2011年8月27日土曜日

8/26(金) ワールドグランプリ JPN vs BRA 雑感

 昨日のJAPAN vs BRAの後にJVAから出た選評に気になる個所があった。「・・・しかし、22-23からのプレーが分岐点であった。サーブで相手を崩したチャンスボールが戻ってきたが、そのレシーブがネットを越える痛恨のミスで強打を叩きこまれ、そのままこのセットを奪われた。第3セットは序盤からミスが目立って大きくリードされた。終盤に岩坂のブロック得点などで連続ポイントを奪い反撃したが及ばず、21-25で落とした」。
 戦評から伺えるあきれる場面は、初心者が犯すようなミスを全日本の誰かは知りませんが、やっているという事実。相手からのチャンスボール(free ballとも言う)や相手スパイカーが十分な体勢から打てなくつないでくるような入れとけスパイク(down ballとも言う)は確実にセッターにパス(dig)しなければならない。チャンスボールの処理は、自コートでのプレーなので相手が邪魔する訳ではないのに、相手コートに返して、あげくの果てに相手スパイカーへの好トスになってしまったとは・・・。ママさんバレーでは良くある(それでも私の内心はイライラ)ことだが、全日本の選手がやってはいけない。簡単なことを当たり前の様に行うためには、簡単なことを難しく行う練習が必要だ。例えば片手のアンダーハンドでの処理とか、サイドのスパイカーにワンでトスにするとか、難しいことや複雑なことをやっておくことがスキル・トレーニングです。更には、リスク・マネジメントとして、そのようなミス・プレーを想定して、スパイカーが、直ぐさまブロックに転じる練習をやっておくことです。ひねた私のようなプレーヤーでしたら、仲間のブロッカーと連携して、わざと初心者の様なミスプレーをして、相手アタッカーに打たせるようにして、味方ブロッカーにシャット(kill block)させっることも、点数がリードしている場面ではやるのであるが・・・。
 この日先発を言い渡された狩野舞子選手のコメントも載っていた。「先発は今朝のmeetingで言われた。正直びっくりした。これだけ練習しているのにサーブレシーブで乱された。いざ、試合になると気持ちが大事。練習から試合をイメージしてやりたい」。
 このコメントを呼んでいる限り、メンタルプレぱレーションが不足している典型的な例である。闘いは、スタメンだけでやるものでなく、12名でやるもの。現代バレーは12名がスタメン。相手チームに応じて、セットに応じて、場面に応じて戦術を先手先手と打っていく必要がある。狩野選手に2つ言いたい。1つは、朝のmeeting時に先発を言われて、びっくりしてはいけない。『よし来た、待っていました。アピールしてきた甲斐があった。このためにコート外から先輩達のコンビを頭に覚えこませていたのよ』。2つ目は、練習時の態度について。練習は試合をイメージして行うのではなく、試合以上のことをイメージして行うこと。『試合は練習のように、練習は試合以上にやっていれば百戦危うからず』。昔、山田全日本女子が世界3冠を取ったとき、ゲーム練習では相手チームは男子大学生達で、ライバルのソ連よりも、世界一の全日本女子よりも強かった。日々、そのように限界点でトレーニングしていれば、限界点は上昇していく。人の心身の限界を超えようとした先輩達の努力を見習おう。
 現在世界トップクラスのブラジル、USAなどは、日本が世界1位の時のワンマンレシーブを必死になってやっている。現在の日本でそんなことをやったら、「ついていけない」と言って退部してしまう。全日本が学ぶべきは、ブラジルや欧米のトップチームのものマネでなく、日本バレーボールの原点である。

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