2013年2月11日月曜日

Sun.Feb.10,2013 シンポジウム聴講

シンポジウムとは、もともとは「饗宴(一緒に飲む)」に由来するギリシア語で、「研究発表会」「討論会」をさす言葉である。たまには、アカデミックな場所に行って脳みそをリフレッシュさせる必要がある。そして、大学院の指導教官にもお会いして「大学講師になる道」の教えも受けなければならない。同期の仲間に会って情報交換もできる。

会場は茗荷谷にある母校。講師は韓国、オーストリアの研究者、そして広島東洋カープで40年間プロ野球選手として活躍した「鉄人」衣笠祥雄さん。テーマは『トップアスリートのセカンドキャリアを考える』。

我が国では毎年、サッカーで100名、プロ野球で80名が引退していく。引退後に次の仕事に就くことを「セカンドキャリア」と呼ぶ。今回はヨーロッパと韓国そして日本での現状と問題を国際比較することでセカンドキャリア開発のシステムをデザインしていこうというわけである。

日本では、まだまだ個人の問題として考えられているが、ヨーロッパでは法制度化されている。ヨーロッパでは、現役時から学業とスポーツの両立が義務付けられている。日本では、スポーツだけの能力の推薦で高校、大学に進学できるのとでは大違いだ。韓国では昨年、選手引退後の40%が無職といった実態が国会でも問題になった。

トップの選手は、いつまでもトップ選手でいることは難しい。一般的に30歳前後で現役を引退する。その後の半分以上の残りの人生をどのように過ごすのか?現役時代からその準備をすることは有益と思うが、当の本人はそのようなことを考える余裕も習慣もない。連盟組織がその導きをしてあげることは選手が安心して競技に打ち込めることに繋がると考えるのであるが、そのような競技団体はまだごく一部だ。

引退してから準備するのでは遅い。現役時代から、必要条件を1つ1つ身に付けていくことが真のトップアスリートになれると私は思っている。真のトップアスリートは「一流の社会人」であることが大前提だ。

昨今、問題になっている「暴力による指導」を行ってきた元トップアスリートの指導者は、もともと競技力のみ人並み優れていたが、その前に「一流の社会人」ではなかった、ということだ。そのような未熟な指導者を選んだ理事達にも任命責任があるのも当然と言える。

シンポジウム終了後、語源のように「饗宴」(懇親会)に出席したかったが、夕方からAmerican Girlsへのバレーコーチがあるので、早々に会場を退出した。明日は、久々に自宅でのんびりしよう。

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