2014年7月4日金曜日

Tue.July 1,2014 スポーツ障害に杞憂

怪我やスポーツ障害には自己責任もあるが、管理者にも責任はある。

「スポーツ障害」とは、怪我が慢性化している状態のことを言う。例えば、足関節捻挫(足首を内側に捻った場合が多い)も治療やその後のケア(リハビリ)を十分にしないで現場に復帰した場合、同じような捻挫を繰り返す場合がある。

指導者によ指導にも原因がある場合もある。ブロック練習で、十分なステップ練習を積まずに3人ブロック(トリプル・ブロック)をやっても捻挫の元を作っているようなものである。

練習の場の環境やオーバートレーニングによる場合もある。硬い床上でジャンプを繰り返すことで生じる膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)、ランニングのし過ぎでの腸脛靭帯炎、新入生などが急に激しい運動をすることでのシンスプリントなど。
(バレーボールを本格的に初めて4年ぐらいの選手が痛みを訴え始める。座っている21歳の選手は191cmのミドルブロッカー。膝の周りの痛みを私が来た時から訴えていた。先生の診断で腸脛靭帯炎と判明した)

今朝の警察チームの陸上トレーニングに知り合いのスポーツドクターである岩﨑さんに来ていただいた。Dr.岩﨑は日本とプノンペンで医院を開業されている。プノンペンでは5年前から開業され、2ヶ月に1週間はこちらに出張でやってくる。

練習後、警察チームの監督に許可を得て、膝に痛みを訴える3名の選手達を診て頂いた。3名とも、ナショナルチームには中核となる欠かせない選手達である。3人の平均身長は186cm。この3人が活躍できないとなると私の計画も遂行できない。

1人は、慢性の足関節内側側副靭帯損傷、いわゆる捻挫。今後の練習ではテープを巻いて練習することが必要だ。2人は、太ももの外側に痛みを生ずる腸脛靭帯炎。主因はオーバーユース。過剰なランニング時間と距離、柔軟性不足(ウォームアップ不足)、休養不足、硬い路面や下り坂、硬いシューズ、下肢アライメント(内反膝)など、さまざまな要因が加味される。練習のメニューを工夫して、ダッシュやジャンプの回数を削減すること、練習の前後のストレッチの導入が必要だ。

町営靭帯炎の予防のストレッチには、腸脛靭帯に繋がっている大腿筋膜張筋、中臀筋、大臀筋を伸ばすストレッチが有効である。
そういえば、どのチームでも練習の前後にストレッチをやっているチームを見ていない。

指導者は、けが人やスポーツ障害者を出さないように最善の注意を払う必要がある。そのためにトップチームではコンディショニングトレーナーを雇っている。そして、トレーナー(AT:アスレチック・トレーナーAthletic Trainer)は理学療法士(PT:フィジカル・セラピストPhysical Therapist )(懇意のスポーツドクターと連携している。

この国で、直ぐにそのような環境をつくることは容易でないということはわかるが、スポーツ障害で有望な選手たちがベテランどころか中堅になる前に早々と現役から去っていくことのないように指導者達を啓蒙していく必要がある。

全ては、選手第一で考えよう。

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