きょうも家内の実家に来ている。80歳を過ぎて年老いた義父・義母の話し相手になればと思って週1回泊りがけで来ている。2階に上がって、預かって頂いている本棚の前で本の背表紙を眺めていると不思議と落ち着く。最近、華々しく出てきた電子書籍にはない趣がある。本棚の背表紙を眺めていると、松下電器を興された松下幸之助、本田を興された本田総一郎関連の本が眼に留まった。再読しようと船橋の家に持ち帰ることにした。ダンスの本は、ママさんバレーのウオーム・アップに取り入れようと、これも本棚にあった。

 経営の世界もスポーツの世界も、不振の時は歴史に学ぶときかもしれない。特に創業時の社訓は、時代が変わってもその変化に対応できる知恵が詰まっている。組織が大きくなると、創業者自信もコントロールできなくなることは松下電器も経験した。
  1977年に、松下電器は3代目の社長に役員26名中、下から2番目の序列にいた平取締役の山下俊彦(当時58歳)を突然、社長に抜擢した。年功序列の日本企業の慣習をあえて破った創業者、松下幸之助の決断に世間はただ驚いた。体操選手の山下治広が披露した跳馬の技にちなんで「山下跳び」と呼ばれた。

  当時の松下電器の問題点は、第一に組織の官僚化、高齢化であった。その弊害で創業以来の家電中心、販売主導の経営から脱皮できず、エレクトロニクス技術を基盤にした情報分野への電気産業界への市場変化に対応できなくなっていた。松下の課題は、販売から技術へ、単品からシステムへと経営の重心を移動させることであった。

 そして、山下さんは困難な課題を正確に認識し、着実に解決して9期連続増収増益を達成した。その山下さんのビデオテープがやはり本棚にあった。社長就任の打診を松下幸之助から受けて再三断り続けたこと、カリスマ創業経営者の松下幸之助のもと社風が「幸之助教」などと一種の宗教的な雰囲気がある中で堂々と幸之助の提案に発言したことなど、再読いや再聴することで、今のバレー界を打破すべくヒントがあるかもしれない。

 私は、これからの日本バレー界の成長をアジアバレー界と連携したうえでの世界のバレー界の成長という視点を持つべきであると考えている。
 山下さんは、今年の2月に92歳で旅立った。先人のリーダーに学ぶべきことは沢山ある。何をやったかでなく、どのような視点でどのように実践したかが時代を超えて参考になる。