2015年4月13日月曜日

12,April 2015 休みの日は何をする

体を休めています。

複数の方達からクメール正月の小旅行に誘われました。それぞれ魅力たっぷりの内容で、例えば地方での観光スポットや地方色ある食事のお誘いでした。しかし、公式試合を1か月半後に控えて、私としては今一度、この時期にチームの戦術を確認・確立しておきたいと思ったのです。

プランは、1つだけではいけません。1つの方策で、全て思い通りになるはずはありません。この先に思いがけず良いことが起きることを待つのではなく、思いがけず悪いことが起きた場合のことを考えておくべきです。そうすることで、そのような事態になった時に、慌てることが無くなります。

いわゆる、プランAだけでなく、プランBそして万が一のためにプランCの策定が、あらかじめ必要です。

私たちは、試合の時に、予期していなかったことが起きて、その事が原因で敗退することがあります。しかし、真の敗退の原因は、予期していなかったことが起きたことではなく、起きた事態に慌ててしまって指示が不明確になり困惑した状態のまま思考が停止してしまったことにあります。そして、最後は「ベストを尽くせ!」の指揮官の悲痛な叫びになってしまいます。大事なことは「不測の事態に、何に、どのように、ベストを尽くすか」です。具体性が必要です。

先月、ナショナルチームのメンバー2名が強化委員会の意向で交代しました。その内の1名がセッターです。若い長身(190cm)のセッターの代わりに、ベテランの上手だが低身長(177cm)のセッターが戻ってきました。ブロック力の強化を目指している私としては、消極的賛成で強化委員会の申し出を受諾しました。しかし、今月に入って、彼が練習に出てきたのは1回だけです。

恐らく、彼は自分に自信を持っているのでしょう。自分ほど上手なセッターはこの国にはいない、だから練習にさほど出なくとも問題なかろう・・・彼の性格は私が良く知っています。

とんでもないことです。バレーボールで一番大事なポジションはセッターです。理由は簡単です。チーム内で一番ボールに触れているからです。まさにチームプレーの要です。そして、セッターは仲間から信頼を得られなければプレーできません。信頼の拠り所は、技能だけではありません。信頼は、同じ時間と空間を常に共有し、苦難を共にすることで育ちます。日本語にも「同じ釜の飯を食べた仲間」という言葉があります。特別な関係です。

そこで、プランBで第2セッターを今いる選手の中から育成しておく必要があります。勿論、急造になりますので、細かいスキルは要求しません。シンプルだが確実なセット(トス)を彼にはやってもらいます。プランCでは、恐らく本番近くになってチームに合流してくるベテランセッターを使います。彼の奔放なセット(トス)には、味方チームだけでなく、相手チームも面食らうでしょう。相手チームのリズムが崩れた後に、第1セッターを戻します。

戦術を指導するのには時間がかかります。理由は、技術は一人でも実行できますが、戦術はチームメンバー全員が理解していなければ実行できないからです。1つ歯車が狂えば、全体が狂います。また、理解できても、その戦術を場面に応じて臨機応変に駆使することが難しいのです。

今回の試合では、ベンチの私の方からセッターに戦術の指示をワンプレー毎にフィンガー・サインで送る必要があります。選手達には、可哀そうですが、今回の東南アジア大会だけは、私の指示するチームプレーの型に当てはめてやらなければなりません。そうしないと個人プレーに走ってしまって自滅するのが眼に見えています。

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